1.ミリタリーショップ・渚
「カッハッ!」
「ひぃぃっ」
(なっなっなっ、何で死体に埋もれてんのさ⁈)
「オイ!こっちで何か動いたぞ」
(やばい)
「あ〜、そこさっき調べたやろ?」
(えっどういう状況?殺される⁈)
「でもよ〜」
「でもじゃねーよ、こっち手伝え!」
「ハイハイわかりましたよっと!」
《グチャッ》
(ヒィッ⁈危ないやろ)
兵士の適当に突き刺した槍先が首筋を掠めた。
「何で俺達がこんな事しなきゃいけないんだよ」
「うっせぇよ、文句ならバイエルン様に言えよ」
(バイエルン⁈)
「言える訳無いだろ、それよりこの戦いつまで続くのかねー?」
「さぁ〜な、もうこの辺はいいだろ?」
「そだなぁ、戻って飯でも食うか?」
「お前、良くこの後で飯食べるな」
「嫌でも食うんだよ、死にたくなきゃな」
(取り敢えず生き残ったけど・・・)
(もしかして異世界転生したのか?)
(何にしてもこの死体の山から出なきゃどうにもならんな)
【換金しますか?】
(えっ?)
【換金しますか?】
(はい?)
《ピコン》
【換金しました】
(あれ?死体が無くなった⁈)
死体に意識を向けると【換金しますか?】と頭の中に聞いてくる。
【換金しますか?】
(はい)
「やっぱり消えた⁈」
意識の範囲を広げて【換金しますか?】
「はい」
周辺の死体の山が見える範囲で無くなった。
(換金したのならどこいったんだ?)
そう疑問に思うと【ミリタリーショップ】というのが頭に浮かぶ。
(はい?)
《パッパカパーン!》
突然ファンファーレが鳴ると無機質な白い部屋に意識が飛ばされ、部屋の中央にカウンターがあり三角帽子を被ったピエロが1人立っていた。
「いらっしゃいませ〜」
「ど、どうも」
「ミリタリーショップ・渚へようこそ〜」
「ミリタリー?渚?」
「武器だけじゃ無いよ〜何でも揃ってるよ」
「お金持って無いけど?」
「何言ってるんですか?3000ミリーも持ってますやん」
「あ、これか⁈」
「そうそう、さっき換金したばっかりですやん」
「あなたは?というか、ここはどこなんでしょうか?」
「あ〜まだ状況が掴めるていないと・・・」
「私にもわかりません」
「えっ」
「マスターのスキルなのは確かです」
「マスター?スキル?俺がマスターで、俺のスキルなの?」
「その通りです!」
「私はマスターに商品を売る為にここに居ます」
「ずっとここに?」
「はい」
「ちなみに今の俺の身体はどういう状況?」
「安心して下さい。外とは時間軸が違いますんでここでの10分は外では1秒位です」
「なるほど、信じるしか無いね」
「それより何か購入して下さいな」
「何がある?」
「うーん、コレなんてどうですか?」
そう言うとピエロはタブレットの画面を見せてくれる。
画面には黒いフルフェイスのヘルメットに全身黒のプロテクトスーツが映っていた。
「ライダースーツ?」
「バトルスーツです」
「効果とかある?」
「勿論、こちらをご覧下さい」
そういうとタブレットの画面をスライドさせて効果という項目が出てくる。