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永遠の魂  作者: 突撃バカ
20/23

第18話 女難の相あり!?

更新速度の低下は、学校が課題を絶望的な量で渡してくれやがるからです……。

誰か助けてー

まぁ、助ける方法などありませんが(笑)


先日の戦いの4日後……


第三独立機動艦隊は横須賀基地に帰還していた。

爆牙の飛魂、ランとの出会いがあり、純也は更なる試練が訪れていた。


「ちゃんと磨きなさい!!」

そう言って、ランは純也の頭をげしげしと蹴った。

現在の状況は、純也が爆牙の機体の掃除……機体表面を磨いており、機体の上からランが見下ろすという状況を、大和と武蔵が見ているという状況だ。

もちろん、大和も武蔵もプリプリ怒っている。

「お兄ちゃんに乱暴するなぁ!!」

「うっさいわね!! いいでしょ!? 私の下僕なんだから!!」

「よくないです!! 純也さんをあなたの好きにはさせません!!」

「何よ!? 人を悪人みたいに……!!」

「俺から見たら、相当悪人なんだが?」

「下僕のくせに勝手に喋るなぁ!!」

「理不尽だ!!」


何をやっているのやら……


「っていうか、純也さん!! 何でいいなりになって磨いてるんですか!?」

赤面で叫ぶ大和。その赤さは怒りによるものなのか?


「いやさ……。親父に自分の機体の整備を手伝えって言われたからなぁ~。できる整備ってこんくらいだし」

「だからって、お兄ちゃんを下僕みたいに扱うなんて許せないよ!!」

「いいじゃない。下僕なんだし」

「お兄ちゃんをバカにするなぁ!!」

「そうです!! もう怒りました!! 八つ裂きにしてやります!!」

いやいや……

最初から怒ってたし。普段、お前は八つ裂きなんて言わないだろ?

心の中でつっこむ純也。



「まあまあ、大和、武蔵。これ以外は、やらないか『純也さん(お兄ちゃん)(下僕)は黙ってて!!』……なんで?」


明らか状況がおかしいぞ?

何で当事者である俺が黙らないといけない?

純也は自分のおかれている理不尽な状況を恨んだ。

純也は仕方なく、機体の掃除だけして、アホみたいな戦場からサッサと逃げ出すことにした。







「純也、明日から2日間、外出許可が出るぞ?」

そう言うのは純也の父、谷水長官。先ほど、大和艦内の通路で純也とバッタリ会ったのだ。

そのまま、大和から出る道を歩く2人。

「外出しても会う人いないよ……」

純也は寂しさを滲ました苦笑いをしながら言った。

「いるだろ、モテ男。3人も」

「あ、あいつら?」

「会いにくいか?」

「そりゃあ、約束破って死にかけたからな」

「言わなきゃいいだろう、純也。俺の息子ながら大したチキン野郎だ」

「親父……殺すぞ?」

「……すまん」

瞬間的に発散された純也の殺人的殺気を感知した長官は、素早く逃げの一手に出た。

「ああ、そう言えば純也」

谷水長官は思い出したように切り出した。

「お前、本日付けで大和航空隊隊長スパロー1に任命だ」

「は?」

純也はキョトンとした顔をした。実は、純也はチーム戦よりも個人戦が強いので、部隊の司令塔なる隊長には向かないのだ。エースの悲しい性質だ。

エース部隊とて、大概は個人能力で押しまくる部隊だ。



「……親父、俺が隊長には向かないこと知ってるだろ?」

「知ってるとも。だがな……お前みたいなエースが、爆牙を使って隊長してたら士気が上がるだろ?」

なるほど。それが理由か。


「なら、やってやってもいい。……が、司令塔としては期待すんなよ?」

「期待してるよ」

「するなって!!」

親子でアホな漫才をし、大和を出たところで2人は別れた。

長官は基地司令部、純也は厚生センターへ向かった。厚生センターには、食堂やちょっとした娯楽施設がある。

その一角に、外出許可申請所があり、そこで外出許可を申請するのだ。純也はもちろん、幼なじみ達に会いに行くのだ。


仮にも、純也の帰りを待っていてくれる人達だ。たまには顔を出すべきだろう。


そして、純也は2日間にかけて、外出許可をとった。そして、谷水長官に電話をした。

内容は……

「親父……大和達に説明よろしく!」

めんどくさいことを押しつけることだった。




翌日……


純也は基地から出て、東京の都市部にある大きなマンションへ向かった。綺麗なマンションで、実はここに純也の部屋がある。父の方もほとんど帰らないので、ほとんど留守にしているのだが。

そして、そのマンションの玄関には……


「純也!! 会いたかったよぉ~!!」

「このバカ!! 心配ばっかりかけて!!」

「ほ、本当に……し、心配しました……」


3人の幼なじみ達が待っていてくれた。








明るい性格をしているのが、佐々木奈緒ささき なお、バカ呼ばわりしたのが天野友紀あまの ゆき、自信なさげなのが矢川琴美やかわ ことみだ。


「……何でお前ら、俺が帰んの知ってるんだよ?」

そう。純也はこの3人に連絡も何も入れていない。純也が帰ってくるのを知ってるはずがないのだ。

だが、すぐに犯人がわかった。


「えっ!? 純也のお父さんから電話かかってきたよ!?」

「アタシんとこもよ?」

「あ、あの……私も……」


……絞首刑確定。死ね親父。


心の底から落胆した純也は、とりあえず自分の部屋へむかうことにした。


「ちょっと待ってよ、純也ぁ!!」

「待ちなさい!!」

「あ、ま、待ってくださ~い……へぎゃ!?」

琴美は持ち前の鈍くささで見事に転倒。

だが、健気にもすぐ立ち上がり、みんなを追いかけた。正確には純也を。

それはこの3人の共通点だ。



「いろいろと聞きたいことがある」

『何?』


純也は心に秘めていた疑問をうち明けた。


「何で許可もとらずに堂々と俺ん家に入って来れんだよ!!」


幼なじみ3人組は、純也の許可をとらずに堂々と純也の部屋に入っていた。

「いいじゃない、純也ぁ~」

「そうよ……ち、ちっちゃい時……い、一緒に……って、ああもう!! アタシがいいって言ったらいいの!!」

「いいわけあるかぁ!!」

「あ、あの……私は……ダメですか?」


琴美の涙目+上目遣いに勝てる方法を、誰か教えてくれ……


純也は心の中でそう呟いて、琴美に対しては……

「仕方ないな……」

で、許可してしまった。琴美の涙にはかなり弱い純也だ。

それを見て激怒するのは残された2人だ。


「ちょっと!! 何で琴美はいいのよ、純也!?」

「このバカ、殺すわ……!!」


ああ、めんどくさい……。


「わかったよ、うっさいなぁ!! 好きにしてくれ!!」


純也はついにヤケクソだ。もう抵抗しても無駄だと悟ったのだろう。


そして、何もない家の中で何もする事がない4人は、沈黙してしまった。

その沈黙を破ったのは、意外にも、おとなしい琴美だった。

「あ、あの……軍隊では大丈夫でしたか?」

「それ!! 私も気になるよ、純也ぁ!!」

「アタシもよ!! 言いなさい、純也!!」


こうなったら拒否権はない。ほとんどの権利(基本的人権にいたるまで)を純也から剥奪していくのだ、この3人は。


「まぁ……大事件も起こらずに平和だ」

とりあえず、大嘘を吐く純也。死にかけた、なんて口が裂けても言えない。

その瞬間、死にかけの、さらにその先へ旅立ってしまうフラグが立つからだ。

純也は自分の命が惜しかった。少なくとも、幼なじみにボコリンチにされて、ミンチ肉になった死体で発見される未来は御免だ。


「そう……ですか……」

怪訝な目で純也を見る琴美。純也は、バレたのか、と身を強ばらせた。

……が、それが裏目に出た。

「嘘です……!! 身を強ばらせました。私が見つめると、後ろめたいことがあるときに身を強ばらせるのは純也の癖です!!」


なんたる洞察力。もはやストーカー。正直怖い……。


「まぁ……俺が生きてるから、その程度のことしか起きてないよ」

実際、笑えないような状況にたたされた純也だが、納得してくれるように、そう言った。事実、生きてるし。


「そう……な、なら、いいんですが……」

琴美が少し安心したように言った。

しかし、奈緒と友紀が納得してなかった。

「ちょっと待って、純也!!」

「アンタ……!! もしかして実戦したんじゃ……!?」

「いや……まぁ……な。でも、日本は戦争中だ。珍しいことじゃない」

「でも……!! ケガするんじゃ!?」

すまん、奈緒。すでに1回、死にかけてる。

「このバカが、いくらしぶといからって……」

しぶとさについては自分でも驚いてる。

「と、とりあえず生きてるんだから、大丈夫だ!!」

ばれない内に、会話の内容を変えようとする純也。

だが、そうそう上手くいくもんじゃない。


「純也……ほんとーうに、大丈夫なのね?」

奈緒が疑り深い目で純也を見て言う。

「あ、ああ。ま、まあな」

少しタジタジになる純也。


「……ま、いいわ。純也のお父さんに聞くしね」


純也は冷や汗をかいた。

後で口裏合わせをしとかないといけない、と内心焦りながら純也は思った。



「で、でも……わ、私、純也が心配です……」

琴美が言った。

純也としては嬉しいのやら悲しいのやら。

「あ、そうだ……」

奈緒が何かを閃いた。その閃きは、純也の平和な世界を破壊した。

「私達も、純也の艦に乗るわ!!」

「はぁ!? 無理無理!! 民間人が軍艦なんて……」

「純也のお父さんに頼めば大丈夫よ。確か……独立なんたら艦隊って、裁量権が大きいんでしょ?」

「んな、ムチャな。第一、軍艦で何もしないのは……」

「私達、料理が得意だから糧食班に入るわ」

「最悪だ……」


特に、マジで入って来れそうなところが。

純也は心の中で、そう付け足した。


あのクソ親父ならやりかねん……!!



純也の休暇は、1日目の午前から嵐にみまわれていた……







作者

「出たよ、幼なじみの3人!!」


陸奥

「個性豊かな子達ね」


長門

「あぁ~、琴美ちゃん可愛い~」












琴美

「へくちっ!!」


友紀

「琴美、風邪?」


琴美

「わかんないです……」


佳奈

「今日は暖かくして寝てよ? 風邪こじらしたらダメだから」


友紀

「そうそう。純也みたいなバカは風邪ひかないけど、アタシ達は風邪ひくんだから」


琴美

「う……何だか頷きがたいです……」




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