第五話
400PV越えました!
有り難いことです(o^∀^o)
「あれで反省するといいが……。」
「それに越したことはないんですが、無理でしょうね。おそらく謝罪なんてしないし、税を下げることも無いですよ。でも……」
喚き散らして疲れ、放心した領主の屋敷から引き上げる際に見た、屋敷を案内してくれた侍女。
「……ありがとうございました。自分達がどれ程愚かな領主に仕えていたかに気付かされましたわ。」
瞳に強い光が宿っていた。
きっと、彼女が中心となって。
「この領地が変わっていくきっかけになれましたよ。」
2ヶ月後
「……アルバート殿、何度目ですかねコレ。ホント人が良すぎますよ。」
「……その、放っておけなくて……だな。」
アルバートには、迷子の少女がしがみついていた。
潤んだ瞳がフィルを捉える。
この旅を始めて2ヶ月。
互いのことを理解し始めていた。
フィルがアルバートについて気付いたことは、アルバートが凄まじいまでのお人よしであることだ。
自分の利害を考えない所は美点ではあるものの、巻き込まれるフィルにとっては迷惑極まりない。
かといってアルバートが連れてきたトラブルを放っておくこともできず、結局フィルも絡むことになる。
どこまでも真っ直ぐな男だ。
「……お嬢さん、お母さんを一緒に探しましょうか?」
そして、アルバートから見たフィル。
まだ若い割に思慮深く、面倒見が良い。
いつも微笑んでいるものの、時折驚くほど強烈に感情を見せる。
未だに性別や領主の屋敷で見たあの不思議な力について詳しくは語らない。警戒心が強く、不明な所も多い人物だ。
「アルバート殿、俺がこの子を肩車するのでこの子と一緒にお母さんを探してください。…背が高いって便利ですねぇ。」
フィルが少女を肩車すると、少女とアルバートの目線が同じくらいになる。
少女は今まで涙目だったのが嘘のように、きゃあっと歓声を上げた。
「お母さんはどんな人?」
「えーっとね、髪と目の色はエルと一緒!エルは私!」
「赤毛に青の目か、珍しいな。」
「うん!パパはお母さんとエルの髪と目、凄く綺麗だねって言ってくれるの。」
「確かに綺麗だなと思うな。俺、色薄いからなぁ……。」
「ん……あの人じゃないか、母親。」
もう、王都は近い。