第4話
エド街について僕たちは「街役場」へ向かった。
ここでは、職業を決めて正式なプレイヤーとして登録が出来る。今までは無職の冒険者だったが、職業を決める事でギルド加入やクエストを正式に受注出来る仕組みとなっている。
勇者、剣士、ウォーリアー、ランサー、魔術師、テイマー、武術家、賢者、回復術師、召喚士、侍、アーチャー、司教・・・
成る程、たくさんあるな・・・
とりあえず僕にはルシファーがいるし、「召喚士」ならこいつの力を上手く使いこなせるのかな?僕がそう考えていると、ルシファーが察したように言う。
「朔よ。召喚士はお勧めしないな。」
「え?なんで?召喚士ならお前のような強い奴を召喚できるんじゃないのか?」
「確かに、わしは朔に召喚された時にお主に召喚士かと尋ねた。しかし、よくよく考えてみれば、わしは人間如き召喚士に召喚されるような下等な存在ではない。あの時は、それでも、もしかしたら、その位しか可能性はないと思い尋ねたのじゃ。」
「ふぅん、そうか。でも、ガチャからは出てくるんだな。」
「うるさいうるさい!それも何かの間違いじゃ!!それに、召喚獣を召喚して育てても時間の無駄じゃ。わしより圧倒的に弱い召喚獣なんて意味が無かろう。」
子供のようにプンッとした態度のルシファー。
「でも、ドラゴンとか召喚してみたい気もするけどなぁ。」
「ドラゴンか。まあ、わしから言わせたら雑魚じゃな。」
「えらく自信満々だな。まあ、確かにルシファーが強いのは、さっき分かったけど、ならどうしようかなあ。」
「ふむ・・まぁ、わしの力を上手く使いたいなら『死霊術師』じゃな。」
「ネクロマンサー?なんだか、あまり強くなさそうだなぁ。」
「ネクロマンサーの究極スキル、『受肉転生』これを使えば、一時的にお主はわしの力を呼び起こす事が出来る。」
「へー。なんだか詳しいな。まあ、とりあえず僕も初心者だしお前の言う事を聞いとくか。じゃあ、これにします!」
僕がそう言うと、受付の老人は思いもがけぬ返答をした。
「おや、ネクロマンサーか。冒険者さん、この職業は難易度の高い試練のクエストをクリアしないとなれない上級職だ。」
「え!?まじか!」
「本来なら何か他の職業を極めてから、2次転職する職業なのだが。」
「ちなみに試練のクエストて何ですか?」
「初心冒険者の君には絶対に無理だと思う。」
「終焉谷に住むファイナルドラゴンの鱗を1枚とってくるクエストだ。」
その言葉を聞き、横で楽しそうにニヤけるルシファー。名前からしてもはやラスボス。ワールドオンライン開始1時間弱。
僕たちの最初のクエストはいきなりのラスボス級のドラゴン討伐だった。