希望
かすみちゃんは救急車に運ばれ、私はかすみちゃんと一緒について行った。
「もう、かすみちゃんの足が治らない……ですか?なにか方法はないんですか!?」
お医者さんに話を聞いたら、命に別状はないが足を酷く打ったらしく、もう戻る事が無いとのらしい。かすみちゃんは陸上部で毎回県大会に出られるほど足が速い。周りに期待されて自主練を頑張っているのも知ってる。
「私の為に、私なんかの為に……。足が動かないでこれから生きていくなんて、生き地獄だよ……」
かすみちゃんは足が動かないからたとえ目が覚めても車椅子になるだろう。これからもずっと。部活にも行けず、前みたいに出かけることも難しくなる。かすみちゃんの両親は事故で無くなっていて、本当に生きるのに大変になる。私はその事を考えただけで涙が溢れてきた。
「ごめんね……かすみちゃん……。私がもっとしっかりしてたら、もっと気をつけていたら……かすみちゃんはこんな事にならないで……ぐすっ、今まで通りの生活出来たのに……。ごめん。本当にごめんね……」
「じゃあ僕がその子の足を治してあげようか?」
どこからか声が聞こえ、その声がする方を向くと、ふわふわと浮いてる1匹の猫がいた。ん?猫?
「こ、これは夢なのかな?こ、こ、こんな可愛い猫ちゃんが浮いてるなんて……もふもふさせて!」
目の前にいる猫に抱きつきに言ったらかわされて地面にぶつかって女の子が出す声とは思えない変な声がでた。
「ぶっ!?ちょっと!なんで避けるの!?悪いようにしないから、ね?」
「なんで出会ってすぐ抱きつかれなきゃ行かないのさー。まぁ、僕がもふもふなのは認めるけどねー」
「猫ちゃんが喋ってる!?」
私が最初に聞いた声と同じ声でその猫ちゃんは喋っていた。今日の夢凄いなぁ……。
「まぁ、驚くのは仕方ないよねー。僕の名前はユーカリ。よろしくぅー」
——ユーカリと名乗る猫ちゃんが私の前に現れた事により、私の日常は無くなることになるのです。
「ところで猫ちゃんはなんで喋れるの?やっぱり夢だからかな?」
喋れる猫ちゃんが本当にいたなら世界の大発見だ。そして、ユーカリに気を取られて気づかなかったが、さっきまで病院の中にいたはずなのに、何も無い真っ白な世界が広がっているのだ。これを夢と言わずなんと言おう。
「これは夢の中ではないよー。精神だけここに持ってきたって所かなー」
「精神?」
「まぁ、それは置いといてー」
ユーカリが両手を右から左を持って行って言った。普通に猫好きにはキュンと来てしまった。
「本題から入ろうか」
ユーカリは今までの可愛い感じでは無く、すごく真面目な顔で発した言葉に私は同様が隠せなかった。
「本題?」
「そう。さっき言ったみたいに、かすみの足を治してあげようか?って話だよ」
私はその言葉に何も言うことが出来なかった。お医者さんが無理だと言ったのだ。これが夢じゃない保証もない。私はさっきの興奮が嘘みたいに冷静になった。かすみちゃんの足の怪我の現実が私を冷静にしてくれた。
「私に何をして欲しいの?治す代わりに体のどこかをあげればいいの?いいよ。どこでもいいからあげるよ。かすみちゃんの為なら私はなんでもするつもりだから」
この世界は等価交換が普通なのだ。何を買うにもお金や何かを代償にしなくちゃいけない。けれど私は何に変えてもかすみちゃんを、親友を助ける。たとえ命にかえても。
「まって、まって。勘ぐりすぎだよー。君は頭がいいと言うか、考え込む体質だねー。よく周りに言われない?考え事をしてるって」
「ぐっっ」
図星で何も言えなかった。顔は可愛いのにグッさりいってくれるなぁー。と思いながら勘ぐり過ぎという言葉に私は疑問を抱いた。
「勘ぐりすぎ?でも、何も無しに治してくれるわけじゃないよね?そしたらもうしてくれてる筈だし」
「君は勘がよすぎるよ……。その通り。僕はなんも無しにかすみを助ける事はしない。けど、君がある条件を飲んで、実行してくれた後にかすみの足を治してあげよう。どうかな?」
「どうかな?って、本当に治してくれるの?」
「勿論。ちゃんと最後まで頑張ってくれたらねー」
「分かった。私はやるよ。かすみちゃんを助けられるならなんでも」
「じゃあ、次会った時にまたお話をしよう。またいつか。その日はすぐにくるよ」
その声を聞いて私はガバッと体を起こし、いつの間にかかすみちゃんのいる病室にいたのだった。
どうもです!!!
今回の話から展開が変わってきたのではと思いますw
ここからが話の本番です←おい
これからも楽しんで読んでくださったら嬉しいです!




