飛行機に乗った!
初めて飛行機に乗ったのは、小学生の時だった。
地元の飛行場で遊覧飛行があるというので、家族やら知り合いと一緒に飛行場に赴いた。
飛行場には、街中の商店では見ることのない珍しい商品が置いてあって楽しかった。
遊覧飛行に乗る人は名前を呼ばれていたので、そのうち名前を呼ばれるだろうと思って待っていたが、いつまで経っても呼ばれない。
とうとう、母が降りて来た人にどうしたら乗れるのか訊いた所、外にテントが張ってあって、そこで受付をしてくれるのだと知った。
受付で、名前を登録しないと乗れなかったんですね。
母も誰も、事前にどうしたら乗れるか、調べてなかったんですよ。
受付をしてやっと乗れたのですが、待ち時間が長かったので、感激は全くなかったです。
飛び立って、五分もしないうちに降りてしまいました。
これなら、遊園地の乗り物と同じじゃないかとがっかりしたのでした。
長じて、大学に通い始めた私は、スカイメイトという制度、席が空いていれば21歳以下は半額の料金で飛行機に乗れる、を利用してよく飛行機に乗るようになりました。実家に帰るのにちょうど良かったのです。
機体はYS11。
プロペラ機です。
ある時、着陸したと思ったら、再び飛び上がりました。
え?!
えええええ!
何故、どうして、もう一度飛び上がる?
何が起きた?
どこに行くの?
まさか、隣の国?
と、パニックって外を見たら、翼のフラップが目一杯出ている。
赤い線が見える。
え?!
だ、大丈夫なん?
と思うものの、スチュワーデスさんは沈黙している。何の説明もない。周りの乗客、大人達もシーンとしている。
その時、飛行機がグーンと曲がった。
地上が見える。
私の席は翼の上あたり、本来なら地上の様子は翼に遮られて見えない筈!
飛行機は思いっきり傾いていた。
翼から目一杯出たフラップに引かれた赤い線がまるで、危険危険と言っているようで本当に怖かったです。
あの赤い線は、これ以上フラップは出ないよという線だったのではないかと思います。
飛行機は飛行場の上をぐるっと回ってすぐに降下を始めました。
ちゃんと着陸するまでは、本当に怖かったです。
降りる時にスチュワーデスさんに状況を聞きたかったけど、スチュワーデスさんから「聞かないでオーラ」が出ていたので何も聞かずに降りました。
数年後、「エロイカより愛をこめて」という少女漫画を読んだ。
主役の一人、クラウス・ハインツ・フォン・デム・エーベルバッハ少佐が、民間のジェット機を操縦して、着陸した瞬間再び飛び立つ、タッチアンドゴーという飛行をやってのけるのですが、この時、初めて、自分の経験がタッチアンドゴーだったのだと知りました。
きっと、より安全な着陸の為に、タッチアンドゴーで着陸をやり直したのだと思います。翌日の新聞に載るかなと思っていたのですが、載りませんでした。ニュースにもなりませんでした。
ですが、私にとっては貴重な体験、人生のビッグニュース!




