世界を旅する観測者
あの日の選択は自分の人生を大きく変えるものだった。己は不死者となりありとあらゆる世界を見てきた。終わりもなく始まりもない原初の世界、巻き戻り復元されていく世界、凍える風が吹き全ての生物を凍らせた世界、挙げればきりがないほど観続け聴き続けた。ところがある時出会った少女がきっかけで、己の生き方が変わった。ただ聴き続けるだけでなく観続けるだけでもない。その世界で暮らし旅をして感じる。それがだんだんと楽しくなった。飽きることがなくなった。この話はそんな世界を旅する観測者の記録である。