アイリスの行動力
「おはようございます、ユーカリ君」
教室で寝ていたら誰かが僕に声を掛けて来た。珍しい。クラスで何時も浮いている僕に話しかける人は何かプリントの提出を忘れていた時だけだ。プリントの提出なんてあったかと顔を上げたら、唯一僕に気軽に話しかける人が僕の顔を覗いていた。
「ん……アイリス?おはよう」
アイリスは僕の返事を聞いて満足したのか笑顔になるとアイリスの机に座った。
「ユーカリ君って何時も学校来てから寝てるんですか?」
「うん。やる事ないからね」
僕は同じ学年の人から噂を広められ近く人はいなくなった。アイリスたった一人を除いて。
「学校って楽しい事が沢山あるんだと思ってました」
アイリスは今年になって初めて学校に通う事になった為、学校を創作でみたようなキラキラしたものを想像していたようだった。まぁ自分もそうだと思っていたのは最初の一年だけだったけど。
「普通はあるんじゃない?友達と話したりさ。僕はこんな感じだからそんな事無いけど」
「あ、いや。私はそう言う事が言いたい訳じゃ無くてですね!」
アイリスは僕が何でクラスからハブられているのか知っている。それを悟ってかフォローを入れる。
「うん。アイリスがそんな事を言わない子って言うのは知ってるけど」
気にしてないよと言う風に言うがアイリスは顎に手を置いて考える。
「そ、そうだ!じゃあ今度から私とお話しましょう!私達友達じゃないですか?ね?今度からはもうちょっと早く学校に来るようにしますし!」
「いや、それアイリスが大変でしょ」
「いえ、大丈夫です!私は決めました!決めた事は最後までやり切るのが家訓ですので!ですから、ちゃんと来るようにしてくださいね?」
アイリスの笑顔を見て僕は否定できる筈もなく、うんと頷く事しか出来なかった。
——次の日
「ユーカリさん、おはようございます」
「おぉ、おはよう。ちゃんと早く来たんだ」
「昨日私言ったじゃないですか!早く学校に来るようにしますって」
「うん、それは聞いたんだけどさ。まさか本当に来るなんて……。車で送って貰えたの?」
「いいえ。迷惑になるかなって思って歩いて来ましたよ?」
「歩き!?何時も車で来るのに学校来るまで何分掛かったんだよ」
「うーん、今の時間が7時20分。家を出たのが5時30分頃ですので約2時間くらいですかね?」
「マジかよ……」
アイリスの行動力に度肝を抜かれた僕だった。




