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AIF  作者: 北川宇身
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雨の中

4人の家族が洋風の部屋で遊んでいる。

親は若く、子供達は兄妹でどちらとも10歳ぐらいだ。

親子は笑顔で楽しく遊んでいる。

一瞬にしてその光景は消えた。

家は炎に包まれ、夫は先程の部屋で倒れ、回りには血溜まりが出来ていた。

妻は子供達の手を取り家から脱出しようとしている。そして兄の方は母の手を離し焼け落ちいていく道の真ん中に立ち、何かから妹と母を守ろうと道を塞ぐ。その兄も無惨に命を散らした。

一つの新聞が落ちいてた

日付は1938年と書かれていた。


ここで目を覚ます

いつもの夢 自分に関係の無いような夢だ。

今現在2019年4月23日。

彼は何も無い部屋で目覚まし時計を確認し支度を始めた。


「アズ僕の部活に来てくれ!」

登校して席に着くと元気溢れるクラスメイトが毎日のように誘ってくる。

家に帰ってもする事は無いので入れるが、あまり人とは関わりたくない。

「断る」

「まぁそこを何とかさぁ」

その少年は一言で言うと美少年だ。

低身長で黒髪のショートカット、目はクリッとしていて大きい。

「河崎君いますか?」

「部長。何ですか?」

そう言うと河崎は声の主の方に行った。

部長と呼ばれる女性は黒髪のポニーテールで目は鋭く顔のパーツ全てが綺麗でスタイルも抜群、だが胸は…

数分話すと河崎は帰ってきた。

「今日部活見学して考えて欲しい!かっと入りたいと思うから!」

「気が向いたらな」

ふと、先程の部長と呼ばれる人がいた扉を見るがいたのは、お喋りな二人組の女だけだった。

「どうしたアズ」

「視線を感じたんだが気の所為だ」

河崎の勧誘はチャイムがなるまで続いた。


転校してから4日が過ぎた。

初日は蒼目と銀髪という組み合わせで人が寄ってきた。もちろんこれは自毛でカラコンもしていない。2、3日目は河崎という美少年が現れ誰かの視線を何度も感じた。

「アズ君。暇なら授業で使う物を運んでほしい」

眼鏡をかけた白衣の女性教師がそう声を掛けてきた。

俺は「わかりました」と返事をしダンボールに入った何かを生物準備室まで運んだ。ダンボールに何を詰め込んだらこんな重さになるか気になった。

生物準備室は薄暗く寒い、生物の標本が見渡す限り一つは目に入る。生きている生物もいる。とても不気味な部屋だ。

「ありがとうアズ君。帰っていいよ」

「一つ聞いても言いでしょうか?」

「何か気になる事でも?」

「ダンボール何が入ってるのでしょうか?」

「ああ、新しい生物の標本と教科書から様々な物だよ」

そう言うとダンボールに手を突っ込み生物の標本と教科書を取り出した。

「そうですか愚問でした。帰ります」

そう言うと彼は出て行った

「やっぱりこの重さだと聞かれるよなぁ。一応それっぽい物入れといて良かった」

女性教師は笑った。


「最近殺人多くね?昨日も公園で大量の死体が見つかったとかマジやばい」

「やっぱりここもやばいんじゃね?でもウチの学校部活続行って頭おかしくね?学校来てることもヤバいのに」

放課後は殺人事件の話題でざわざわしていた。

殺人者と会ってしばく為にこの学校の近くて待ち伏せる人から、そんなの関係ねぇという者もいた。下校中そう言

気になる事があり、俺は図書館に来ている。

それは夢の事だ。あれは偶然見たと言えない。生前や子孫の何かしら関係があると考えているからだ。記憶喪失の俺はそれで記憶を取り戻せるかもしれない。わかるのは日付だけだ無我夢中になり時間も忘れ探した。

本棚の上から何が落ちる。揺らしても地震も起きてない。落ちた本は葡萄茶色の皮を表紙に使っている本だった。紙は薄茶色に変色していた。

「なんだこれ」

中身を見たが自分にもわからない文字で書かれていた。そして本の間から一枚の紙が落ちる。それは何も書かれていない正方形をした紙だった。

「なんも書かれてないなら挟んどくなよ。イタ」

その紙を拾い上げようと紙を掴んだ。紙には針が刺さっており親指から血が滴れ紙に染みる。

「子供の悪戯か…もう閉館の時間か。家に帰るか」

紙を拾い本に挟み元の本棚の上に置く。

気が付くと夕日は沈んでいた。


新月で月の明かりのない狭い夜道を彼は歩いていた。近くには家庭の光は無くあるのは古い外灯の光だけだ。人の気配は無く静かだ。

「夕方は学生の溜まり場の公園があるからここから騒ぎ声が聞こえるんだが…殺人事件もあるからそりゃいないか」

水溜まりを踏んだのか液体が脚にかかる。

この3日は雨が降っていない。彼はジュースだと思い込んだ。しばらくすると公園が見えてきた。

「これはまた…」

公園には死体と血で遊具と地が紅く染まっていた。頭が綺麗に切られた胴体や四肢と首を切られ胴体だけがブランコに乗っているサイコロの形をした肉片まであった。外灯が照らしてるのは1部で見えてるのは照らされてるその1部だけだ。

ケータイを取り出し110を押す。

「まだ犯人がいるのか」

何か察し両手で頭を守り下げる。

ケータイは真っ二つになり落ちる。

「凄い冷静だな。この光景見たら普通怯えて立てなくなると思うが…そうか死体を作ってきたタイプの人間か」

「何自分で解決してるんだ?闇に隠れてないで出てきたらどうだ?」

「自分で解決?大天使様の声がお前を殺せと仰ってるだけだ」

相手の姿は全く見えない。闇の中から青年の高いワイルドな声だけが聞こえる。

「これをやったのはお前…そうか聞く耳持たずか」

頬をかすり赤い液体が滴る。彼が話をしようとしても闇の中にいる者は無視して針のような物で攻撃をしてくる。いくら勘が鋭くても暗闇から攻撃されている為ギリギリという所で避ける。

だがいきなり背後から十数本の針が襲う。これには彼も対処出来ず急所は外したが針が刺さり激痛が起こる。その彼は攻撃で目を凝らす正面と背後に撒菱がある事に気付いた。

外灯の周りには撒菱が撒かれ彼の場所だけが照らされ格好の的だ。

「お前武器幾つ持ってるんだ…剣、撒菱、針あと最初に投げてきた謎の物」

「死んでいく者に教えても意味な…」

アズは思いっきり地を蹴り走り出す。

「い・・!」

痛みを覚悟したが、くしゃくしゃと音が鳴り何も刺さらなかった。

「話の途中で攻撃を始めるなぁァァ!」

「お前が言えるかそれ」

その者は正面にある外灯に逃げ込む。ようやく姿が見える。闇に溶けるように黒いマントを着ていた。フードもかぶっており、顔は見えない。

その怒声を響かせると撒菱が本物のように彼の足に刺さり始める。そして黒マントとアズの距離は目と鼻の先。アズは拳を振り上げその者に殴りかかる。2つの葉が目の前に落ちてきた。一つは左目一つは右目。葉が目を通るその僅かな時間彼の目の前には無数の針が空中に現れアズを串刺しにした。それでも彼は怯まず黒マントの頬に思いっきり拳を入れた。その時彼に刺さっていた針が力抜けた様に体からひらひら抜けていく。

アズは力尽き両膝を地につけ倒れる。

トドメを刺そうと黒マントが剣を出現させた時、

「なんであんたアレを契約者に選んだわけ!?」

「あーもう私だって後悔してますよー貴重な地上の時間を台無しってかアレ死んだら本当に地上で遊べる時間ない…」

二人組の女性の声が聞こえた。

「ちっ、悪魔と敵の本丸か」

闇に溶けるように黒マントは消えていった。


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