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永遠の魂  作者: 突撃バカ
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第5話 神国・日本の逆襲

大和のCICでは第一次攻撃隊が敵艦隊に接敵しようとしているのを、CIC要員や指揮官、艦長の他に、艦魂である大和も見ていた。

ちなみに、お気づきだろうが大和の艦長である谷水大佐は艦魂が見える。家系なのか、息子の純也も艦魂が見える。そして、純也達第一次攻撃隊は敵部隊との交戦を開始した。







HMDには敵との距離、機種特定の表示がされていた。敵の数は100機を下らない。しかし、こちらは対空戦闘部隊は16機だけだ。普通なら勝てる戦いではない。対空戦闘部隊の後ろには対艦任務部隊が控えている。



16機の烈火は、100をゆうに超える敵戦闘機部隊に突っ込んだ。



「レーダーマルチロック!!」

純也が叫んだ。HMDの表示にミサイルロックシーカーが現れ、敵戦闘機と重なった。6機同時攻撃だ。

「スパロー3、フォックス2!!」

「スパロー5、フォックス2!!」

「スパロー2、フォックス2!!」


まずスパロー飛行隊の烈火から大量のミサイルが吐き出された。

敵は大慌てだ。何せ、敵の射程を遥かに超える、150キロ先からのミサイル攻撃だ。さらに、その速度も尋常じゃない。マッハ12。まるで第一宇宙速度を超えようと躍起になる宇宙ロケットのようなスピードだ。

敵部隊は回避機動をとったが、大半のミサイルは直撃した。残りのミサイルは全て近接信管爆発で戦闘機に致命傷を与えた。

インドの最新鋭機である《CPFー3》がパイロットごと無残な残骸に変えられていき、海面に水しぶきを立てて墜ちた。

残った《CPFー3》は僅か10機。だが、退却もできずに彼らもこの世から退場した。

マンティス飛行隊が二次攻撃を実行。ミサイルは苦もなく敵機を鉄クズに変えてしまった。





ガネーシャのCICではあまりの出来事に大混乱に陥っていた。レーダーから味方機が次々とロストしたのだ。

無線からは悲鳴と救援要請、断末魔の叫び……。そして、誰かが無線を通して言った。

神だ……敵は神の国だ、と。

「そんなことが……そんなことがあるか! 神の国だと!?」

艦長は口ではそう言うが、彼もそれに呑み込まれそうになっていた。

自軍の最新鋭機がゴミのように蹴散らされたのだ。普通の戦争でこんな馬鹿げたことがあるはずがない。なら、どんな戦争だ。


神との戦争だ。


そう言わないと、信じられないような状況だ。敵は人間じゃない。神だ。


CICでガネーシャの艦魂は自分から発進した機体が全滅したと聞いて、嘆き悲しんだ。

「うぅ……っ!! どうして……どうしてよぉぉぉぉっっ!!」

あのパイロット達の笑顔や軽口がもう聞けない。自分が見える人はいなかったが、それでも幸せだった。彼らは空母ガネーシャを大切に使ってくれた。そして、信用してくれていた 。だから、ガネーシャも彼らを信用したのだ。

なのに、彼らは1分で戦闘機の燃え尽きた残骸と共に消えた。この世から。1人残らず……。




そして……


ガネーシャの視線の先には、日本の航空隊が信じられない速度……マッハ4で接近してくるのが、戦況レーダーマップで確認できた。


艦隊の構成は、前方に空母2隻を含む対艦任務部隊、その後方には艦隊防衛を務める、空母1隻を含む防衛艦隊。

そして、そのまた後ろには旗艦ガネーシャを含む本隊がいた。


「いや……やめて……殺さないで……!」

だが、その声は敵には聞こえない。味方にさえ聞こえないのだから……。





赤城級2番艦加賀に搭載されている航空機は100にものぼる。

その内の40機の紫電Ⅱ改が第一次攻撃隊に参加していた。そして、40機の紫電Ⅱ改が敵艦隊を射程に捉えた。

「行くぞ! 対艦ミサイル発射ぁ!!」

攻撃隊隊長が無線で叫んだ。

各機が敵艦隊にめがけて、2発の83式空対艦誘導弾を発射した。




インド軍の空母ガネーシャの姉妹艦、空母ヴィクラマディチャは必死に攻撃を迎撃しようとしていた。

しかし……。

「艦長!! 対艦ミサイルが速すぎます!! 迎撃システムが追いつきません!!」

日本の対艦ミサイルはマッハ9という前代未聞な速度で突っ込んできた。

「マズい、迎撃は無理だ!! 総員退艦!!」

それを聞いたヴィクラマディチャの艦魂は絶望を受けた。

「そんな……まだ一度も飛行隊を発進させていないのに……」

ヴィクラマディチャは涙を流しながら言った。

「誰か……助けて……お姉ちゃん! ガネーシャお姉ちゃん!!」

彼女の叫びは爆音で遮られた。

護衛についていた巡洋艦が次々と胴体を折って海底に引き込まれていく。それと同時に艦魂達も消える。艦魂は艦が沈むと消えるのだ。

仲のよかった艦魂達が次々と悲鳴を上げて消えていく。

「いや……やめて……!!」

だが、彼女の願いは神に届かなかった。自分の妹である空母が3発のミサイルを受け、消滅した。

……そう、消滅だ。彼女達は原子力空母である。原子炉が被弾、損傷して小規模な核爆発を起こして内側から粉々に粉砕され、金属も全て溶けて海に消えたのだ。

「いや、いやぁぁぁぁっっ!!」

妹の残酷な死に方にヴィクラマディチャは絶叫した。

そして、彼女にもミサイルが突っ込んできた。

「いやぁぁぁぁっ!! 死にたくない!! 死にたくないよぉ!!」

それが最後の言葉だった。

ヴィクラマディチャは4発のミサイルを受けて、艦魂も艦体も消滅した。




ガネーシャは絶叫した。

前方に展開していた対艦任務部隊が1隻残らずレーダーマップからロストした。

その中には彼女の妹達も含まれていた。

「そんな……そんなっ!!」

「防衛艦隊に敵ミサイル襲来!!」


ガネーシャの目の前で次々に味方艦隊の反応が消えていく。そして、その消えた艦には、最後の妹もいた。


「いやぁぁぁぁっ!!」

ガネーシャは悲しみに絶叫した。





「スパロー1から各位! ミサイルは残っているだろうが、帰還だ。我々は無理して1機でもやられてはいけない」

彼らは練度の高い兵が兵器より価値があることを知っている。無理して攻めるより、味方に任せる方がいいという判断だ。

どっちにせよ、このまま攻めても大丈夫だろうとは思われるが……。

『了解』

部隊の全ての人間はスパロー1の考えを理解していた。全機が機体を翻して帰還した。

こうして第一次攻撃隊は無傷で帰還した。



「敵部隊帰還……」ガネーシャのCIC要員は呟いた。

「助かった……のか?」

艦長は言った。

……が、間違いだった。助かってはいなかった。


「ソナーに反応!! 魚雷!? 速い!! 200ノットを超えています!!」

「かわせぇぇぇっ!!」

「ダメです!! 間に合いません!!」

その瞬間、ガネーシャの艦体は蒸発した。誰一人として生きていた者はいなかった。灼熱のプラズマに焼かれる中、ガネーシャは、自分だけ生き残ることにならずによかった、と思った……。




「敵艦3隻撃沈。帰還する」

潜水艦白波の艦長は言った。白波は日本独自の魚雷であるプラズマ魚雷を使用した。一万度を超える熱で物質をプラズマ化させて消滅させる兵器だ。


潜水艦白波の艦魂の白波は悲しみに満ちた顔で、「ごめんね」と、呟いた。










この海戦はインド軍に恐怖を与えた。一方的に艦隊が撃たれ続けて壊滅したのだ。この報告を受けたインドは日本に講和を要求した。……だが、日本は予想外の行動をとった。日本はインドを徹底的に叩くことを宣言したのだ。

インドは全戦力で日本に対抗する事になった。

インド軍は一億に迫る軍隊だ。殆どは占領地からとった兵士だが、愛する人や家族、友人をまとめて人質にとられている彼らはインド軍に忠実に従った。……いや、強制しているから忠実とは言えないか……。


それに対して日本軍は五十万。人的戦力比は200対1だ。

だが、その分日本軍は技術力がある。少なくとも1世紀分は差がある。日本は保身のために中立を守っていた間も遊んでいたわけではない。その間に技術力を凄まじく向上させていた。それこそ、他国が追いつけないほどに……。



そしてここに、歴史上初めての極端な軍隊……圧倒的な質の軍隊と圧倒的な量の軍隊が激突した。





ちなみに、だが。

結局、第一次攻撃隊が活躍し過ぎて、艦の乗員や第二次攻撃隊に文句を言われたのは別の話……





大和

「ごめんなさい……」


作者

「ちょっと残酷だったかな……」



なお、この回は5月19日に再編集しました。


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