AIF
何も無い空白の空間がこの数日でゲームやアニメのポスターやグッズで彩られていた。
「アズこの戦争で戦う意思はあるのか?」
テレビゲームから目を離さずに彼女はいきなり真剣な問われた。
「戦うが殺さない」
「殺さなければ死んでしまう場合は?」
「俺には大切な物も無ければ自分の命もどうでもいい」
大きなため息をついて彼女は問う
「そんな空白で楽しいのか」
「楽しい…よく分からないな。というより俺はその心の空白の埋め方を知らない。埋め方じゃないな染め方だ」
アモンはテレビゲームのリモコンを置いた
画面には大きく1位と書いてある
俺の目を見て彼女はこう言った
「ワタシは強欲だ!共に歩めばきっと大切な物が見つかり強欲になる事を保証しよ」
「インターホンなんで電源onにしてないのよ!」言音が窓を開けて入ってきた。
「今いい所だったんですけど…本当に邪魔しかしないの?」
「やっぱり貴方がインターホンの電源offにしてたのね 何で角取れてるの?敵戦でもあって無様にやられた?」
「VRゲームに邪魔だから取った。」
「こっちは貴方達の為に毎日戦っているというのに…」
「もう戦ってるのか?」
「あー説明まだだったわね。星の欠片っていう地球から湧いてる特定の物体でしか見えない物でこれを吸収すると1部の物や人間、場所、動物などが異能力を持つわ」
「場所…物?」
場所や物が異能力を持つとは
「この場所が選ばれた理由はその星の欠片が通常の場所の10倍以上溢れだして能力を得た者達が天使や悪魔の戦いに駒として使えるから。それぞれの目的はあとで話すとして」
「今話してくれ」
自分の意見には耳を貸さずに話が進む
「物なら異能力を得たバックがあるわ」
そう言うと彼女は小さな手提げバックには入らない長さの日本刀をバックから取り出した。
「ゲームのバックみたいな感じか」
「ゲームのバックよりも優秀なんだよなぁワタシも欲しい」
アモンはいつの間にかゲームを再開していた。
「量々には限界がない上に取り出したいものを頭で浮かび上がらせるだけで取り出せる」
「えーと異能力得るとは聞いてたがそんなにチートか」
「残念だけどこれよりチートで人類滅亡させたり人を殺す危ない物がこのバックの中に山程入ってるわ」
言葉を失った。俺が生きてる中でそんな物があるなんて今まで知らなかった。
「こういうものをAIFと呼んでいるわ。この名前にしたのは星の欠片異常発生地で必ずいる地球の憑代がそう言ってたから」
「その物達はどうするんだ?」
「私達は悪魔に渡しているわ。人間じゃ手に負えない物が多過ぎるのよ…」
「でワタシ達が回収して玩具にしたりエネルギーにする為に壊す。戦争に使える物は保存するけど」
つまり人間と悪魔は共存していると言う事か。
「ワタシ達も天使達も人類滅亡されると困るからAIFを保存したり破壊しているのよ」
この話の中で1つだけ気になった事がある。地球の憑代…俺は一度会った記憶がある。だが顔も光景も全て朧げだ。
言音は手提げバックに日本刀をしまい、立ち上がる。
「AIF退治に行くわよアズ」
「今の話聞いて行こうかと思う人は少ないと思うが」
「い く わ よ」
「あ、はい」
アズと言音が家から出て行った。
「めんど行かないわ」
アモンはそれに動じずゲームをしていた。
外に出てアモンがいないことに気付いた言音は
「あれ強欲じゃなくて怠惰でしょ…」
とブツブツ呟いていた。