ステータスお〜ぷ〜ん
主にこの世界はどんな世界なのかです
「はぁぁぁぁ」
俺のため息が辺りに広がる。なんでこんな事になったんだか…こんな事ならあそこで…なんて風にも思ってしまう。
ん？僕じゃなくてなんで俺かって？あぁ…まだなにも聞いて なかったか。
あれは大体4週間ほど前……
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「まずは自己紹介をさせていただきます、私はリンドール・セラ・エドガーと申します。この国、リンドール王国の国王です」
俺が想像していた通り王様(仮)はやっぱり王で、この国の名前はリンドールというらしい。
王様曰く、まずこの異世界というものは全てで6つほどランクのようなものがあり、それぞれの世界にそれぞれの順位が付けられており、順位が高いほど基本的な人間の魔力や能力が高く、俺たちの世界はその順位が最も高かったそうだ(魔法はないが)
そしてこの世界はというと、4人の神がこの世界を作ったという。それぞれ『嘘』の神、『感情』の神、『運命』の神、そしてそれら3人を統べる『最高神』。神々はこの世界を作り、八つの種族を残して行った。その種族は『最高神』が作った天使と悪魔、『嘘』の神が作ったスライムと妖魔族、『感情』の神が作った原族という種族とエルフ、『運命』の神がつくった龍と精霊。それら種族が派生して人間や魔物、魚や妖精なんかが生まれたそうだ。
そして肝心な王が何故俺たちを召喚したかだが、この世界、なんとテンプレ道理な滅亡の危機に迫っているらしい。というのも、数年ほど前に最高神からの神託、つまりお告げが来、その内容は近い未来ハルマゲドンが起こり、世界と世界が混ざりあい、多くの生物が滅亡してしまうという事だった。
これを止めるための手段は一つ、先に言った八つの種族それぞれが一つずつ神から渡された『カギ』を全て集める、それだけだ。しかし八つの種族はそれぞれ遠く離れた場所に生息している上、その道は魔物や地形、その他多くの障害に阻まれている。その上追い討ちをかけるように『カギ』はその種族の長に認められないと手に入らないという入手難易度激高内容だった。
しかしこのままでは世界が滅んでしまう。考えに考えた結果辿り着いたのは異世界召喚。他の世界から強力な人物を呼び出すしかないという結論に至ったと言う。
「元の世界へと戻る方法は今のところ分かっていません。本当に身勝手な頼みだと承知して頼みます。この世界を救ってください」
深々と頭を下げる王にクラス中がどよめく。そんなザワザワとした空気の中で1人が声をあげた。
「世界が滅びるのにそれを見て見ぬ振りなんてできない！」
声の主の方を見れば、そこにいたのは明るい茶髪に明るい目、THE正統派イケメンって感じのいわゆる陽キャ(一部主観有)クラスのまとめ役こと星条勇輝だ。
彼の声に釣られたようにクラスメイトが次々に声を上げた。
「勇輝がその気なら俺も！！」
「へっ、とことん付き合ってやるよ」
「やっぱり見捨てられないもんね！」
「皆…」
「ちょ、ちょっと待ってください皆さん！」
しかしそこに一条先生が口を挟んだ。
「まず、ここが本当に異世界かどうかもわからないんですよ？それにもし本当だったとして、戻れないんですよ！？」
勇輝の言葉の勢いで流されそうになっていたが、冷静に考えれば先生が正しい。しかし、ここでクラスの学級委員こと前園薫がまた口を挟んだ。
「先生の言う事も最もですが、もしここが異世界じゃないとしたらこれは誘拐ですが、だとしたら私たちはこのままなる術もなく拘束されて終わり、だとしたらここでは言う事を聞いておくのがいいと思います。それに本当に異世界だとすれば、ここから出ればすぐにわかる事と思います」
「そ、それはそうですが…」
「どうやらどうするかは決まったようですな」
王様は再度僕たちの方をしっかりと見つめながら言った。
「では、ご協力いただけますか？」
「「「「はい！」」」」
僕たちの声に王様は優しそうに笑い、礼を告げた。
「では、皆様のステータスを確認いたしますので、こちらはどうぞ」
王様に連れられて来た場所は沢山の本が一面にずらっと並んだとても広い書物部屋だった。
「ここからは私、王国魔法使いの私アンが勤めさせていただきます」
アンさん曰くステータスとは植物から動物まで全ての生き物にある物で、基本的な身体能力を表していると言う。そのステータスは、魔物を倒したり訓練によって経験値を得てレベルを上げることで鍛えられていくと言う。
次にスキルと職業についてだが、職業は生まれつきそれぞれの人間にある物で、その職業によって手に入れることのできるスキルの系統等が変わったり、ステータスの上がりやすい部分、上がりにくい部分が決まるとのことだった。
そしてスキルだが、まぁご想像通り能力だ。しかし稀に職業に適した特殊だったり強力なスキルを生まれつき持っている事がある。これが俺たち異世界人はほぼ必ず持っているそうだ。
話を聞き終わると、皆自分のステータスを見たくて仕方がないとソワソワしていた。
「それでは皆様、ご自分のステータスをチェックしてみてください。ステータスはステータスオープンと言うだけで簡単に出て来ます。あ、ちなみにですがステータスは他人に見せようとしない限り絶対に他人には見えないのでご安心を」
アンさんの言葉を聞くなり皆一斉に「ステータスオープン」と言い始めた。
…もちろん俺も
桑原優太 17歳 人間 レベル1
職業 百獣の王
HP 100
MP 50
SP 50
A 20
B 20
S 20
スキル
《吸収》
