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永遠の魂  作者: 突撃バカ
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第7話 第二独立機動艦隊

次の作戦への準備期間です。

3月8日、福岡軍港で第二独立機動艦隊と第三独立機動艦隊が合流した。

第二独立機動艦隊の艦艇は伊勢級巡洋艦1番艦『伊勢』、2番艦『日向』、3番艦『扶桑』、4番艦『山城』、長門級空母1番艦『長門』、2番艦『陸奥』、嵐山級駆逐艦1番艦『嵐山』、2番艦『東山』、3番艦『新山にいやま』、4番艦『古山ふるやま』である。

お気づきだろうが、艦艇の名前は昔の大日本帝国海軍の艦艇の名前や、新しく付けられたら名前など様々である。長門などは戦艦であったが、今は空母の名前となっている。そのほかは、巡洋艦の名前だ。戦艦は現在ではあまり戦力にならない。なので、戦艦は今現在、存在するのはごく少数である。


「君達が第二独立機動艦隊の艦魂達かい?」

純也が目の前にいる10人の艦魂達に向かって尋ねた。

ここは福岡軍港のドックの一角。純也、龍太、晴香の3人の人間と、第三独立機動艦隊の8人の艦魂、第二独立機動艦隊の10人の艦魂が集まっていた。

純也の質問に年上な感じの艦魂が答えた。

「そうよ。今度は合同作戦だから、よろしくねぇ~」

「は、はぁ……」

いきなり馴れ馴れしい口調で話されたので、純也は少し困ってしまった。

「姉さん、自己紹介をしないと……」

お姉さん体質の艦魂だが、こちらは真面目そうな艦魂が言った。

「そうねぇ~。私は長門級空母1番艦『長門』の艦魂よ。よろしくぅ~」

「ね、姉さん……。ごめんなさい、姉がこんなので。私は2番艦『陸奥』の艦魂です。これからよろしく」

「こちらこそ」

大和が答えた。

「アナタが大和ちゃんねぇ~? かわいい~」

そう言って、大和の体を抱きしめる長門。

「え、あ、えと……長門さん?」

第二独立機動艦隊の艦魂達はかわいそうに、という視線を大和に向けていた。

「大和ちゃん~、一緒にいいことしましょ~」

「な、長門さん!? ちょっ……やめっ……!」

大和はドックにある倉庫に連れ込まれ……

「長門さん……! やめてくだ……あぁっ!! 何するんですか!? だ、誰か助け……いやぁぁぁぁぁっ!!」

「うふふ。かわいい声出して……これならどう?」

「た、助けて……純也さ……」


中では凄まじい光景が繰り広げられていそうだが、誰も見に行った者はいなかった。大和の悲鳴や長門の喜声を無視して次の自己紹介にうつった。

戦乙女のような艦魂が4人、前に出てきた。

「私達は嵐山級駆逐艦の艦魂だ。私は嵐山。こちらは妹たちだ」

「私は東山。よろしくね」

「私は新山。よろ~!」

「わ、私はふ、古山です……。……は、恥ずかしい……」

どうやら見た目と性格が一致するのは嵐山だけのようだ……。

「お、おまえ達は……!」

妹たちの態度を見て、嵐山が怒りに顔を真っ赤にする。

「構わないですよ、嵐山さん」

そう言うのは晴香だ。晴香はあまり堅いのは好きじゃない。

「貴公がそう言うのなら……」

嵐山は渋々引き下がった。

「……で、そっちは?」

龍太は4人の艦魂に向かって言った。

『……………………』

返ってくるのは沈黙のみ。そこで陸奥が口を開いた。

「その子達はあまり喋らないの。心を許した相手にしか、ね」

みんな沈黙して彼女達を見る。初めは無表情だったが、少しずつ顔が赤くなっていった。少なくとも、感情がないわけではなさそうだ。

「あんまり苛めないでね?」

赤くなった彼らを見て陸奥が言った。

「すまんな……変わり者ばかりで」

嵐山がすまなそうに言う。

「大丈夫。第三独立機動艦隊も変人っていうか、変魂ばかりだから」

純也が朗らかに言った。すると反応するのは第三独立機動艦隊の艦魂達だ。

「オイ!! 俺が変人もとい変魂だとぉ!?」

「お兄ちゃん……ひどい……」

「……少尉……私、変?(罪悪感を抱くほど悲しい顔)」

「もう私、生きていけないですぅぅぅっ!」

「お姉ちゃん、自殺はダメですぅっ!」

「お姉ちゃん、そのプラズマ手榴弾を捨てて投降するです!」

「少尉、アナタが原因なんですから、手伝うです!」

たった一言でここまで慌ただしくなる第三独立機動艦隊の艦魂達。

「……貴公も苦労しているようだな……」

「まったくですよ……」

沈痛な面もちで互いの苦しみを分かち合う純也と嵐山だった。








第三独立機動艦隊の艦魂や人間達と別れた後、第二独立機動艦隊の艦魂達はそれぞれ第三独立機動艦隊の艦魂や人間について話していた。

「大和ちゃん、かわいかったわ~」

そう言うのは長門だ。大和が死にかけの状態で倉庫から発見されたところを見ると、相当ハッスルしてきたのだろう。ただ、まだ一線は超えていないようだ。理由は大和が発見されてから気絶する寸前に残した言葉にある。

「初めてをとられないでよかった……私の初めては純也さ……」

そこで気絶したのだ。一体、中で何があったのか。それは2人にしかわからない。

「私は少尉殿が気に入った。何故か気が合う」

嵐山が言った。それに妹たちが反応した。

「お姉さま、あの人に恋をしたの?」

「お姉ちゃん、あの人は手強いらしいよ?」

「はい……。な、何でも……その、強烈に鈍感だとか……」

「なっ!? 貴様ら、何を!?」

真っ赤になってあたふたとする嵐山。その赤さは怒りによるものか、恥ずかしさによるものか、どちらも含むのか……。

そんな嵐山を尻目に、妹たちが激論を交わす。

「あの人は第三独立機動艦隊所属だから、お姉さまとはあまり会えないんじゃ?」

「お姉ちゃん、かなり不利だね~」

「はい……。かなりの苦戦が強いられると……」

「貴様ら、勝手に何を言っとるかぁ!?」

嵐山が更に真っ赤になって叫ぶ。

「とりあえず、黙れ!!」

嵐山はそう言った後、小声で「所属艦隊が違っても……負けん!」と呟いたのだが、その呟きは誰にも聞こえなかった。

その様子を終始、珍しいものを見るように伊勢4姉妹は見ていた。その視線は嵐山に集中している。

「やっぱり、珍しいよね。嵐山がこんなに慌てふためくなんて」

陸奥が彼らの隣に立って言った。

『……絶対あの人のことが好き……』

4人が声を揃え言った。その意見には陸奥も達していた。

「いいわね~。私達の艦隊で艦魂が見える人って艦隊司令だけでしょ? あの人、無口で無表情だから何考えてるかわかんない」

陸奥が言ったその言葉に無口、無表情で、その艦隊司令によく似ている4人が同時に頷いた。ついつい陸奥は吹き出してしまった。

4人が怪訝な表情で陸奥を見た。陸奥は、「何でもない」と、笑いを必死に抑えながら言った。

4人とも、同時に首を傾げた。とても息のあった行動だ。





第二独立機動艦隊の艦魂と別れた後、第三独立機動艦隊の艦魂の間でいろいろ話をしていた。龍太と晴香はこの場にいるが、純也は用があると言って、どこかへ行ってしまった。


「姉貴、大丈夫か?」

「大丈夫なわけないよ~。死ぬかと思ったぁ~」

「お姉ちゃんの悲鳴が止まった時にはもうダメかとおもったよ~」

「……哀れ……」

「だったら助けてよね……」

「申し訳ないです……」

『ですです……』

「そういや、嵐山のやつ、怪しかったなぁ~」

近江は険しい表情で言った。

「あれは多分、いや間違いなく少尉のことを……」

その瞬間、他の4人(大和、武蔵、信濃、神楽)の表情も険しくなった。

「負けられないです。純也さんは私が!」

「お兄ちゃんは誰にも渡さない!」

「……少尉は私のもの……」

「負けねぇぞ……」

「私が少尉のハートを射止めるです!」

『お姉ちゃん、頑張って~!』

新たなライバルの出現に、決意を更に固めた艦魂達であった。

その様子を終始、苦笑いで龍太と晴香は見ていた。






その頃、純也は……



「くそっ……! 俺が望んだとは言え、こんな風になるとはな……!」

自室で、純也はいつもとは違う、緊迫した表情で手に持った錠剤を水で飲んだ。

「人工的に人体の耐G能力を上げる処置、か……。覚悟はしてたけど……!」

そう……彼は人体に強化処理を施しており、副作用に悩まされていた。他人にはバレないように気をつけてはいるのだが……。

副作用と言えば、動悸や吐き気、目眩程度とだけ聞けば、言うほど酷いものではないと思うかもしれない。

だが、強化処理の副作用の恐怖はそこではないのだ。その軽い副作用を放置すれば、そのうち心肺停止し死に到る。そして最も恐ろしいのは、戦闘中に別の意識が体を乗っ取ろうとしてくることだ。耐G能力を強化するには、肉体の他にも神経系にも手を加えなくてはならない。そして、少なからず脳にも……。その過程に、神経系を通る電気信号をGを感知すると、自動で書き換える装置を埋め込まれる。その装置に何かしらの秘密があるのだろう……。唯一の救いは、高G機動を多用するような戦闘でしか、その得体の知れない意識に捕らわれることはないことだ。ただ、1度捕らわれると数時間は自由を取り戻せない。

純也の中にいる別の自分……そいつは……


残虐で冷酷で人殺しを心から楽しむような人格だった……



「ふぅ~。どうにか落ち着いた……」

純也は少しスッキリした表情で自室を出て行った……。







北京


「話が違うぞ!? 日本の奴らがあれほど強いとは……!」

「落ち着いて下さい、大佐!」

「落ち着けるか! 日本侵攻に向かった艦隊が数隻の駆逐艦と潜水艦を残しただけで壊滅したんだぞ!?」

北京にあるビル内で、その士官……チャン大佐は大声で喚きまくっていた。

その男を情けないと思って見ていたのは護衛に雇われていた傭兵の男だった。彼は戦闘機パイロットでもある。ロシア人だ。ロシア軍が弱体化し、その弱腰に失望した彼は、軍をやめて傭兵を始めたのだ。航空系のPMC(民間軍事会社)に所属し、実績を残した彼は自分専用の独自の戦闘機を所有していた。その戦闘機は……烈火同様のエンジンシステムを装備していた……。



彼は強い敵との戦いを望んでいた。そして、その望みは叶おうとしていた……



大和

「ふぅ~」


作者

「どしたの?」


大和

「……私に艦隊の長官なんてできるのかな、って思っちゃいまして……」


作者

「前できたじゃん」


大和

「あれは純也さんや晴香さん達、航空部隊が頑張った結果です……」


作者

「まぁ、なれてくしかないね」


大和

「はい……。……そう言えば作者さん、この小説、他の艦魂小説とは違う設定いれてますよね?」


作者

「うん。具体的には、空間から物を出せないことや、瞬間移動不可。さらには、艦艇が沈没しない限り、艦魂にはあまり影響がないところかな」


大和

「そ、そんなに……!? 何故ですか?」


作者

「この先に予定している展開上、その設定は正直きつかったから」


大和

「ふむふむ。確かに作者さんがとてもアバウトに、ですけども予定表なんてものがありますね……。ちょっと拝見」


作者

「ちょ!? 勝手に見るなぁ!!」


大和

「……!! ちょっと作者さん!! これって……」


作者

「見たまんまだよ?」


大和

「うぅ~」


作者

「では、感想お待ちしてます!!」


大和

「あ! 私を置いていかないで下さい! あ、えと……失礼しました!!」



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