いやまぁ普通がいいとは言ったけどさ!?
「……えーと?」
自分のステータスを初めて見た時は低いとは思いつつも周りも同じだと思い、感想としては3桁が普通じゃないんだーって感じだった。
それが…とりあえず友達とステータス見せあったら…
国本真司 人間 17歳 レベル1
職業 剣士
HP 500
MP 100
SP 550
A 600
B 750
S 50
スキル
《不屈の精神》(一度だけ死ぬような攻撃をHP1で耐えられる)
《挑発》(魔物を呼び寄せることが出来る)
《鉄の体》(防御力を少しの間2倍に出来る)
《剣士の心得》(剣技の上達が早くなる)
(………あれれぇ?おかしぃぞぉ?)
とまぁ何処ぞの名探偵になるくらいには驚いた。俺が混乱していると、アンさんが興奮気味に話した。
「皆さん素晴らしいです!常人ではあり得ないほどのステータスです!それに先頭系の職業はとても少ないのにこんなにたくさん!」
想像はできていたが、皆こんな感じで3桁のステータスなのかと思うと、流石に少し落ち込んだ。
ちなみに平均は↓
HP 100
MP 50
SP 50
A 20
B 20
S 20
と、まさかのまんま俺のステータスだった。
いや、さ、確かに普通がいいとは言ったけどさ、せめて…クラスメイトの中の平均とか…できなかったのかな。
「あっ、いや、優太は職業が聞いたこと無いしもしかしたら凄いやつかもしれねぇぞ?あ!アンさん!」
俺を励ます為にと真司がアンさんを呼び、職業『百獣の王』がなんなのかをチェックしてもらうことに
「どれどれ……っ!」
「?どうしたんですか?」
「あっいや!な、なんでもないです!」
明らかに動揺した様子のアンさんを不思議に思い、少し本を貸してもらい、調べてみれば答えは直ぐに出た。
百獣の王
とても希少な職業の一種であり、別名不幸せの塊。
固有のスキルである『吸収』は自分自身が倒した魔物を取り込むことでその魔物のスキルを入手出来る。尚、固有スキルの入所は不可能とされている。
この職業の持ち主が死亡すると、今まで吸収してきた魔物が全員復活して遺体から出てくると言う性質がある為、別名の由来となった。
とのことだった。
…まぁどう見ても厄介この上ないのは一目見ればわかった。まず、強くなる為には自分で魔物を殺さなければならないのに対し、それ以外のスキルがなかったり、ステータスが低ければまず魔物が倒せない。その上万が一強くなれば寿命でも死んだらアウト、強くなくても強くならなくても厄介…これがガッカリせずにいられるかって話だ。
ちなみに絶対1人はいるであろう勇者は御察し星条勇輝くんだった。
ステータスはこんな感じ↓
星条勇輝 人間 17歳 レベル1
職業 勇者
HP 450
MP 700
SP 700
A 800
B 650
S 900
スキル
《剣士の心得》《闇属性耐性》《光魔法》《不屈の精神》
《勇者の仲間》(仲間となった味方の全ステータスが5%上昇する)
…まぁそりゃステータスもチートだったと。
その後俺たちは自分たちの部屋を紹介され、訓練等は明日からと言うことになった。
その夜のことだった。夢の中、まるでサーカスのテントのような場所のど真ん中、ちょうどスポットライトが当たるところに立っている俺、そして視線の先に誰かがいた。本当に誰かはわからない、ただ少し分かったのは背の高い男だってことだけだった。