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永遠の魂  作者: 突撃バカ
22/23

第20話 戦争の影

更新遅れました……

結局、3人とも泊まってしまった。まぁ、いつも広すぎる自宅の空間を持て余してはいるが、それでも女子が男子の家に泊まるのは大問題だ。


「今日は純也に美味しいもの作ってあげよう!!」

「お、お~」

「ま、私の腕前の前にひれ伏させてやるわ」

勝手なことをほざく3人……いや、2人。琴美はなし崩し的に巻き込まれている。つまり、純也と同じ被害者だ。


ちなみに、3人とも料理は上手い。純也内順位では、1位は琴美、2位は奈緒、3位は友紀だ。

理由は、友紀はたまにゲテモノ料理作るし、奈緒は自分が食べたい物優先で、味付けまでもがそうだ。奈緒は甘党なので、甘いものがそれほど好きでない純也には、嬉しくはない。不味くはないのだが……。

一方琴美は純也の好みを的確に押さえてくるし、3人の中でも一番、料理が上手い。


だから琴美だけにしてほしかったのだが……。


「聞くわけ無いよな……」

純也は諦めたようにぼやいた。


食事は、できるだけ琴美の物を食べるようにしたが、さすがに他の2人の物も食べさせられた。

奈緒の料理は、やはり甘かった。玉子焼きも砂糖をふんだんに使っていて、食べただけで体がだるくなるような、そんな味だった……。普段は美味しいのだ、普段は。ただ、張り切るとこんな地獄が具現化する。

友紀は更にひどかった。見た目は悪くないが、素材がひどかった。虫に挑戦していたのだ。どこかの国ではゴキブリでさえ食べていたようだが、今となってはその国も食べていない。そもそも世界の大半はゴキブリを食べるという発想をしない。とんでもない発想力には敬意を払うが、せめて常識的な範疇にしてほしかった。


友紀の珍しい可愛い笑顔に押され、食べざるを得なくなった純也は、ついによくわからん虫を口にした。


「が……ぐぅっ……!!」

外側の味付けはとてもおいしかった。問題は、どうしても味付けが薄くなる内側。友紀は料理が上手い。素材の味は死なさない。

つまり、純也にとっては地獄の始まりだ。

素材……よくわからん虫の味が死んでいなかった。むしろ生き生きとしている。

それが地獄を更に凄まじいものにした。

それを見て、いつになく不安な友紀。

「お、美味しい?」

友紀のキャラが崩壊するほどの不安げな表情。

不味い!!

とは、言えずに死にかけの顔で頷く純也。

どうやら、友紀だけは騙されてくれた。奈緒と琴美は慈愛に満ちた同情の目で純也を見つめている。


純也は目で助けを求める。奈緒は素早い判断で放置を決断。優しい琴美は、散々迷って悩んだ末に……


涙目で頭を下げてきた。


見捨てられた……



そのまま純也は地獄旅行を体験していった……






翌朝



「じ、純也……ごめんなさい……」

琴美が半泣きで謝っている。彼女の視線の先には……


ベッドに寝かされた、純也の死体ウソがあった。

かわいそうに……

琴美は、純也を見捨ててしまった自分を情けなく思った。あんなところで命が惜しくなって、大好きな人がこんなになるまで放置していたなんて……。

なんで、あの時に保身に走ったのだろうか。純也を見捨ててしまったのだろうか。

琴美は、純也のような悲劇を2度とおかさないことを胸に誓った。






今日も、純也は幼なじみと一緒に街に出ていた。今は朝。どこに行くのか?



それは……




臨海エリアの海岸だった。海岸部の一部は公園になっており、海が一望できる。彼らはそこに行ったのだ。

「うわー。海だー」

奈緒がはしゃぐ。

「バッカみたい」

冷たいことを言う友紀。

「はわわ……」

友紀を見て怯える琴美。

「は~」

それを見て呆れている純也。なんだか奇妙な空間ができあがっている。


「あ。あれって、第三独立機動艦隊だよね。戦艦がいっぱいだよ!!」

奈緒が言うので、友紀と琴美も奈緒の隣に行く。

「うわ……壮観ね」

「はう……純也はあれに乗ってるんだ……戦艦がいっぱい……」


彼女達が言ってる戦艦は、‘軍艦’という意味だろう。なにせ、見える範囲で一番大きいのは大和級巡洋艦だ。

3キロ以上離れているが、やはりデカい。


そんなことを思っていた純也は、ある気配を一瞬だけだが感じた。


……誰だ?


今の気配は危ないものだ。殺気を纏っていた。

純也は私服の腰に隠していたハンドガン型レールガンを掴んだ。抜きはしないし、何気なくポケットに手を突っ込んでいるフリをする。実際にはポケットに手を入れてはいないが。

幼なじみ3人の近くまで歩き、3人に小声で呟く。

「基地まで行こう」

「えっ? なんで?」

奈緒の疑問。それは、友紀も琴美も同じだった。だが、彼女達は純也の引き締まった表情を見て、ただ事ではないことを感知する。

純也も、この状況で嘘をつくほど余裕がないので、端的に言う。

「気のせいかもしれないけど……敵だ。多分、傭兵。日本人か、それに似た誰か。殺気がある。早く基地へ。慌てるな。見つかったことを知れば、容赦なく殺しにくる。まぁ、対象は俺だろうけど」

その言葉に3人とも息を呑む。

今まで平和に暮らしてきた3人には、いきなりのことで、驚くのも無理はない。

だが、敵はいる。気のせいか、と思ったが、やはりいる。


「さ、行くぞ」

純也は3人を連れて、基地に向かった。






「ちっ……ターゲットが我々の尾行に気づいたぞ」

「バカな……」

「民間人3人も一緒だな」

「まとめて殺すぞ」

「クライアントの意向は、何としてでも最新型戦闘機バクガ・タイプのパイロットを消すことだ。奴らの最新型戦闘機は、適合者でないと扱えないという情報は得ているそうだしな。これ以上、日本に強くなられては困る」

「日本が勝ってしまえば我々の仕事も減りますしね」

「その通りだ」


十数人の私服の傭兵達は、民間人のフリをして純也達に襲いかかろうとしていた……





「聞こえるか、親父!?」

純也は携帯で父親を呼び出した。

「純也か!? 大丈夫か!?」

「その台詞がでるということは、状況がわかってんだな?」

「ああ。UMSばかりに気をとられていて、他のPMCの動きに気づかなかった。……お前の友達が向かってるから安心しろ」

「友達……? 艦魂か?」

「ちがう。デッドフォースだ」








純也は海岸線の道路を歩き、わざと人気のない路地に入った。


案の定、奴らが姿をさらけ出した。


「貴様、《バクガ・タイプ》のパイロットだな」


《バクガ・タイプ》という、わけのわからない単語を聞いて3人の少女達は襲撃者達に怯えながら、純也を見る。


「ああ。そうだ」


「死んでもらうぞ、ジャップ!」


「古い呼び名だな……だが、死ぬのはお前達だ」


彼らがいるのは狭い道路。襲撃者達は、先回りができなかったために、純也の10メートル前に全員いる。


そして、純也の近くの路地から完全武装のパワードスーツ兵4人が現れた。

さらに、襲撃者達の背後にも12人。

襲撃者達の数は12人。

数も質も負けている。なぜなら、このパワードスーツは5・56ミリライフル弾を完全に防ぎ、7・62ミリライフル弾に撃たれても簡単には破壊されない。さらに、着ているのが世界最高峰の特殊部隊デッドフォース


「お、おのれぇ……」


「奈緒、友紀、琴美……目を瞑って耳を塞げ」


3人とも純也の言うとおりにする。


「ファイア」


デッドフォース部隊の隊長らしき人物が言った。その声は、パワードスーツのスピーカーを通していて、電子的な音声に変換されているため、人間の声にはとても聞こえない。


「うぐぁっ!!」

「ぎゃあ!!」


12人の襲撃者達は鮮血を撒き散らして、醜い肉塊と化した。




大和

「ヒドいです……」


作者

「あ、あはは……」


近江

「てめぇ……覚悟できてんだろーな?」


作者

「な、なにを……」


近江

「更新おそいんだよ!!」


近江、M60機関銃を取り出す。


作者

「や、やめ……」


近江

「うるさい!!」


ズダダダダダダダ……


作者

「うぎゃああああっ!!」


近江

「鉄拳制裁完了」


大和

「‘拳’じゃないし……。制裁というか粛清?」



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