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永遠の魂  作者: 突撃バカ
13/23

第11話 北京強襲partⅣ

激しい航空戦の幕開けです!!


設定がよくわからない方は、何らかの形で僕に尋ねて下さい。


あと、感想お願いします!!(ペコペコ)

純也の機体はキレイに修復されていた。烈火はモジュラー構造をしているため、修理や生産が容易だったりする。問題は、その部品自体が高価なことだが……


400の赤い点がレーダーに表示される。敵部隊だ。それに比べてはるかに少ない青の点。

だが、戦うしかないし、性能はこちらが上だ。



純也は敵を射程内に捉えた。味方機も同様だろう。敵のミサイルの倍は長い射程のある85式空対空誘導弾。それを純也は発射準備する。

彼の頭にはHMDヘッドマウントディスプレイがついている。ヘルメットのバイザーには、機体情報やFCS(火器管制システム)の情報が映し出されている。そこには、敵戦闘機ロックオンの表示があった。

「スパロー3、フォックス2!!」

純也は躊躇いなくミサイルを発射した。

味方の烈火も次々とミサイルを発射していく。マッハ12という前代未聞の速度で飛ぶ85式空対空誘導弾。



次々と夜空を照らすように爆発が起こる。撃墜したのは41機。全体の一割だ。

すると、敵もミサイルを発射した。烈火はマッハ3で飛んでいたため、すぐに距離が縮んだのだ。

「ミサイル発射!!」

烈火もミサイルを発射して回避行動に移る。敵も回避行動をしている。

互いの空域で爆発が起こる。

インド空軍は、さらに38機を失った。

一方、烈火は3機が複数のミサイルの近接信管爆発を食らい、ベイルアウトした。パイロットのパラシュートが海面に落ちる。


そして、そのまま両軍はドッグファイトに突入した。


だが、粒子エンジンを積んでいる烈火は、かなり無茶な機動も何事もないかのように行える。

ただ、さすがインド軍。そこは物量でカバーしている。烈火1機につき、5、6機のインド軍機が張り付いている。

インド軍機はCPFー3や、RDFー22などだ。CPFー3は紫電Ⅱと同等レベルで、RDFー22はロシア製第5世代機のTー50を強化したような第6世代機だ。



スパロー3……純也にも6機の敵機がついていた。

「しつこい!!」

すぐ後ろに2機のRDFー22がいたため、クルビットで背後を取り返す。そして、2機が何らかのリアクションをとる前に粒子機関砲で2機とも穴だらけにする。黒煙を吹きながら海面に突っ込む2機。

パイロットはおそらく死んだだろう。‘何らかのリアクションをとる前’に撃ち落としてしまったのだから。


4機……こちらはCPFー3だ。4機が背後からミサイルを一発ずつ発射する。

だが、着弾は同時だ。

タイミングを合わせてバレルロールを行った純也の機体にはミサイルは1発として当たらなかった。


まぁ、当たったらいくら第7世代でも吹き飛ぶのだが……



だが、敵4機はまだへばりついてくる。

純也は特殊兵装を試すことにした。

88式対空機雷を選択。間髪入れずに発射した。

だが、発射される方向は後方だ。フレアやチャフのように後方にばらまくのだ。

夜のため、敵は気づいていない。気づいていても無駄だが。

純也が88式対空機雷をばらまいた空域に敵機が突っ込んだ瞬間、太陽がいきなり現れたかのような膨大な光が辺りにまき散らされた。


スパロー3の後方からばらまかれた88式対空機雷は、直径10センチ程度の小型機雷10発を後方にばらまくシステムだ。爆発は、火薬によるものではない。対空機雷の内部には、粒子反応炉から取り出したエネルギーを内包した粒子が注入されており、近接信管が発動すると、粒子爆発を誘発させるという仕組みだ。従来よりも小型で強力、しかも注入された粒子を少しずつ使って長時間、その場に浮かぶこともできる。時間にして10分だ。


弱点と言えば、膨大な光が敵だけでなく、味方のパイロットの目を潰してしまうことだが、HMDのバイザーの改良によって、弱点は克服された。


しかし、敵はそうはいかない。完全に目をやられた敵パイロットは前が見えない。

そして、次々と海面にぶつかるなり、真っ直ぐ飛んで烈火に撃墜されたりと絶望的だ。

結局、視力が戻る前にインド軍機は300以上が鉄くずに変わった。

ちなみに、だが。

烈火は撃墜されても凄まじい爆発は起こらない。核融合ジェネレーターはすぐにロックされて射出されるし、爆発しようにも粒子にエネルギーを吸い取られてしまう。

まぁ、その粒子にある電磁波をあてると起爆して大惨事になるが。




しばらくすると、インド軍機は1機残らず殲滅された。烈火は10機撃墜された。8人分のパラシュートと救助要請ビーコンは確認しているが、2人は行方不明だ。


だが、おそらく戦死だろう。

救助は味方のヘリに任せ、残った50の烈火は北京に向かった。





大和はCICにいた。第三独立機動艦隊の艦魂は全員、大和のCICにいた。戦闘中はみんなと一緒にいた方が、意見交換ができたりして楽だからだ。……というのは建て前で、本当は全員、不安で怖いから1人じゃ嫌なのだ。

「10機もやられた……?」

武蔵は呆然として言った。

「何言っている? 10機しかやられなかった、だろ? キルレシオ(撃墜対被撃墜比率)は烈火1機当たり40だぞ? 歴史に残るレベルだ」

谷水艦長は悠然として言った。

「そうですけど……」

大和は言いよどむように呟いた。

「双方に死人が出るから戦争なんだ。虐殺をしているんじゃない。力ある戦士を相手にしているんだ」

艦長の言葉は、彼の息子の言葉と同じだった。

「と、言っても2人しか殺されていないぜ? 悲観するなよ、姉貴、武蔵」

近江は言った。

艦長は、無理しやがって……、と思ったが、あえて口に出さなかった。彼女は強くなろうとしている。少なくとも、他の艦魂達の前では強くあろうと躍起になっている。それに水を差すつもりはない。


それに、彼女には純也がいる。彼女が耐えられなくなり始めたら、純也が支えるだろう。

だから、昔から女にモテモテなんだろうな、と息子を羨む父親。

だが、純也を支えるのは誰なのだろうか。今の現状だと、大和や近江など、多くの艦魂達の苦しみを受け止めている。だが、彼はどこに苦しみを流せばいい?

溜めてばかりでは、純也が潰れる。彼が潰れれば、艦魂達も連鎖的に潰れていく。


まぁ、俺が口を出すことではないがな。


そう締めくくった艦長は戦略マップを睨みつけた。隣で艦魂達8人がなんか言い合いしているのが耳障りだ。さっきから聞こえてくる言葉は、戦闘に関係ない言葉ばかりだ。


「純也さんが帰ってきたら、私とデートです!!」

「ふざけんな、姉貴だろうと、そんな抜け駆けするなら対物ライフルでぶち抜くぞ!?」

「お兄ちゃんはあげない!!」

「……少尉は私のもの……!!」

「負けないです!!」

『頑張るです、お姉ちゃん!!』



うるさい……!!

ヘリのミニガンで一掃してやりたい気持ちを押さえつけて、どうにか言葉で済ませる。

「うるさいぞ! 戦闘中だ!!」


艦長が怒鳴ると、渋々8人とも黙った。

まったく……


短時間で真面目な話から、あんな話に変わるとは……

艦長は呆れながら彼女達を見た。


みんな少女だ。

仕方ないのだろうか、さっきの言い合いは?

容姿からして彼女達がやっていることは年代的に普通だろうが……。





純也は彼女達を受け止め続けていられるのだろうか?


戦略マップ上では、敵PMC航空隊が現れて、烈火部隊と接触しようとしていた。


第二次攻撃隊も、一応控えている。危なくなったら第一次攻撃隊は退かせるが、少し息子のことが心配になる父親だった。








「行くぞ、日本のエース! 鳥マークの3番機!」

アレンはニヤリと笑いながら言った。彼の機体も修理は済んでいる。彼の機体は彼専用に調整されているから、予備の機体で出撃したくないのが本音だ。自分専用の調整がされている機体の方が、戦いやすい。

「見つけたぞ、日本人!」

40機のトルネードが烈火部隊に向かう。

アレンは日本人を密かに尊敬していた。他の軍よりも、圧倒的に練度が高い。数が少なくとも、質で押し切れそうだ。

だからだろうか。エースパイロットにとって、日本軍は不足なしの最高の好敵手だった。アレンに限らず、だ。





烈火の攻撃隊は、PMCの航空隊と交戦しかかっていた。

正直、この戦いを終えた時、勝ったとしても部隊の体裁を保っているかは疑問だ。

「だが……退くわけには!」

敵機射程内。

50機の烈火は躊躇わずにミサイルを発射した。




「日本軍ミサイルを発射。マッハ12! かわせ!」

この部隊の隊長が言うが、アレンは鼻を鳴らしただけだ。


バカな奴だ。今から回避行動しても、ミサイルに偏差機動をとられる。自分の首を絞めるようなもんだ。アレンの機体はミサイルをギリギリまで引きつけてから回避した。下手に回避行動をとると、ミサイルに偏差機動をとられてしまう。いくらアレンでも近接信管爆発を食らってしまう。

案の定、阿呆の隊長を含めた8人が、愛機とともに爆発した。6人は脱出。

残存機26。敵の半分。


「くくくっ! なめるなよ?」

アレンはヘラヘラしながら日本軍戦闘機部隊にミサイルを放った。味方機もそれに続く。





「敵反撃! よく見て回避!」

スパロー1が、せっかく‘よく見て回避’と忠告を入れておいたにも関わらず、11機が勝手に回避行動をとった。

「……ばか! よく見ろよ! あのタイプはギリギリまで引きつけてから回避しないとかわせないって!」

そんなことを言っている間に敵ミサイルが飛来。

ギリギリで回避する純也。ギリギリで回避した場合でも回避しきれない場合もある。5機被弾。

内、2機脱出。3人死亡。

バカ正直に回避行動をとった11機の内、8機が撃墜された。偏差機動をとられても、最後まで回避に努めていた彼らは脱出する間もなかった。


両軍ともかなり接近したので、ドッグファイトに入った。

そして、純也は見た。昼に見た、あの怪物を。

「スパロー3、俺に続け!!」

スパロー1が怪物エースに攻撃を仕掛ける。

粒子機関砲が虚空を薙払う。回避されたのだ。

しかも、最悪なことにスパロー1は敵機を見失った。

「くそっ!! どこだ!?」

彼が周囲を見ても発見できない。もちろん背後にもいない。

それもそのはず。


「隊長、真下です!!」

敵機は戦闘機の最大の死角、下部から攻撃を仕掛けてきたのだから。

「なっ……!?」

スパロー1……久我山大尉には断末魔の叫びさえ、上げる間がなかった。

機体が……コクピットが吹き飛ばされたのだ。大尉は、粒子弾に貫かれ、臓物や鮮血を撒き散らしてバラバラにされ、直後に起こった爆発で蒸発した。

爆発エネルギーが漏れ出した粒子に吸収されたため、爆発は一瞬だった。しかし、その一瞬で久我山大尉の死体は蒸発した。

コクピットが粉砕されてしまった烈火から小型の核融合ジェネレーターが射出される。それに伴い、機体から粒子の輝きが消える。そして、粒子が霧散すると同時にため込まれていた爆発エネルギーが炸裂した。



爆炎を撒き散らして墜落する‘元’隊長機。

「くっ……!! 隊長……すみません……!!」

隊長を救えなかった自分の不甲斐なさに、唇を噛む純也。


敵機がこちらに機首を向けた。やる気だ。

「負けるわけには……いかないんだ!!」

純也はそう叫んで敵機との激しいドッグファイトに入った。







陸奥

「被害が大きいわね……」


作者

「UMSの航空隊は、日本空軍と同等の性能の機体を持ってるからね。日本軍に対抗できるのは現状でUMSだけだ」


陸奥

「インドと決着つける前に、UMSを片づけないと……」


作者

「そうだね……」


陸奥

「ところで……この小説、何で敵がインドなの?」


作者

「第三次世界大戦があっても、参加しそうには思えない国だったから。個人的に……だけど」


陸奥

「何でインドが参加しないと?」


作者

「勘?」


陸奥

「バカ?」


作者

「何とでも言え!!」






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