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僕の好きな人は派手で地味目で美人でブスで  作者: 磨糠 羽丹王
【高校二年の時間】 魅かれる心と邪魔する香り
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第95話 「流石、早野先輩」

(蒼汰) 

 教諭部屋に入ると彩乃先生が居た。

 思わず脱衣所の事を思い出し、先生のお胸を凝視してしまう。

 俺に気が付いた彩乃先生は、手招きをして俺を部屋の隅へと連れて行った。


「上条。お前誰にも言って無いだろうな……」


「あんな人生の宝物を人に話したりしません。胸にそっと仕舞って一生大切にしていきます」


「……。お前はまた先生をキュンキュンさせやがって! やっぱり駆け落ちでもするか?」


「先生。その提案は全会一致で可決です」


 笑顔の先生に両頬をつねられて、転がされて頭を撫でられた。

 彩乃先生、良い女だなぁ……。


 参加者は総勢で二十名以上で、バラバラに固まってはいるけれど、先生達と何となく円になって話した。

 美咲ちゃんの隣に行きたかったが、美咲ちゃんは女子に囲まれていたので、流石に断念した。


 最初、伊達君と一緒に座っていたのだが、飲物を取るタイミングで、俺と伊達君の間に前園さんが入って来た。二人はなかなか良い雰囲気だ。

 伊達! 俺は応援するぞ! そしたら生徒会で旅行とか行こうな! なっ! 良い考えだろ?


 俺は伊達君と前園さんを温かい目で見守る事にした。

 そういえば、前園さんからまた良い香りがする。

 美咲ちゃんの香りには敵わないけれど、結構好きな香りだ。

 話の最中とかでも、フワッと香りがしてくると思わず前園さんを見てしまう。

 やっぱり女の子って良い香りがするなー。


 先生達から聞いた去年の修学旅行の話は、早野先輩の話が最高だった。

 女子生徒の訪問が絶えない早野先輩を教諭部屋に隔離しようと思ったら、部屋が女子生徒で溢れかえるって……。

 流石は早野先輩。モテ方が半端ない。


 そう言えば、今度家に遊びに来ると言っていたから、先輩達にお土産を買わないといけなかった。

 先輩達の事を考えたら、不意に美麗先輩の事を思い出した。

 そうだ! 美麗先輩には何を買って行こうかな……。

 そう思いつつ丸尾君の言葉が浮かんで来て、少し複雑な気持ちになった。


 ----


 誰かの質問で彩乃先生の彼氏の話になったので、思わず注目してしまう。

 そしたら先生が「俺と駆け落ちする」って言いだしたから、皆の注目を一斉に浴びてしまった。

 俺はテンパりながらも先生との会話を思い出し「多数決で決まりました」って答えたら、みんな爆笑してくれた。

 教諭部屋に来てから何となく沈んだ顔をしていた美咲ちゃんも笑っていたから、嬉しかった。


 その後も、伊達君と前園さんの仲睦まじい姿を笑顔で見つめていた。

 良いぞ! 良いぞ! 旅行! 旅行! 四人で旅行!

 俺の妄想が爆発する。二人から目が離せない……。


 消灯時間の十一時になったので、解散になり部屋に戻った。

 本当は抜け出して、また女の子の部屋に行きたかったが、今まで一緒だった先生達の信頼を裏切る事になるので、止めておいた。


 修学旅行は明日で終り。

 午前中は最後のスキー学習で、午後は何処どこだかで昼食を食べて、帰路につくことになる。


 布団に入り、よもやま話をしているうちにみんな寝てしまった。

 俺は自分の手を見て、今日の美咲ちゃんとの事を思い出し、幸せな気持ちでいっぱいだった……。

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