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THE GIRLS  作者: 水乃戸あみ
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第十章 藤堂不妃の場合2

 バンドって言っても――、始めはコピーとかやって、慣れたら円と一緒にアコギとか打ち込み主体でお遊びでユニットっぽいこと出来たら良い刺激になるだろうなあ、ってだけだった。最初はね。

 翌日、藍と寧々が接触してきた。




 藍のことははっきり言って警戒していた。

 いや、もっと単純に気持ちが悪かった。

 ストーカー紛いの行為を繰り返していたからだ。跡を付けられたこともあったし、学校でもわざとらしく二人きりの時間を作ったりということを平気な顔でしてきた。

 美人なのは分かっているけれど、喧嘩っ早いっていう噂も聞いていたし、事実一週間謹慎処分を受けたことがあるのも知っていた。あんまり仲良くなっちゃうと後が大変そう……それもある……しかし、スルーしようと思えば出来る範囲だった。

 始めの内は。まだ。

 けれど次第に「あ、無理かも」って、なった。

 ある日のこと。

 あの暑いガレージの中、練習を終え、皆は帰って行った。わたしはそのままシャワーを浴びて自室に戻った。最近の日課だった。

「うん……?」

 違和感があった。目に入ったベッド。布団は畳まれ、シーツには皺が寄っている。それはいい。朝と変わらない……ように見える。

 しかし、枕が直前まで人が寝ていたように沈んでいた。わたしの使っているのは低反発製枕。その枕が、今、目の前でゆっくりと、ほんの少しずつ形を取り戻していっている。勿論わたしは昼からずっとガレージにいた。お父さんやお母さんだってわたしのベッドでは寝ない。

 それに――。枕の表面を撫でてみれば、金に輝く一本の髪の毛が落ちていた。わたしの家にこんな色の髪をした人はいない。

 その時点で樹里亜は部屋に上げていた。けれど、樹里亜は髪を染めるような子じゃない。髪も綺麗な黒。わたしだって黒。この時、寧々はまだ部屋に上げていなかった。

 藍……?

 ぞわっとした。背筋が怖気だった。他に何かされていないか、部屋を改めて見たけれど、どうやら物を盗られるってことは無いようだった。藍がわたしに何故か好意を寄せているのは知っていた。けれど、こんなことされるとは思いも寄らなかった。

 それを機に藍とは距離を取るようになった。あんまり話さないようにした。まあ、藍はなんだか円に夢中みたいだったから、自然とそういう雰囲気になれたのは助かった。

 ベースは短期間ですっごい上手くなってたんだけどね。それとこれとは別。顔は好みなんだけどな。


 変態は勘弁。

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