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創造神の遊戯  作者: 面白味
創造神初めての冒険
12/54

11話 異空間の夜

できれば評価していただきでやす。

モチベ上がります


夜。

街の灯が少しずつ減り、通りを行き交う人々の数もまばらになってきた頃。

空とエドガーは人通りの少ない裏通りを抜け、街の外れへと向かっていた。


「……主、本当に宿を取らなくてよろしいのですか?」

エドガーは少し不思議そうに問いかける。

冒険者ならば大半は安宿を借り、一日の疲れを癒やすのが常識だった。


空は薄く笑い、夜空を見上げながら答えた。

「宿も悪くはないが……俺にはもっと快適な空間がある」


その瞬間、空の足元に淡い光の魔法陣が浮かび上がる。

空が片手を軽く振ると、現実の景色が歪み、波紋のように広がっていった。

一歩足を踏み入れれば、そこはまるで別世界。


そこは、以前エドガーを雇う際に作った異空間を改良したものだった。

広さは中規模の館ほど。夜の闇ではなく、柔らかな照明が温かい光を落としている。


中央には重厚なソファと木製のテーブル。

壁には本棚や観葉植物、奥には寝室として使える整然としたベッドルームまで用意されている。

窓から見える景色は仮想の庭園で、星空と小さな池が静かに広がっていた。


エドガーは思わず目を見張る。

「……これは、また……」


空はソファに腰を下ろし、肩を軽く竦めた。

「インテリアを工夫してみた。人間的な生活感が出ただろう?」


エドガーは微笑を浮かべ、深く一礼する。

「はい。まるで貴族の館にいるかのようです。……いや、それ以上かもしれません」


空はあまり表情を変えずに、水差しから杯に注いだ水を口にする。

「俺は休む。お前も休め」


エドガーは「御意」と答え、片隅の椅子に腰を下ろした。

目を閉じる前に、改めて主の力の凄まじさを思い知らされる。

人間には到底真似できない「世界を作る」力。

だが、その主はそれを日常の延長のように使っている。


こうして二人は異空間での一夜を静かに過ごした。


* * *


翌朝。

異空間の「窓」から差し込む柔らかな光に目を覚ました空は、軽く伸びをして立ち上がった。


「さて、今日も依頼を取りに行くか」


エドガーも既に準備を整えており、背筋を正して主を待っていた。

「本日のご予定は?」


「ギルドで決める」

空はそう答え、異空間を解除する。


波紋が弾け、現実の街外れへと戻る。

朝の空気は清々しく、通りには市場へ向かう商人や屋台を準備する人々の姿が見える。


二人はギルドへと向かった。


* * *


冒険者ギルドは朝から活気に包まれていた。

木造の扉を押し開けると、依頼掲示板の前には人だかりができている。

武装した男たちが依頼の紙を剥がし、仲間同士で相談し合っていた。


空とエドガーが受付へ向かうと、昨日の受付嬢リーナがにこやかに迎えてくれる。

「おはようございます、空さん、エドガーさん!」


「依頼を受けたい」

空が率直に告げると、リーナは用意していた依頼書の束を取り出した。


「昨日は薬草採取でしたので……今日は討伐依頼はいかがでしょうか? ちょうど森に出没する群れの駆除があります」


空は紙を手に取り、内容を確認する。

依頼名:【森狼の群れ討伐】

報酬:銀貨2枚

内容:街道沿いに現れ、商人を襲う群れを駆除すること。


空は軽く頷き、紙をカウンターへ戻した。

「これにする」


リーナは微笑み、記録を取る。

「承知しました! ご武運をお祈りします」


エドガーは横で小さく頷いた。

「主、討伐依頼となれば、ある程度の準備が必要かと」


空もそれを理解していた。

「せっかくだし、冒険者らしく見せておくか」


そう言って、二人はダリオの店へと足を向けた。


* * *


「おおっ、いらっしゃいませ!」

店の扉を開けると、ダリオが満面の笑みで迎えてくれた。

「昨日は本当にありがとうございました! 今日はお買い物ですか?」


空は小さく頷いた。

「討伐に行く。必要なものを揃えたい」


ダリオは嬉しそうに手を叩いた。

「それはそれは! でしたら、回復薬や携帯食、予備の縄などはいかがです? 初心者の方が最初に買うものといえばこのあたりです」


棚から瓶や袋を取り出し、カウンターに並べる。

小瓶に入った赤い液体は回復薬、革袋に入った干し肉や乾パンは保存食、そして頑丈そうな麻縄もあった。


エドガーはそれをじっと見て、主へ意見を求める。

「いかがなさいますか?」


空はしばし考え、財布から数枚の銅貨と銀貨を取り出した。

「全部もらおう」


「まことにありがとうございます!」

ダリオは目を輝かせ、丁寧に包みを用意する。

「これでどんな依頼も安心ですよ!」


商品を受け取り、空は淡々と頷いた。

「また来る」


ダリオは満足そうに深々と頭を下げる。

「お待ちしております!」


* * *


準備を終えた二人は街を出て、森へと向かった。

街道を歩くと、広い草原の向こうに濃い緑の森が広がっている。

鳥の声が響き、風が草を揺らして波のように走る。


「主、森狼の群れはこの先に潜んでいるはずです」

エドガーは腰に手を添え、気配を探るように目を細める。


空は淡々と前を見据える。

「……なら、さっさと片付けよう」


こうして二人は、新たな依頼を遂行すべく森の中へ足を踏み入れた。



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