仲直り
「今、何て?」
「だから、もう学校で話しかけて欲しく無いんだよ」
私はユーカリ君が何を言っているのか全く分からなかった。もしかして本当に嫌われたのだろうか。それとも私が何かしてはいけない事をしてしまったのだろうか。今日?それとも別れる前?何時?何処で?頭の中がグルグルと回る。いつの間にか涙が流れていた。
「わ、私ユーカリ君に何かしちゃった?何がいけなかったのかは覚えてなくてごめんなさい。だけど、謝るから。ユーカリ君を怒らせたなら今度は気を付けるから……。そんな事言わないで……私を1人にしないで……」
「何でアイリスが泣いてるんだよ……。あのな、僕はアイリスを1人にしない為に言ってるんだよ」
「え……?」
「噂はもう聞いたって言ってただろ?」
「う、うん……」
「その噂で同じ学年で僕を嫌っている人なんていっぱいいるんだよ。一緒にいたらアイリスが虐められるかもしれないだろ?だから僕に話しかけない方がいいって話」
「だから誰もいなくなった放課後に話して貰えてたの?」
「後、見捨てたって話。僕は昔、アイリスを見捨てた。だから、これ以上アイリスに迷惑を掛けたく無いんだよ。話しかけてくれたのは嬉しいけど、僕はアイリスに顔向け出来ない」
「な、何で!私、ユーカリ君に見捨てられたなんて思って無いよ!だから、前みたいに話そうよ!昔はお母さんに言われて離れる事になったけど、ユーカリ君のせいじゃ無い。昔みたいにユーカリ君とお出掛けしたり、お話したりしたいよ。一緒に学校楽しみたいよ!」
私は人生初めて大きな声で言った。ユーカリ君に迷惑かけられたと思った事は一度も無い。むしろ恩返しが出来なかった事に後悔していた。嘘の気持ちは一つも無い。
「でも、僕と居たらアイリスは……」
私はユーカリ君を抱き締めて言った。
「自分が辛いのに私の心配までしてくれてありがとう。でもね、私がそうしたいからいいの。クラスの人達と仲が悪くなるより、今辛い思いをしているユーカリ君を見ている方が私は辛いから。だって今まで学校に行った事ないんだよ?それはユーカリ君が知ってるはず。だってわざわざ私の為にノートとペンを準備してくれたし、授業の事も教えてくれたよね。今日をユーカリ君の力無しで乗り越えていたとしても、何時か変な子だって、世間知らずな子だってバレたかもしれない。だったら、自分を選んでも、ユーカリ君を選んでも扱いは変わらないよ。だから、ユーカリ君はそんな事気にしなくていいんだよ」
「そ、その、抱き付かれるのは恥ずかしいから辞めてくれない?」
「あ、ご、ごめん。えへへ……」
私からしたのに自分の行動に恥ずかしくなって顔が熱くなって来た。
「こ、これからよろしくアイリス」
「うん!よろしくね!ユーカリ君!」
こうして私達は仲直りをする事が出来た。もうユーカリ君を悲しませないって。私が元気にしてあげるんだって心に誓った。しかし、その誓いは破られる事となる。




