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呪われ勇者の専属聖女になりました……けれど私にあるのは10キロの米袋だけです!  作者: 天城らん


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4-1 努力家の勇者様

 

 怒涛の一日が終わって、私は城内の聖女の部屋に帰って来た。


 迎えてくれたのは、ニコニコ笑顔の麦わら帽子の女の子が描かれた10キロの米袋だった。

 私は、慣れない乗馬や見たこともない魔獣や戦闘を目の当たりにして、ぐったりしている。


(ああ、それ以前に私、異世界に召喚されてたんだ。あまりにもショックすぎて忘れてた……)


 これはもう、意識を手放してもいいよね?

 私は、夢の天蓋付きベッドへ飛び込んだ。


(ふかふかだ~。癒される……)


 そう思ったときには、もう寝具に吸い込まれるように眠ってしまった。

 メイドさんが夕食の時間を告げに来てくれたが、私は起きることができなかった。


 *


 翌早朝。

 私は、空腹で目が覚めた。

 カーテンを開けると、大きな窓から新しい日を告げる朝日が僅かに顔をのぞかせていた。


(異世界に来ても、朝日は昇るしその日の光は安心するのね)


 考えることは色々ある。

 色々あるが、とりあえず私は生きてる。

 それで十分だよね。

 私は、無意識に太陽の光が入る方角に手を合わせて感謝をした。


 

 窓を開けると、テラスがあったことがわかり外に出てみた。

 ここは2階。

 眼下に、薔薇の花の咲く庭園と東屋(ガゼボ)が見えた。


 素敵な風景にうっとりしながらも、この世界には魔獣や魔王というものがいるのを思い出して少し憂鬱になる。

 それらは天災みたいなものでどうしようもないと言われても、やはり初めて目にした怪物への恐怖はぬぐえない。

 私は、頭を横に振り嫌な考えを振り落とす。

 問題を先延ばしにすることはよくないけれど、解決しない問題の前でずーっと立ち止まっていても答えは見つからない。

 それよりはできることから手を付けて、少しでも動いていた方が前に進んでいるし、色々なことをしているうちに解決策が偶然にも見つかることもある。


(私にできないことを考えこんでもしょうがない。できることから、目の前にあることから始めよう!)


 それが自分の世界でも異世界でも変わらない私のモットーだ。

 朝の空気を胸いっぱいに吸い込むと、緑とほのかにバラの匂いを感じた。



 

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