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走れ  作者: 市役所トンカチ健康
1/1

第1話

「ほらよ!」


男が乱暴にダンボールを投げ捨てると、5匹のカッパが一目散にそれに群がる。

ダンボールの中には大量のキュウリ。

我先にとそのキュウリを奪い合うカッパたちを見て、テルシャは思った。


「ここは地獄だ」


全てのカッパたちが満腹になっても、まだ余るほどキュウリは提供される。

競うようにしてキュウリを食べる必要などどこにもない。

そんなことは皆わかっている。

ただ、ここには食以外の楽しみがない。

11時間にも及ぶ強制労働の末に唯一与えられる食事。

それが終われば翌日の起床時間まで睡眠をとり、目が覚めれば悪夢のような労働が始まる.

毎日がその繰り返しでしかなかった。


「キュウリ食わないのか?」


背後から不意に声を掛けられ振り向くと、立っていたのはジベラだった。


「あまり考えすぎるな。考えたところで現実は変わらん」


そう言うとジベラは軽く笑ってテルシャの肩に手を置いた。

テルシャは何も答えず、微笑み返した。

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