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創造神の遊戯  作者: 面白味
創造神初めての冒険
8/54

7話 Aランク冒険者

構想はあるんだよ構想は

書く力がないんよ(´;︵;`)


ギルドの大広間。

冒険者たちがざわついていた空気は、黒鋼の翼のリーダー、カイルの一声で一変していた。


先ほどまで空を笑い者にしていた連中も、彼らが一歩前に出るだけで、居心地悪そうに肩をすくめて散っていった。

黒鋼の翼──Aランク冒険者。国に認められた強者であり、街の者たちからも憧れと畏怖を集める存在だ。


彼らは、冒険者として最高位のSランクに次ぐ実力を誇り、いずれ昇格するのではないかと噂されている。

その威光は、粗暴な連中にとっても逆らえぬ圧を放っていた。


「……すまなかったな、あんな連中に絡まれて」


カイルが一歩前に出て、静かに言った。

金髪に青い瞳。清廉な騎士を思わせる立ち振る舞いは、彼がただ強いだけでなく「人を導く器」を持っていることを示していた。


空は肩を竦めて、淡々と返す。


「気にするな。人間は自分より弱い者を笑いたがる生き物だ。……それに、別に害はなかった」


「だが、あのままでは君のような新人が気を悪くするわ。私らも同じ冒険者として、恥ずかしい限りだわ」


横から銀髪の女──黒鋼の翼の副リーダー、エリスが口を挟む。

冷静で理知的な雰囲気を纏う彼女の視線は、空を真っ直ぐに射抜いていた。


「同じ冒険者……か」


空は小さく笑みを浮かべた。

創造神である自分が、今「同じ」と呼ばれるのは滑稽だが、悪い気はしなかった。


カイルは真剣な目で続けた。


「何か困ったことがあれば、遠慮なく俺らを頼ってくれ。……自慢じゃないが俺らはAランク冒険者だ。俺らも最初は右も左も分からなかった。だからこそ、同じ立場の仲間を放ってはおけないんだ。」


「……そうか。覚えておこう」


軽く受け流すように答えたが、その声音にはわずかに温度が宿っていた。


エドガーが一歩前に出て、深々と頭を下げる。


「ご配慮、痛み入ります。主は口数が少ないゆえ、代わって礼を述べさせていただきます」


「いや、気にしないでくれ。……それじゃあ、またギルドで」


黒鋼の翼の五人は、それぞれ軽く会釈をして立ち去っていった。

彼らの背を見送りながら、空は心の中で小さく呟く。


(……妙な連中だな。あれほどの力を持ちながら、驕りがない。だから人に慕われるのか)


ほんの少し、興味が湧いた。


* * *


「さて、どうするか」


空は掲示板を前に立ち止まった。

そこには無数の依頼書が貼られており、モンスター討伐から荷物の護衛、薬草の採取まで内容は様々だった。


「主、いかがなさいますか。最初の依頼、あまりに難度の高いものを選ぶのも怪しまれましょう」


「そうだな……だが、どれも似たり寄ったりに見える」


掲示板を眺めながら空は正直に答える。

どの依頼も人間たちにとっては生死を分ける重大事だろうが、彼にとっては「暇潰しの遊び」にすぎない。

だからこそ、最初の一歩は慎重に選ぶ必要があった。


そのとき──受付嬢が笑みを浮かべながら声を掛けてきた。

栗色の髪をきちんとまとめた、柔和な雰囲気の女性だった。


「もし依頼で迷っているなら……初心者の方には薬草採取をお勧めしますよ」


「薬草採取?」


「はい。回復ポーションを作るのに必要な『ヒーリングハーブ』の採取依頼です。草原に群生していますので、危険度は低めですし、街に戻れば調剤師が買い取ってくれます。報酬は銅貨四枚。初めての方にはちょうど良いと思います」


空は少し考えてから、頷いた。


「……それでいい。エドガー」


「承知しました。では、この依頼を」


エドガーが丁寧に依頼書を受け取り、受付嬢に渡す。

受付嬢はにこやかに手続きを進めた。


「はい、これで完了です。草原は街を出てすぐの場所にありますので、気をつけて行ってきてくださいね」


「感謝する」


空が軽く会釈をすると、受付嬢は驚いたように目を瞬かせた。

冒険者という存在は粗野で荒っぽい者が多い。その中で、彼の礼儀正しさは意外に映ったのだろう。


* * *


ギルドを出ると、夕暮れの光が街を黄金色に染めていた。

石畳を踏みしめながら、空とエドガーは門を抜け、広大な草原へと向かう。


「薬草採取……ですか。随分と穏やかな依頼をお選びになりましたな」


エドガーが横目で見ながら言う。

空は笑みを浮かべて答えた。


「最初だからな。人の世に溶け込むには、まず小さな一歩からだ。……それに、薬草というものを実際に見てみたい」


「なるほど。主ほどのお力をもってすれば、どのような依頼も容易でしょう。しかし、こうして一から歩まれるとは……」


「俺は遊びに来たのだ。効率や勝敗など、どうでもいい。重要なのは“楽しめるかどうか”だ」


エドガーはその言葉に小さく笑い、頭を下げた。


「心得ました。では、私も楽しませていただきましょう」


二人の歩みは、次第に街を離れ、風が吹き渡る草原へと進んでいった。


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