5-2 空色のリボンの意味
リサさんは、もっと盛りたそうな感じだけど、そろそろテオ君が迎えに来ちゃいそうだし、私もこれ以上気合入れたメイクをされたのではちょっと困る。
だって、ナチュラルメイクと言っても、私にとってはこれなら仕事に行けるレベルの化粧なんだもの。
リサさんは最後に私に髪に付けるリボンをアクセサリー箱から選ぶ。
迷いなく空色の光沢のあるサテンのリボンを手に取るのを見て、私は昨日テオ君にそのリボンをほどかれたことを思い出した。
「それって、色に何か意味があるんですか?」
私は良く晴れた青空色のそのリボンが気に入ってるけれど、ダメな理由があるのかも。
「この青色は、勇者様の討伐隊はみな身に付けるんです。勇者様の目の色なので『旗下で運命を共にする。命を捧げる覚悟がある』と言いう意味です」
私は、ただの髪飾りが思ってたよりも重い意味を持つことを知って驚く。
(なんと、そういう意味だったのね。意味も分からずつけていたから、テオ君、怒ったのかな?)
怒るというより、困った顔をしていたような気がする。
私が、知らずにつけさせられていたのが分かって、責任を負わせないように気をつかってくれたんだろうなぁ。
ホントにテオ君、いい子そうだもんね。
聖女の力はないけど、出来る限り応援してあげたいと思う。
「あとは、恋人に贈ったりもしますね。自分の瞳の色や髪色と同じアクセサリーを送るんです」
ええっ!? 私は『恋人』という言葉にドキッとして真っ赤になったものの、すぐにシュンとした。
(だから、誤解がないようにほどかれたのかな……?)
いやいや、テオ君のために呼ばれた聖女だから、意味的には前者に決まってるよね。
そもそも、テオ君にもらったリボンでもないし、誤解も何もないもん。
「昨日、勇者様にそのリボン外されちゃったので、違うのがいいかと思います」
「そうなんですか? 失礼しました。では、無難な虹輝石の髪飾りにしますね」
オパールのように虹色に光る石を中心に銀の繊細な細工が施された髪飾りを付け、私の身支度が整った。
(もうお腹ペコペコよ。今日の朝食はなにかな?)
私は期待に胸を膨らませた。




