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僕の好きな人は派手で地味目で美人でブスで  作者: 磨糠 羽丹王
【高校二年の時間】 可愛い蒼汰と先輩と
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第46話 「蒼汰君のお部屋の掃除」

(美咲)

 最近、私の周りは賑やかだ。

 体育祭以来、お昼休みに先輩達が遊びに来てくれるようになったからだ。

 転入してから二ヶ月。

 クラスの人とは大分仲良くなったけれど、他のクラスの人、ましてや学年の違う人たちと知り合う機会は殆ど無かった。

 学校とアルバイトの日々で、そういう時間が無かったせいもある。

 遊びに来てくれる先輩達は、みんな優しくてとても良くして下さる。

 自分が隠し事をしている事に、後ろめたさを感じる時もあるけど、今は仕方が無い……。


 買い物をしながら、今日の夕食の事を考える。

 今日の蒼汰さんの夕食は、クリームシチューとスライスして焼き目を付けたフランスパン。

 でも、蒼汰さんはシチューをご飯に載せながら食べるのが好きみたいだから、十穀米じゅっこくまいのご飯も炊いて、デザートにリンゴを付けて完成♪

 うん!いい感じ。


 買い物を終えて蒼汰さんの家に到着。

 いつもの様に鍵を開けて入ると、玄関に靴が沢山並んでいた。

 誰か遊びに来ているのかしら。

 普段は立花くんと楠木くんの二人しか来ないから靴は三足だけれど、今日は凄く多い。

 少し驚きながら食材をキッチンへと運び込んだ。


 そしたら、階段から凄い足音がしてきて、リビングに沢山人が入って来た。

 驚いて変な声が出てしまったけど、相手もギョッとしていた。

 まあ、この姿に驚かれるのは仕方がないわね。


 良く見ると、知っている人達ばかりだった。

 早野先輩、望月先輩、それに確か生徒会長の……。

 そしたら急に「蒼汰君のマブダチです」とか言い出すから、可笑しくてしばらく笑いが止まらなかったわ。

 蒼汰君。いつの間に先輩達と「マブダチ」になったの?

 思い出すだけで、また笑いが込み上げてくるのだけど……。


 ----


 シチューの具材をさっと炒めて、鍋に入れてからしばらく煮込まないといけないので、その間に洗濯とお掃除をする。

 二階の掃除を始めた時に蒼汰さんの部屋のドアが少し空いている事に気が付いた。

 隙間から中を覗いて見る。


 隙間が狭くて余り見えなかったけれど、床にお菓子の袋が広げたままになっていた。

 いつもは鍵がかけてあって入れないけど、今日は掃除をして欲しいってことかな?

 全ての部屋の掃除をするのが条件だし、放っておく訳にも行かないので、入って掃除をすることにした。


 初めて見る蒼汰さんの部屋……。

 壁一面に本があって、ゲーム機があって、人形が飾ってある棚があって。

 男の子の部屋って、こういう感じなんだ。面白ーい!


 色々と見て回りたいけれど、掃除をするために入ったのだから、先ずはお掃除お掃除!

 床に広げたままになっていたお菓子やコップ類を片付けて、掃除機を持って来てお掃除開始。

 マメに掃除をしているのか、床にはホコリが殆ど無くて綺麗。

 私の部屋の方が汚いかも……。


 床の隅の方の掃除機がけをしていると、人形棚に掃除機を当ててしまい、その衝撃で棚が揺れて人形が一体倒れてしまった。

 慌てて手に取ると、メイド服を着た可愛い女の子の人形だった。

 凄く精密に出来ている。

 私が昔遊んだ樹脂製の人形とは全く別物だ。

 表情も綺麗に描き込んであるし、着ている服も隅々まで丁寧に作られている。今にも動き出しそうだ。

 クルクルと回して、色んな角度から見てしまった。

 ちょっと気になって、下からのぞいて見たら、ガーターベルトと下着まで綺麗に作り込んであった。


 やだ、こんな所まで……。蒼汰君、こういうのが好きなのかな? ふふふ……。


 メイド人形を元に戻し、折角だから何処か他にも掃除をしたいと思い見渡すと、本棚が目に入った。

 背の高い本棚の上にはホコリがまっているはず。

 流石に手が届かないので、室内用の脚立きゃたつを持って来て掃除をすることにした。

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