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僕の好きな人は派手で地味目で美人でブスで  作者: 磨糠 羽丹王
【高校二年の時間】 雪の聖夜と恋の行方
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第54話 「新生徒会の最初の仕事」

(美咲)


「いえ、忙しいので本当に無理なんです……」


「いや、会計が本当に忙しいのなんて一年に一回位だし、六限目が無い日だけでも良いから」


「でも……」


 生徒会のメンバーになるようにと、先輩方や周りの皆に説得されている……。

 蒼汰君の名前が候補者にあがったり、凄い得票数を獲得したり、先輩達から推薦されている姿を見て感心していた。


 凄いなー。頑張って欲しいなぁ。応援するよ!

 そんな事を思っていたら、まさかの私にまで生徒会の話が来てしまった。

 絶対に断ろうと思っていたけれど『都合の合う時だけで十分』という条件まで出されて、かたくななに断り続けるもの先輩達に失礼だし、蒼汰君も一緒だから良いかと思い、引き受けることにした。


 私は新生徒会の会計に任命された。


 ----


 十二月に入り、新生徒会の活動が始まった。

 全校集会の新生徒会役員紹介で、壇上に並ばないといけない時がちょっと恥ずかしかったけれど、聞いていた通り生徒会のお仕事はそんなに忙しく無かった。

 忙しいのは集会や行事の時に話をしないといけない生徒会長だけで、他の役員はフォローが主な仕事だ。

 元々生徒会の予算は少なく、生徒会独自で何かを購入したりとかは殆ど無いので、会計のお仕事は年間の収支表を会計監査(かんさ)の時にちょっと作るだけ。

 大きな費用がかかる計画については、学校や同窓会の方から予算が付く事になるらしいので、話し合いに参加するだけで会計としての仕事は発生しない。

 まあ、それでも生徒の為に何か役立つことを考えて行くのが生徒会の役目だから、生徒から要望があった時に生徒会で話し合うというのが仕事になるみたい。


 私と蒼汰君が生徒会に行き始めてからは、先輩達は生徒会室にも遊びに来るようになった。

 国公立大の推薦試験を受けた夏目先輩以外は、十二月に入って直ぐに全員の合格が決まっていた。先輩達楽しそう。

 そんな楽しそうな先輩達を横目に、新生徒会のメンバーは全員必死になっていた。

 私も限られた時間しかないので頑張っている。

 実はあと一週間で期末考査が始まるのだ。

 新生徒会の最初の仕事は、期末考査の勉強を一緒にする事だった……。


 ----


 期末考査が終わると、学内はクリスマスムード一色に。

 あと十日でクリスマス。そして冬休みになる。


 街に出るとクリスマスの飾りつけや電飾、そしてクリスマスソングが至るところで流れている。

 昨年はクリスマスを祝う文化が無い国にいたので、クリスマス気分を味わう事は出来なかった。

 今年のクリスマスも、誰も居ない家を飾り付けても仕方が無いので、特に何もしない。

 それでも、街中のクリスマスツリーや電飾を見ると楽しくなる。

 早く両親が帰って来ないかな。一緒にお祝いしたいな……。


 蒼汰さんの家でもクリスマスの雰囲気は全く無かった。

 蒼汰さんに聞いてみると、お父様と二人で暮らす様になってから、お父様が再婚するまでの間はクリスマスツリーなど飾ったことはなく、再婚相手が出ていくまでの間は家の行事に関わらない様にしていたので、蒼汰さん自身はクリスマスの雰囲気を楽しんだ事は無いそうだ。

 でも、ツリー自体は有るらしいので、見付けて飾っても良いか聞くと、お任せされた。

 俄然やる気が出て来た。

 蒼汰君にクリスマスを楽しんで貰おう!

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