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第16話 アイテム説明!

2025年12月27日 13 時30分。

魔法少女株式会社、エントランスにて。


月野さんが卓上に並べられた物の説明を始める。


「まずはこの、小さい棒。愛野様が勝手に使い荒らした『魔法deスティック』ですね。このアイテムは真ん中のボタンを押すとビームが出ます。かなり強力なビームとなっていまして、強力度合いはそうですね……例えますと富士山を吹っ飛ばすくらいのパワーがあり……あ、いや、富士山はさすがに厳しいかもしれませんが……ボウリングの玉くらいなら粉砕できるレベルの破壊力を持ったビームです」


いやいやいやいや、例えが雑すぎるっ!

富士山とボウリングの玉を比較されても全くビームの破壊力の度合いが想像出来ないですってば!

……ってか、「勝手に使い荒らした」って言い方ひどくない!?

意図的にスティックのボタンを押してビームを発射させたワケじゃないんだし……。

そんなに私、悪い事した?


「魔法deスティックはまぁ、そんな感じです。とてつもない程の強力なビームが出るアイテムって認識でOKです。このスティックは愛野様に使っていただきます。……そして、次にこのボール。このボールは『魔法deボール』といいまして、これは佐倉様に使っていただきます。このボールの特徴はですね……相手に投げつけると一定時間、その者の動きを止める事ができるのです」


それを聞いたのぞみんは、どこから持ち出してきたかも分からないマイクを鞄から取り出して月野さんの口元に向けて言った。


「ズバリ聞かせていただきやす。一定時間とは、どのくらいの時間でやんすか……?」


「三秒ですね」


三秒かーい。

それはもう一定時間とは言えないレベルだよー。

……いや、でもその三秒の間に私の魔法deスティックでビームを撃ちまくればいいのか。

少し時間が短すぎるかもしれないけど、富士さ……いや、ボウリングの玉を粉砕できるくらいのパワーがある強力なビームであれば、意外と三秒という時間は使えるかもしれない。


「三秒は短いよ! 月野さん!」


のぞみん分かってないなぁ。

三秒もあれば、私の魔法deスティックで相手にビームを連射して……


「じゃあ三分に設定しときますね」


「やったぁ!」


うおおぉおーい。

時間設定できるんかーーい。

三秒でどうすればいいか真剣に考えを巡らせてた私って一体何なんだ……。


「最高で三時間に設定できますので」


「うぇーい! んじゃ、三時間で!」


「も〜、特別ですからね〜?」


「うぇーい! うぇーい!」


何なんだこれは……。

月野さんとのぞみんのやり取りがあまりにも謎すぎて私は黙ってそれを見ている事しか出来ないでいた。

一方のりんりんは、にこやかな笑顔を浮かべながら「よかったねー」と小さく手をパチパチさせている。

あまりにも空気がゆるすぎる。

これから超スパルタな強化研修が行われるとは思えないほどの空気のゆるさ。

ここまでくると、私は逆に不安になり怖くなってきた。


「ではでは、次に飛鳥様に使っていただく『魔法deカード』のご説明を致しますね」


りんりんはワクワクドキドキな感じの表情を浮かべ、そしてまた緊張を隠せない様子で月野さんの説明を待つ。

『魔法deスティック』は強力なビームを出すアイテム、『魔法deボール』は敵の動きを止めるアイテム……。

さて、『魔法deカード』にはどんな力が宿っているのだろうか?


「この魔法deカード、見た目はただの真っ白なプラスチック製のカードなのですが……【曼荼羅】の集団と戦う上でとても重要なアイテムとなり得るでしょう。そう、このカードは使い方によっては最強の武器になるのです」


りんりんは首を傾げて頭の上に「?」を浮かべながらも、月野さんの次の言葉を待っている。

それに応えるように月野さんが魔法deカードの効力について説明を始める。


「この魔法deカードに絵を描くと、描いたものが具現化され……実物として召喚されます。そうですね、例えばこの魔法deカードにハシビロコウを描くとハシビロコウの絵が具現化されて実際にハシビロコウが召喚されます。つまり、飛鳥様が強力な生き物や武器をボールペンか何かでこのカードに描けばそれが具現化されて実物を召喚できるという最強のアイテムなのです!」


おおぉ……それはすごいアイテムだ。

すごいアイテムなんだけど、やはり月野さんの例えはどこかズレている!

どうして、よりにもよって滅多に動かないハシビロコウを例に出したの?

のぞみんのボールでハシビロコウの動きを三時間止めたとしても、ハシビロコウがその三時間のあいだに動く可能性はかなり低いよ!

ってか、ハシビロコウが動く時は餌を捕らえる時だけだし!

相手は人類を滅亡させて地球を征服しようとしている曼荼羅の集団だし!

私は心の中で月野さんにツッコミを入れまくっていたけれど、りんりんは目を輝かせながら両手をギュッと合わせて言った。


「ウチの大好きな[絵を描くこと]が曼荼羅との戦いで活かせるだなんて、最高です……! 素敵なアイテムをありがとうございますっ!」


確かにりんりんにとっては最高に適したアイテムだと思う。

もし仮に、りんりんが破壊神的な絵をカードに描けば、それが具現化されて実物の破壊神的な存在を召喚できるという事だ。

つまり、かなりの可能性を秘めたアイテムといえるだろうな……。

そんな事を考えていると、月野さんが真剣な口調で言った。


「これで各アイテムの説明は終わりです。……それでは最後に、魔法少女になる為の錠剤『マジカルンEX』の詳細についてお話させていただきます」


私たち3人は息を呑み、マジカルンEXに関する月野さんの説明を待った。

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