第四話「冒険者」
改善点おねがいします。
はい、僕はフィオナの冒険者カードを取り戻しにきました。
確か、フィオナ曰く茶髪の巨体って言ってたな。
「いや、見た目は分かってもアジトがどこなのか分かりませんよ」
容姿が分かっても、敵のアジトが分からなければ意味はない。
“彼は詰んだのである。”
「近くで商売してないのかなぁ」
今は夜の8時半頃、いるわけな…
?!?!?!?!?!
目の前で商売している茶髪の巨体がいたっ!
「奇跡すぎる、ありがたい」
僕は商人の方へ行った。
「そこの坊や、何か用かい?」
敵は喋った。
「今、お金が無くて、あなたの屋台の看板に金貨を稼ぐ方法と書いてあったので…」
看板には[金貨が無いあなたへ!金貨を稼ぐ方法教えます]って書いてあるのだ、誰が見ても詐欺だろう。
恐らくフィオナは金貨が無く、恐る恐る詐欺られたのだろう。
「あぁ、教えるぜ!準備は良いかぁ?」
この胡散臭い感じ、詐欺師だな。
詐欺師の匂いがする。
「はい!教えてください」
僕は教えてもらうことにした。
「じゃぁまずは冒険者カードを渡してくれるか?」
「え?冒険者カードで何をするんですか?」
「冒険者カードを俺が預かる、そして毎月金貨一枚お前に渡す、これが俺等のやり方だ」
「渡して大丈夫なのでしょうか、少し不安です」
「大丈夫だぜ、紙に名前書くし、王国の許可も得ている」
紙に名前書くだけで信用できるかよ…
「分かりました、こちら冒険者カードです」
アレスは冒険者カードを渡し、紙に名前を書いた。
こいつ、ちょろすぎるだろ、これから詐欺られるってのによ、しかもこいつS級だぞ、こりゃ良い金になるぜ。
「はい、確認完了!これ、今月分の金貨一枚だ、受け取れ」
茶髪は、金貨一枚を渡した。
「ありがとうございました!」
よし、任務完了だ。
僕は少し離れた所にある防具屋に入った。
ちなみに金貨は使えるのだろうか、僕は試しに防具屋の店長らしき男に尋ねてみた。
「あの、すみません!この金貨って本物でしょうか」
男は目を大きく開け、レンズのような物で確認しだした。
「こりゃ、偽物だ、どこで手に入れたんだ?」
男は僕を疑った目で見ていた。
「これは、地面に落ちていた物です、本物だったら嬉しかったんですが、残念です」
そりゃ疑うよな、偽物の金貨を見せてるんだ、悪用される可能性もある。
「そうか!この偽金貨、重さも触り心地も似てたからよ!疑ってすまない」
「大丈夫ですよ、疑う要素しかないですしね」
話は終わり防具屋の中を見ていた。
「この防具高っ!金貨20枚だって?」
防具屋は、銅貨から金貨まで、幅広い値段だった。
一番高いのは、全属性攻撃軽減がついた鎧だった、意味あるのか?
ま、それより高い装備を知っているが。
そう“師匠の装備”だ!師匠の装備は、師匠の匂いに師匠が着尽くした後がある。
「これは僕が変態だと言う事を伝えてるわけじゃない、神の偉大さを伝えているのだ!」
気がつくと商店は閉まっていた、タイミング良いな。
僕は冒険者カードに魔力を注入したのだ、居場所なんて特定出来る。
「失われた魔力よ、今力を持って浮かび上がれ」
『マジック・リバース』
すると、100メートル先で光輝いている事が分かった。
ウィルガの森にあるんだな、あいつ等強いのか?
僕は尾行を続けた、少しずつ奥へと進み、辺りはすでに真っ暗だ。
「まだ…つかないのか?」
走り始めて30分程経ったぞ?どこまで行くんだ。
走り始めて40分が経つ頃だろうか、敵のアジトへ着いた。
「やっと着いた……あいつ等警戒しすぎだろ」
敵はレンガで出来た倉庫で話していた。
「今日はいい収穫だったぜ」
「いや、俺の方が凄えだろ」
「オラはS級カード手に入れたぞ」
「「お前凄えじゃねぇか!S級って…こりゃ大金だ」」
みんな大歓喜だ、照れてしまうだろ…
そんな事はいい、あいつ等は犯罪者だ、許されざる者達だ!
「それにカード以外で、S級冒険者も連れてるみたいだぜ?奴隷売買は金になる」
?!?!?!
もしかしてバレたのか?姿は隠してた筈だぞ?
「S級冒険者?私がどうかしたのかしら」
あの、カードコレクター達の目の前にフィオナが立っていた。
「私のカード持ってるわよね?返しなさい」
怒っている様だ、そりゃ誰もが怒るだろう、大切なカードが取られたんだ。
「返さなかったらどうする?」
相手は笑顔だ、集団だからか?
「返さなかったら、この場にいる全員を殺して、無理やり手に入れる…」
「ひぇぇ、怖い怖い、良い顔が勿体無いぜ〜?」
「それにあの女、顔以外にも良い体してやがる」
あいつ等はピンチな筈なのに、なぜあんなにも笑顔でいられるんだ?何かありそうだな。
「お前等に話は通じないみたいだわ、死んでもらう」
フィオナは斧を手に構えた。
「おっと、俺等を殺したらどうなるか分かるだろうな?」
相手等は片手に冒険者カードを持った。もう片方の手には火。
火で燃やす気か?そんなことされたら、二度とクエストを受けれなくなるだろ…
これは僕が出た方が良いな。
「お前等、汚いやり方だな」
決まったか?これで相手はビビるだろ
「なんだ?お前」
あれ、もう忘れられたのかな?悲しいじゃないか……
「お前、さっきのS級冒険者だろ!」
ふっ、やはり知っていたか、照れちまうよ…
「でも、お前聞いたことあるぜ?S級なのは魔力だけってな」
ぐはっ…なぜそれを知っているんだ!
「なぜそれを知っているんですか?僕他人に教えた覚えは無いのですが」
僕は嘘などつかない、本当に教えてない、そもそも自分の恥ずかしい所を他人に教えるか?普通
「お前、ウィルガの森は広いんだぞ?他にクエスト受けている冒険者が見た可能性もあるんだぜ?」
なんだとぉぉ!その事は考えていなかった…
「まぁ、どうでも良い、お前等みたいな外道は痛い目を見た方が良いだろう」
そこで中級魔術を使うことにした。
「はぁ、お前も理解しねぇな、お前の魔術で俺等を殺したとしてもカードはどうなるよ」
?!?!?!?!?!
そうだカードがあったんだ……
アレスとフィオナは詰んだ。
この時、師匠はどうするだろうか、と考えていた時だった。
(私なら、上に光魔術を使い、閃光にしますけどね)
これだ!
僕の心の中にいる師匠が教えてくれた。(師匠なんていない、ただの妄想で得ただけである)
確か初級魔術に閃光弾的なやつがあったな。
僕は杖を手に取り詠唱を始めた。
「天を仰げ、光の使者よ、上に光を照らし、闇を払いたまえ! 」
『ルミナス・シエル』
キィィィィィン!
光が凄まじいこの閃光弾は天井を突き破り空高く飛んでいった。
「やばい、撃つ方向間違えた!」
ちょっと棒読みになってるかもしれないが、ここまでがセットである。
すると、フィオナは
「アレス!何やってるのよ!」
普通はこの反応が当たり前である。
周りの敵達も、
「こいつ、ミスってやがる」
「本当にS級か?」
非常に舐められてます、カードさえ持ってなかったら、こんなやつ秒だぞ?
「やばいーどうしよー魔力が切れて何も出来ないー」
演技は苦手だ、しかしここは、異世界、みんな信じるだろう。
僕は下手な演技を続けたその時だった。
倉庫の扉には鎧を纏った大きい男らしき者が立っていた。
こいつ等のボスか?それだとしたらまずいぞ?
「そこの少年少女よ、もう大丈夫だ、安心してくれ」
大丈夫だなんて言われてしまった、これは安心しちゃうよ
「お前等は誰だよ」
「あぁん?何者だ?てめぇ」
こいつ等、誰に対してもこの態度なんだな、すげぇや
「名乗り遅れて申し訳ない、俺はアスタリア製騎士団副団長のフィリス・ランベルクという者だ」
聖騎士?警察みたいなものか?
「お、お前が、なんで、こ、こにいるんだよ!」
敵等は体が震えている。
「さっき、ウィルガの森から上空にかけて光魔術を使っただろ?それで何かあったのかと思い駆けつけたんだ」
やっぱり助けてくれる最高の展開だ、撃ってよかった。
「お前、その為にワザと外したんだな?」
こいつ等マジで頭悪いな、やっぱり目の前の金に目が眩んで何も考えなかったんだな。
そこで隣を見てみると、フィオナは。
「やっぱり、アレスはそうすると思ったわ!」
はい、僕はミスをしたと思っていたそうです。
「お前等早く逃げるぞ!カードなんてどうでも良い!」
あいつ等は逃げようとした。
「待てっ!」
敵等は扉を開けた後地面に膝をつけた、まるで全てが終わったかの様に。
「悪い!駆けつけたのは俺だけじゃ無いぞ!聖騎士団全員で駆けつけに来た」
副団長だけ倉庫内に入り、他は外で包囲してたのだ。
「終わった、俺の人生はもう終わったんだ……」
最後にそうなるならやらなければ良いのに。
事は終わり、僕とフィオナは帰ろうとしていた時だ
「おーい!そこの少年よ!すこし話をしないか?」
話、何だろう。
「話って何ですか?」
何の話か聞いた。
「まず、少年のおかげで、100人以上の冒険者が救われた、例を言う、ありがとう」
副団長は直角なんじゃないかと思うくらいの礼をした。
「いえ、大丈夫ですよ、頭上げてください」
「そんな君に提案があるのだが」
「なんです?」
「君をアスタリア聖騎士団に推薦する!」
「え?」
余りにも急すぎないか?僕何かしましたっけ?
「なぜ、その考えになったのでしょうか?」
僕はS級冒険者だけど、これは魔力の話だ。
「君の事を調べさせて貰ったが、S級冒険者ってすごいじゃないか!実力はあるのだろう?」
中級魔術までしか使えない…これを言ったらどうなるだろうか。
「期待してる所申し訳ないのですが、僕中級魔術までしか使えません」
恐らく期待はずれだと思われるだろう。
「君は何を言っているのかね、S級は中級魔術までしか使えない奴ばかりだぞ?」
そうなのか?となると師匠はSS級なのか?流石です。
「確かに、騎士団に入って強くなるのも良いな」
いや、ダメだ、僕が入ったらフィオナはどうなる?あいつは、僕より年上だが、かなり脳筋なところがある、1人では生きていけないだろう。
「推薦は喜ばしい事ですが、僕にはやらなきゃ行けない事があるので」
天空天魔宮殿に行かないと行けないのだ。
「そうか、俺からしたら残念だが、仕方ない事だ!お前の生き方応援してるぜ!」
最初は怖そうな顔してたから不安だったが、普通に良い人なんだよな。
僕は天空天魔宮殿について知ってる事が無いか聞いてみた。
「フィリス、ちょっと聞きたいことがあるのですが」
「なんだ?」
「あの、天空天魔宮殿について何か知ってることはありますか?」
「天空天魔宮殿…お前、もしかしてそこに行くのか?」
副団長の顔がガラッと変わった。
「はい、そこに用があって」
もしかして、聞いては行けない事だったのだろうか。
「天空天魔宮殿は、伝説上の建物だぞ?存在する訳がない」
そうなのか?でも、師匠はあるって言ってたじゃないか。
「でも、天空天魔宮殿は、僕の師匠があるって言ってましたよ?」
師匠が嘘をつくわけがない、フィリスが嘘をついてるに違いない。
「そうか、お前を見てると、師匠の無能さが分かるよ」
師匠を無能だと言われ、耐えれなくなり殴ってしまった。
「お前に師匠の何が分かるっ!会ったこともないくせに無能だと?それはお前だろっ!」
フィリスの上にまたがり殴りまくった。
フィオナは僕の事を止めようとしたが僕の周りには聖騎士団が囲っていた。
「アレス、お前も所詮ガキだな、見損なったよ」
フィリスはアレスの顔面に向かって殴った、恐らく本気である。
僕は殴られたせいか、気を失ってしまった。
「アレスの彼女よ俺たちは街の警備に行くから見ておけ、気絶してるぞ」
気づくと僕は家にいた、目の前にはフィオナが立っている。
「あれ…?いつのまに」
フィオナはアレスに抱きついた。
「アレス…凄く心配したのよ?あなた、気を失ってから2日も起きなくて…」
そうか、フィリスに殴られたんだ、それと疲労もあるだろう、心配かけてしまった。
「フィオナ、心配かけてごめん、もう大丈夫だよ」
僕からも抱きついた。
「それにしても2日前は大変だったね」
朝はウッドデス討伐でフィオナに助けられて、夕食を食べ、終わりかと思ったらカードを取り返しに行ったのだ。
しかし、これで分かったことがある、“僕は弱い”
強くならなければいけないと思ったので、ホムラの所へ行く事にした。
「フィオナ!8第英雄のホムラを知ってますか?」
「知ってるわよ?逆に知らない人はいないんじゃない?」
彼は8第英雄の中でも面倒見の良く優しいらしい、怒るところは誰よりも怖いとか
「ホムラに会いに行きませんか?」
「会いに行くって…場所は分かるの?」
あぁ、みんなそうなるはずだ、もちろん僕も場所は分からない、なので呼ぶのだ。
「場所は分かりませんけど、呼ぶんです」
フィオナは驚いた顔をした。
「そんな事が出来るのね」
僕達は家を出た。
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