魔法の基礎知識
地球に魔法なんて無いから基礎知識ゼロ。だから、本で知識を得る。こういう時、本って偉大だなと感じたりする。高校生だった時にそんな感覚なかったが。ゲーム最高!
「ええっと、なになに……。」
この世は太陽の女神と月の神が生み出した。そして世界に必要である火の神・水の女神・風の神・土の女神を作り、安定させた。だが、六柱の神々しかいない世界を寂しく思った神達は、自我ある生物を作ることにした。火の神が獣人を、水の女神が精霊族を、風の神がエルフ族を、土の女神が竜人を、月の神が魔族を、太陽の女神が人間を。
やがて、生まれた六種族は神々の手を離れ、それぞれで生活するようになる。しかし、人々は神への感謝を忘れず、祈りを捧げ、ときには願った。神々はそんな自分たちの子である種族を愛しく思い魔法を授けた。それからも、直接関わることはしないが、神々は私達を見守っている。彼らに特別愛された、それぞれの『愛し子』たちを通して……。(絵本〜神々とわたしたち〜より)
魔法は、祈りと願いの力。自身の魔力で発動することが基本である。属性は基本属性火・水・風・土、上位属性に火→炎・水→氷・風→雷・土→木。特殊属性に闇、時、光。そして特別な聖。特殊属性は持ち主が少なく、聖は愛し子をはじめ、神に選ばれたものが持つ。また、もともと上位属性を持っていなくても努力次第ではその下位にあたる属性を持っていれば使える可能性がある。下級から最上級までの威力がある。
生活魔法は生きとし生けるもの全てに魔力が宿るため誰でも使えるが、攻撃・防御・付与などの複雑なものは一定の魔力量と技術が必要で、これは難易度が上がるにつれ多く必要になる。また、無属性と呼ばれる身体強化や結界は、自分の魔力から属性を抜き取り使うため誰でも使うことが可能だが、抜き取るにはそれ相応の技術がいる。
魔力量を増やす方法は2つ。1つ目、魔力を使い切ること。微量だが魔力が上がっていくため、毎日やることをお勧めする。2つ目は魔力濃度を上げること。ボヤッとしている魔力を練ることで少ない量に成分ぎっちり状態にし、結果減った魔力が増える。これを練るの繰り返し。魔力量も増え、一回の魔法で使う量も減るから効果が大きい。けれど、精神力がいるから大人の人としよう。
魔力は丹田で作られている。まずは魔力を感知しよう。出来たら目を閉じて魔力の色を「見て」みよう。色は火が赤、炎が紅蓮、水が青、氷が群青、風が緑、雷が深緑、土が黄、木が山吹。闇が銀、時が紫、光が金、聖が白だ。魔力水晶で量と属性が分かるから、十歳に神殿に行くことを推奨する。(〜初めての魔法〜より)
なるほど、とりあえず魔力量を増やして技術を磨けば良いのか。だが、この世界の神殿というものが分からない。ラノベでは悪だったり正義だったりするが、情報が少なすぎて分からない。そう思いこれも調べる。
神殿は六柱の神々を祀っていて、すべての種族へ影響力を持つ。六種族は十歳に洗礼を受けることになっていて、義務ではないがそのときに魔力持ちかを調べられる。適性があった人は貴族の養子になったり、神殿の援助を受けられるため、受ける人が多い。神殿には光の魔力や聖の魔力を持つ治癒師や魔術師が所属していて、民はそこで施しを受けられる。(〜神殿について〜より)
この世界は神が六柱共通で信仰されているため、一つの宗教しかないようだ。そのため神殿と呼ばれている。詳しいことは分からないが貴重な治癒師の確保や貴族に魔力持ちの子を教えたりしていることから、権力はありそうだ。国外に出たときに頼るかどうかは要検討しよう。
ある程度の知識が得られた俺は魔力感知に移ることにした。けれど、思っていたより時間が経っていたのかそろそろ部屋に戻らなければいけない時間になっている。こうして俺は、夢溢れる魔法習得へ向けて動き出した。まぁ、とりあえず、
「おやすみなさい。」