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プロローグ
よろしくお願いします。
一目見たときから、彼女は俺にとって1人の女の子だった。
彼女は勇者で、俺は一騎士。
勇者騎士団は、他の国立騎士団よりは、人数も少ない。そのほうが指揮統一もとれるし、常に付いている護衛が少ないほうが勇者のストレスも少ないらしい。
勇者なんだから護衛なんかいらないだろって言う人もいるけれど、それは先代までの話。
今の勇者は、外交メインだ。
政治において大きな役割を担っているから、護衛がいる。もちろん前の勇者に劣らず強くていらっしゃるから護衛なんていらないだろうけど、監視も兼ねているのだ。
先代は、神官1人と巫女1人、くらいしか引き連れず、闘っていた。そのせいで危険な目にあって、任務遂行が難しくなる事態があったという。
というのは、方便で本当は勇者を教会の管理下ではなく、国のペットにしたいだけだ。
この国の王はあまり質はよくない。
王女が先代とも仲良くしていたようで王も欲を出したというところだろう。
俺たち勇者騎士団は、そんな勇者様を守るためにいる。