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初、激闘

 「それ」はおそらく190㎝ほどある巨大な二足歩行の兎だった。眼光は鋭く俺を捉え、手には大きな包丁のような剣を持っていた。

 俺は全身から汗が出るのを感じた。どう見ても勝てる相手じゃない、そう思い逃げようとも思ったが、俺は足を動かさなかった。絶対に逃げられない自信があったからだ。そうなれば俺が選べる道はなんとか応戦し、逃げる事、物凄く細い希望にだとは理解しつつもそれ以外に道はない。

 そう思った所で、兎は恐ろしい速さで跳躍し、一気に距離を詰めて落ちるように包丁を振り下ろした。


「が、外骨格生成!!」


それをなんとか外骨格で防ぐが、腕への負荷はとても重かった。


(っなんとか防げた、けど、こっからどうしよ)


 俺がそう考えていると、兎は間髪入れずに今度は腕で殴ってきたのでそれも外骨格で防ぐが、今度は吹っ飛ばされてしまった。

 急いで飛び起きて兎の方を見ると、そこに兎の影はなかった。


(ど、こに…え?影?)


 いきなり影で周りが包まれたと思い、上を向いてみれば、今度は先程よりも明らかに高い位置から落ちてくる兎がいた。


「外骨格!!」




 バキャッ


「…え?」


 外骨格が砕けた。そしてその下にあった俺の腕が包丁にほぼ骨まであと数ミリという所まで斬られた。


「あああああああぁぁぁ!!!!!!」


 今まで感じたことのない痛みが俺を襲う。自動回復も間に合わない。そんな俺の隙を見て兎はもう一度包丁を振り下ろす。


「う"っゎ」


 今度はなんとか避けるが、兎はさっきよりも高い位置から攻撃をしていたようで、今度は包丁が地面にささり、抜けなくなっていた。


(い、今しかない!!)


 俺は脇目も振り返らず走り出した。


(やっぱりあんなのに勝てるわけない!怖い怖い怖い怖い怖い怖い絶対に死にたくない!!!!)


 心の中でそう連呼して全力で走る。とにかく遠くへ、あいつから生きのびれる方法は何かないのか、と

 逃げている間に、効くかどうかはわからないが、ポーション生成を一度使い、腕にかけた。すると腕の痛みはさっきよりも引き、出血も止まった。どうやらしっかりと効果はあったようだった。

 その時、また俺を影が包んだ。その影に反応し、今度はすぐに横に飛ぶと、ギリギリのところで避けることができた。


(やっぱり速すぎる、逃げられない!)


兎はまた地面に包丁が刺さって抜けなくなっていた。(絶対にここでしか攻撃できない!)そう思った俺は外骨格を再び生成し、今度は鋭利な部分を作り、少しでも刺したりできるようにし、兎の背中にしがみつき、微量だが、ダメージを少しでも稼ぐことにした。

 俺は強力なスキルを持っていないので、どうしてもこうやって少しずつHPを減らすしかない。


「は、やく!くたばれ!!」


「ぶぉぉっっ!!」


 兎は全身を振ったり、背中を木に叩きつけたりしてなんとか俺を降ろそうとしたが、俺は文字通り死ぬ気で離さなかった。




 そして、数時間後、なんとか兎は倒れ、吸収することができた…のだが、今の体はまさに満身創痍、今にも倒れそうだった。痛みは途中でなんらかのスキルを手に入れたのか、麻痺しているのかであまり感じなかった。


(…………………)


そしてここからはあまり記憶がなかった。無意識に足が進む、どこに向かっているのかはわからない。そして俺は行き着いた所で倒れ、その瞬間俺の体を包んだ灰色の光の中、俺は意識を手放した。

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