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エピソード2.学園七不思議の殺人 第6話 地塗られた道場

登場人物紹介

三条 百合子  私立探偵

浜松 義郎   探偵助手

矢部 ゆり   生徒会会長、学生

明智 あかね  弓道部、学生

加納 かなこ  美術部、学生

佐伯 さくら  茶道部、学生

天堂 ちなつ  吹奏楽部、学生

名取 ねね   放送部、学生

羽村 ほたる  生活指導担当教師

牧村 まもる  担任教師

八代 八千代  八代学園理事長

天貝 悠仁   警視庁捜査一課警部


*登場する名称は全てフィクションです。

学園理事長の八代さんから依頼を受け、教師として調査を開始。旧校舎には何があるのか。


翌朝。

「お早うございます。」

「あっ、三条先生。お早うございます。」

「佐伯さんは早く登校するのね。」

「はい、茶室の準備がありますんで。」

茶室だと?ああ、茶道部なのか。

「佐伯さんは茶道をずっとしてるんですか。」

「この学園に入ってからです。でも...あんなことが...。」

何よあんな事って。気になるじゃない。

「佐伯さん...それは旧校舎に関係あることですよね。」

いっちょカマかけるか。

「先生はどうして知っているんですか。」

ビンゴじゃん。七不思議にからむな。

「詳しいことは放課後に茶室で聞くわ。」


もう昼休みだよ。

ん?何か放送してんな。放送室からだな。

まあ暇だから放送室の見学でもするか。

「ちょっと入るわよ。」

「ああ、三条先生。何かありましたか。」

「いやいや、放送聞いて楽しそうだなと思って来ただけだよ。」

この生徒は...確か放送部の名取ねねだね。

「名取さんは放送部、長いのかい。」

「はい、学校に入ってからずっとですよ。」

「そういや、旧校舎でも放送はあったのかな。」

「きっ...旧校舎...。」

何か様子が変だ。

「名取さん、大丈夫かしら。」

「はっ...はい...、ちょっと事件の事...思い出しちゃったんで...。」

事件があったんだな。かなりのインパクトみたいだけど。

「良ければ話してもらえるかな。」

「分かりました。お話しします。」


名取さんの話によると、かつて旧校舎でも同様に昼の放送をしていたそうだ。

だが、ある日放送を聞いた生徒が飛び降り自殺で亡くなったらしい。

何でもその曲を放送すると昔から死人が出るとの噂で、学園七不思議の1つ、死を呼ぶメロディーと言われているそうだ。

「名取さんはその曲を知っているんですか。」

「聞いたことはありませんが、まだ旧校舎の放送室には置いてあると聞いています。」

「そのタイトルとか分かりますかね。」

「分かりますが...先生が探すんですか。」

「そうですね。危険なものなら処分も考えますよ。」

「旧校舎の放送室は備品が散乱してますから、私も探すのを手伝いますよ。」

「ありがとう名取さん。では行く時は声をかけますね。」


放課後。茶室に向かう。

「佐伯さん、いますか。」

「あっ、三条先生こちらです。」

何か茶室って狭いのよね。

「早速だけど、何か旧校舎であったのね。」

「はい...茶室で毒殺事件がありました。」

おっと...毒殺とは穏やかじゃないね。

「毒殺なら犯人がいたんだね。」

「それが...犯人はいないんです。」

嘘でしょ、犯人不在で毒殺なんかどうやってするのよ。

「つまり、自殺ではなく他殺であるが、犯人は不明で事件が発生したということかな。」

「先生、凄い推理ですね。探偵みたい。」

アタシゃモノホンの探偵なんだよ。

「その事件だけどさ、警察は遺体の体内から毒物が検出されたから死因は中毒死とした。しかし、犯行を行う者がいない為犯人不明ってことね。」

「そうなんですよ。あの時はみんな茶室の亡霊の仕業って言ってましたね。」

「茶室の亡霊って七不思議みたいだね。」

「先生は七不思議を知ってるんですか。」

「まあ、死を呼ぶメロディーとか。それで、旧茶室を調べたいんだけど、佐伯さん案内してくれるかな。」

「分かりました、三条先生。」


弓道場に向かう。

「ごめん、明智さん。待ったかな。」

「先生、練習していたんで大丈夫ですよ。」

「ところでさ、昨日の旧弓道場の事なんだけどさぁ...。」

「七不思議の1つ、波打つ畳のことですよね。」

なっ、波打つ畳だと?なんじゃそりゃ。

「畳が波打つってどゆこと?」

「あくまで噂ですが、生徒が畳に飲み込まれたとか、込まれてないとか、そんな感じです。」

畳に飲み込まれるだと。訳分からん。

「何か畳が血まみれになってたんですって。」

「成る程ね。畳の下に何か有りそうだね。じゃ、今度行く時連絡するね。」


そうだ。加納さんの絵でも見に行くか。

「加納さん、絵を見に来たよ。」

「三条先生、来てくれたんだ。」

そりゃ約束だからねぇ。

「何か、あちこちで旧校舎の噂聞いてね。」

「七不思議でしょ。先生は信じるの。」

「見た訳じゃないから分からんけど、死を呼ぶメロディーと茶室の亡霊、波打つ畳かな。」

「じゃあ、飛び出す絵の話は聞いて無いんだね。」

ん?飛び出す絵本なら分かるが...。

「絵が何から出るって?」

「旧校舎の廊下に飾られている絵から、描かれている人が出てくるって噂だよ。」

マジか。そりゃビックリだよ。

「何の絵なのかな。」

「さあ...噂だからね。それに、絵なんかあったかなぁ...。今度一緒に行くね。」

とにかく絵には気を付けると言うことだな。

「成る程ね。七不思議も後3つか。」

「あっ、先生...、残りのうち1つは吹奏楽部の人に聞けば分かると思うよ。」

吹奏楽部か...、天堂さんだな。

「6つ目までは大丈夫だけど、最後の7つ目は気を付けないと大変みたいだよ。」

「どゆこと?」

「学園七不思議を全て知った人は必ず死んじゃうんだって...。」


第7話 予告

6つ目まで調べた三条に、最後の難関が訪れる。

次回 「7つ目の不思議」

徐々に解き明かされる不思議。

旧校舎突入編までもうちょいです。

ではまた。

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