表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/28

001話 魔王召喚、さて、ここは何処だろう?

 作者の煩悩が作り出した、暴走小説の恐れがあります。

 相変わらず、魔法の詠唱と魔法の名前に関してセンス無し…

 だれか、だれか、ネーミングセンスを分けておくれ!!


 とりあえず、初回2話続けて更新予定です。

 どうかよろしくお願いします!!


 一時間遅れで、2話目更新予定…

 百年と数十年前、魔界を統一せんと旗を掲げた魔王が死んだ。

 何故? どうして? 何処で? …彼の死は謎に包まれているが、彼が死んだと言う事実だけが魔界中を駆け巡った。

 強大な王の死に魔界は混乱を極めたが、それはある種の時代の終わりを告げる戦乱の幕開けでもあった。

 いままで、魔王の配下をしていた者達が台頭し、勢力を拡大し始めたのだ。

 群雄割拠…以後、百年続く戦国時代の幕開けである。


 しかし、この混乱は魔王の死ぬ千年前に予知されていた事でもあった。


『世界を覆いし魔が落ち、世界を混沌が支配する。

 混沌は百年続き、百年後に新たな魔が現れる。

 かの者は混沌を支配する王なり。混沌を食む者なり。混沌を司る者なり。

 かの者は狂乱と狂宴、魔導の化身なり、世界を塗り替える新たなる王なり。

 かの者率いる者達もまた混沌なり…

 ある民は恐れるだろう、ある民は歓喜するだろう。

 魔で器が満たされしとき、混沌が世界に溢れ出すことだろう。

 太古の神が再来する時、かの者はその楔で世界を縛るだろう』


 予言の出だしである。

 予言はこの後、幾つかの文章で続きが書かれているが。

 未だ、その全貌の解明に至っていない。

 そして、この王もまだ現れていない…



 目が覚めたら見知らぬ森の中に居た。

 高校の制服のまま突っ立て居た訳なのだが…


「ふむ、立ったまま寝るとは俺も器用になったものだ」


 夢遊病かなにかのだろうか?

 俺なら寝ている間に、ご近所さんに不審者認定されててもオカシク無いな…

 後でオカンにそれとなく聞いてみよう。


「さて…それはそうと、なぜ目の前にケモミミが居るのだろうか?

 これは夢なのだろうか? それとも、季節外れのクリスマスプレゼントかなにかだろうか?

 だとしたら、ベッドに届けてくれればいいのに…残念だ」


 そう、俺が目を覚ましてからずっと、俺を見る視線があった。

 目の前の木の影から俺を伺う様に見る視線の主は、灰色(アッシュグレイと表現した方が良い灰色)の髪に、水色の瞳、そしてピョコピョコ自己主張する可愛いケモミミの少女…

 身に纏っているのは黒いローブで、その下には革鎧を着込んでいる。所謂、レザーアーマーというやつだ。

 年齢は、高3の俺と変わらないぐらい。身長はクラスの女子達より頭1つ分小さいくらいか? しかし、その可愛さは尋常ならざるものがある。小動物を思わせる外見だ、保護欲を掻き立てる。良く見ると尻尾も生えている、あれは…イヌ科の尻尾だな。嗚呼、モフモフしたい…


 最初は視姦でもされているのかと思ったが、視線に熱を感じないからそうでないのだろう。

 なんかジト目だし。いや、ジト目も好きだから良いのだが。

 さて、ファーストコンタクトは大事だ。何事も第一印象だ。そこから人間関係が始まり、フラグが建って行くのだ。俺はぜひともこの美少女とフラグを建てたい。なら、なにを言えば良いだろうか?


「初めまして、俺の名前は《黒峰真治くろみねしんじ》。高校3年の男子高校生だ。

 趣味は、俗に言うエロゲを少々…主に鬼畜系、調教系、陵辱系、触手系、ハーレム系のモノを嗜んでいるが。純愛系、恋愛系、ラブコメ系も結構好きだ。基本的に好き嫌いは無い。

 しかし、残念ながらロリ属性と一部属性にだけは耐性が無いらしくてな…否、君は確かに背が低いが、ギリギリ俺の中では射程圏内だから安心してくれ。

 一部の同級生からは《変態》《変人》扱いをされているが、違う一部からは《紳士》などと呼ばれている。

 その名に恥じぬよう、当たり前の常識だが、相手の合意が無い以上、No touch だ安心してくれ。

 さて…君の名前を教えてくれるかな?」


 決まった。

 どうだ、俺の第一印象。

 完璧に決まった筈だ!!

 

 しかし、何故だろうか?

 警戒の色を濃くされた気がするのだが…

 ケモミミ少女が口を開いた。


「私の名前は《キキ・モラ》です。

 貴男が変態なのは何となく解りました、故に、この距離から失礼します。身の危険を感じるので…」


「そうか…なら、仕方ないな」


 成る程、ファーストコンタクトは失敗か…

 まぁ、仕方ないな。この自己紹介は、高校入学時の最初の自己紹介での失敗を教訓にしたものだったのだが…まぁ、根本的に問題があるのだろうな、以後、改良しよう。

 それに最初の好感度が最低値など、ギャルゲの常識だ、徐々に上げて行けばいいだろう。


「さて、キキたんに聞きたい事があるのだが良いだろうか?」


「タン!?…な、なんでしょうか?」


 口の端を引き攣らせて、キキと名乗った少女が促してくれる。

 冗談だったのに、突っ込みがないと厳しいな…


「どうやら俺は寝ている間に歩き回ったらしくてな。

 ここが何処だか、皆目見当がつかないのだ。できれば、ここが何処なのか教えて欲しい。

 後、昨日ゲームを買った為、お金の持ち合わせも無くてな…帰りの電車賃も貸してくれると助かる。後日、菓子折り持って返させてもらおう」


 キキは苦笑いを浮かべ、答えてくれた。


「あぁー、やっぱり《予言》通りの変人さん何ですね。なら、説明させて頂きます。

 ココは《魔界》の最南端、《終幕の地》の《旧:魔王領》にある《漆黒の樹海》です。

 大変申し訳ありませんが、シンジ様が自宅に帰る事は叶いません。なぜなら、貴男は《魔王の器》を持つ《魔王》として召喚されたからです…

 お解りに…なりましたか?」


「うん。君が電波ではないかと疑ってる」


「お解りになってないですね…」


 キキさんは心底疲れた表情を浮かべた。

 まぁ、ケモミミが居る以上、ここが俺の妄想の世界か、本当に魔界とやらなのだと思う。



 森の中をキキちゃんに続いて進む。一定の距離を空けられているのが、少し悲しい。

 彼女曰く、この世界は《魔界》なのだという。今居るのは《漆黒の樹海》と呼ばれる《魔境》の1つらしい。《魔境》とは…キキちゃんが小難しい説明をしていたが、ようはRPGでいう所のフィールドダンジョンのことと考えてよさそうである。

 だとしたら、少々、エンカウント率が悪い気がする。

 この樹海を歩き出して十数分…一向にエロい触手や、都合良く服を溶かすスライムが現れないのだ!!

 これは由々しき自体である。折角、《魔界》などという触手の巣窟のような場所に来たと言うのに…エロイベントの1つも起きないと言うのは!!


 俺が頭を悩ませながら歩いていると、なにか柔らかい感触が足に触れた。否、なにか踏んだと表現すれば良いか…


「?…」


 ゆっくり足下を見ると、そこにそれはあった。

 緑の斑模様の長い身体、その地を這う動物を俺は良く知っていた。

 しかし、その名前が直には出て来ない。何故なら、俺の知ってるその生物と大きさが全く違うからだ。

 俺の足の下の生物は大きく身体を波打たせ、その鎌首を茂みの奥から覗かせた。


 そこで初めてこの生物の名前を思いだした。

 俗に言う蛇だ。蛇にこの生物は似ている。

 しかし、俺の知ってる蛇はこんなにデカく無い。コイツは見た感じ、20mは裕に越える全長を持ってそうだ。ほほう、蛇ですか…そうですか…


「お呼びじゃねーよ!!

 触手呼べ!! 触手!!

 スライムでも可だこの野郎!!」


 自分でもどうかと思う発言である。

 こんな化け物と対峙して、感覚と言うか、生存本能が麻痺しているのかもしれない。

 なんか、命の危険を感じられなかったのだ。

 大蛇は俺を修瞬眺めた後、大きな身体からは予想も出来ない猛スピードで頭を動かし噛み付いて来た。

 おぞましい色の体液が溢れでる臭い口が迫っていた、鋭利な牙が俺を捕らえようとしている。


 死んだ…と思ったが、俺は自分の立っていた場所に蛇の牙が突き刺さる所を見ている。


 なんか、牙が俺を捉える寸前で、横から何もかに引張られたのだ。

 俺の右手首を掴むその人の顔を見る。

 冷や汗を浮かべたキキちゃんだった。


「な、、なにをやっているのですか!?

 なんで、魔法をお使いになられないのですか!!!」


 キキちゃんはそう叫びながら、俺の右手を引張り駆け出す。

 俺も引き摺られる様に走りながら叫ぶ。


「魔法!? この世界には魔法があるのか!?」


 歓喜である。

 マジか、魔法か、夢が膨らむな…

 あれか、風属性の魔法とかで服ビリビリに出来るのかやったね♪


「なんでこの状況で笑顔なんですかぁあああ!!」


 キキちゃんの悲痛な叫びが響く。

 よおく見ると、キキちゃんの腰には剣がぶら下がっている。

 あれで戦わないのですかね?

 俺の視線に気付いたのだろう、キキちゃんが避難の目を俺に向けて来た。


「…あれと戦えって言うんですか!?

 無理ですよ、無理。あんなのと戦って勝てる訳無いじゃないですか!!

 この剣? 飾りですよ、飾り。私、実は、インドア派なんですよね!!」


 そう叫ぶキキちゃんの目は、ハイライトが消えていた。

 レイプ目…デスネ。


「つーか、シンジ様もなんで魔法使えないんですか!!

 それでも魔王の端くれですか!!」


 ふむ、習ってないモノは使えないと思います。


『シャアアアアアアーーーーーー』


 蛇の毒牙が間近まで迫っていた。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ