2 クローンチャイルド
SFですが、ちょっと重めな設定かもしれません。
でも、なんとしてもハッピーエンドにしてやる! と思って頑張って書きます。
どうぞよろしくお願いします。
私達はオリジナルから造りだされたクローンだ。
何故か先生方はクローン、造り出されたという言葉を嫌う。
だからプラネットチャイルドなんて言われるけど、実際はオリジナルのような人間になることを期待されてるクローンなんだから。
クローンだと人権的にとかいろいろあるみたいで、一応私達には人権があるからとかなんとかいう理由があるみたいだけど……。
こんな宇宙のど真ん中をほぼ漂っているような巨大な船の中でオリジナルのようになること期待されて調整された教育を受けている時点で、どこにも逃げられないし人権も何もあったもんじゃないと思うけど。
オリジナルはコールドスリープしている。
100人が新天地に到着するまで、宇宙線から防御されたボックスの中でコールドスリープから目覚めることはない。
彼らの中から能力が高い者が選ばれ、クローンチャイルドが造られ、オリジナルとは別のコールドスリープ状態に置かれている。
グループ別に15年周期でコールドスリープから5歳の状態で目覚めて、教育を受けながら船の維持や監視の業務に当たる。
後、繁殖の保険という意味もあるみたい。
宇宙線の防御を施しているとはいえ長期間のコールドスリープがどこまで生殖機能に影響が出るか未知数というのがその理由。
私達の第2グループはそろそろ適齢期というのになるらしい。
この船には4つのクローンチャイルドグループが用意されていて、私達は2番目。
だから1番目のグループと交流があるのでまあ、どんなことに苦労したかとか話を聞くことはできるし、そこで起きた問題を繰り前さないように先生方も調整しているんだろう。
なので、第1グループは地球年齢だと30歳、私達は15歳過ぎたとこなのかな。
第1グループは6人でスタートして、現在4人となっている。
事故と病気でひとりずつ、失われている。
繁殖により子どもがふたり。すでにもうグループにその子どもはいない。
母親であるクローンチャイルド(もうチャイルドって歳ではないか?)が5歳まで育てて、先生方に預けることになっているから。
1番目のグループは自然繁殖が推奨されていたそうだけど、それで問題が起きたようで、私達のグループは人工繁殖の方が推奨されている。
自然繁殖と人工繁殖……。
まあ、確かに麻酔で寝ている間に処理をされた清潔で濃縮した精子をカテーテルで注入される方が、間違いはないだろうし、女性としても楽なのかも。
自然繁殖の方は生物として交尾する……、汚れるし、痛みを伴うし、体力も使うしと……。
まあ、特に女性には抑圧を感じる厳しい方法だと説明されている。
男性の方は別に話をされてるからどんな感じで言われてるのか知らんけど。
いや、私は医者としての教育も受けてるから知ってるけど、出産の方が本当に大変だと思うけど……。
そこだけは人工で簡単にはいかないんだな。
だったら最初から受精卵をクローン培養技術で育てちゃえばと思うけど、クローン胚と人間の受精卵は同等に扱われることなく、故にそこは混ぜて考えてはいけない禁忌の領域だ。
そういうことをきちんと説明せず、きれいな言葉の抽象的な話しかされないのはなんか変だと思うけど。
だから、これからのアンケートで気に入った人の名を書くのは、このグループの繁殖行為に関わることになるので重要なんだってさ。
このグループの女性は私ことアイ、さっきのハル、そしてミアがいる。
男性はミクラとカイとササキがいる。
この名前なんだけど、オリジナルが何と呼ばれたいかと決めてつけてくれた名だそうだ。
なので、私は篠塚愛の名からアイだし、ミクラは御蔵隼人の姓からだ。
ミクラと4時間の監視業務を終えてから、食堂に行くとカイとササキが食事をしていた。
「あれ、ハルとミアは?」
「ミアは薬学実験室に勉強に行ってる。
ハルはもう食べ終わって自室に戻ったよ」
カイが教えてくれた。
私とミクラは昼食を受け取り、食べ始める。
「そういえば、ミアが言ってたけど……、1グループから、繁殖相手として合同でという意見が出ているそうだよ」
ササキがひそひそ言う。
「えっ?
どういうこと?」
ミクラが眉を寄せて聞き返す。
あ、あんまり良くは思ってないんだな。
「1グループの方があんまりうまくいってないらしい。
まあ、6人スタートで、繁殖成功2人だもんな。
その後、子どもも生まれてないし。
さらに欠員が出てるわけだし。
相手がたくさんから選べる方がいいんじゃないかって」
「ミアか?」
ミクラが呟いた。
確かにミアはオリジナルが薬学者ということで、同じ薬学者がオリジナルの1グループのマークと師弟関係のような感じで……、仲が良いというか……。
まあ、生殖可能年齢的に30歳の男性と15歳の女性なら、ありえなくはない。
逆も然り。
「先生達が判断することだから、何とも言えないけど……」
私はそう言って、昼食を食べ終え、席を立とうとした。
「アイ、この後、勉強するんだろ、一緒にやろ」
カイが声をかけてくる。
「ごめん、先生に呼ばれてて!
先生との話が終わったら、図書室に行けばいい?」
「あ、来てくれるんだ。
うん、図書室で待ってる」
カイがこっくり頷いた。
私達の中でも一番体格の良いカイがそんな仕草をすると、なんかかわいい。
「うん、待ってて」
行こうとするとミクラに手を掴まれた。
「先生ってミスターの方?」
「違うよ、ミセスの方。
たぶん、繁殖についての説明じゃない?
私とハルが呼ばれてるから」
ミクラの目がすっと細められる。
「特別アンケート?」
「あ、もしかしたらあるかもね」
ミアが半年前に初潮が来て、その時はひとりで呼ばれてたから。
私が先週、初潮になった。
だから、ハルにも一緒に話しちゃうのかも? と思ったから。
そうしたら、具体的に繁殖方法とか相手の希望とか聞かれるのかもしんない。
読んで下さりありがとうございます。
第1章まで書き終え、第2章を書き出してあれ、これじゃあハッピーなエンドが見えぬな……とやめて悩んで、第2章は全然違う視点で書き出したら、過去と未来が繋がって、動き出しました。
主人公達の世界と設定を考えてから、とりあえず書き出して登場人物が動くのを追うように書いています。
良かった……、ラストがなんとなく見えてきました。
これからもどうぞよろしくお願いします。




