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僕の好きな人は派手で地味目で美人でブスで  作者: 磨糠 羽丹王
【高校二年の時間】 可愛い蒼汰と先輩と
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第44話 「別世界の先輩達」

(蒼汰)

 先輩達は今日も遊びに来てくれた。

 最近は航や龍之介も一緒に輪に入って話しているので不思議な感じだ。

 でも、早野先輩と望月先輩の話を聞けば聞くほど、自分とは別世界の住人だと痛感させられる。


 先輩達はアクティブで、大勢と仲が良く、華やかでアウトドアな事がとても似合う。俺とは真逆の高校生活だ。

 俺や航のサブカルチャー好きを知ったら、きっとドン引きしてしまうだろう。

 女性の桐葉先輩とかに知られたら、もうどんな目で見られるか……。

 想像しただけで身震いがする。

 決して恥じている訳ではないが、誰にでも受け入れて貰える趣味ではない事ぐらいは理解している。

 前にも言ったが、不必要なリスクは避けた方が良いに決まっているのだ。


 しばらくすると、桐葉先輩と一緒に美咲ちゃんと結衣がトイレに行ってしまい、俺の席の周りは男だけになってしまった。

 何の話からそうなったのかは覚えてないが、国語の教科書にほぼ全員が落書きをするという文豪の写真があるというので、どの写真か見る為にカバンの中から国語の教科書を取り出した時だった。

 教科書に引っかかっていたのか、何かが一緒に飛び出し、ちょうど早野先輩の手元に落ちて行った。


【恋する魔法少女マロンちゃん 外伝 ~恋はモンブラン編~】


 今朝、航からコッソリ返して貰い、慌ててカバンに入れたやつだ。

 早野先輩が表紙をしげしげと見つめている。

 可愛いメイド服のマロンちゃんが、魔方陣を背に戦っている姿が描いてある。


 終った……。


 俺の高校生活がダークサイドへと切り替わっていくかねの音が聞こえてきた。

 こういう時マロンちゃんは負けずに戦うが、俺は間違いなくへこたれる。

 俺は早野先輩から浴びせられるであろう、嘲笑ちょうしょうの言葉を静かに待った。


「快人! これ! これだよ、俺がこの前言ってたやつ!」


「おお、滅茶苦茶面白いって言ってたやつか?」


「そう、それそれ! しかもこれ先行予約で抽選販売のやつだから、まだ書店には並んで無い奴だぞ!」


 早野先輩が目をキラキラさせながら、ちょっと俺の理解を越えた事を言っている。


「蒼汰! お前これを何で持っている? 借り物か?」


「い、いえ、自分のです……」


「な、なんだと……お前何者だ!」


「いえ、その、何というか、好きで揃えています……」


「聞いたか快人! 蒼汰は凄えぞ。このシリーズ揃えてるらしいぞ」


「本当か蒼汰君!」


 何故か先輩達が大盛り上がりになってしまった。


「早野先輩。蒼汰はこのシリーズどころか、部屋の壁一面に……」


 航が俺の秘蔵のラインナップや、部屋の事を先輩達にバラしてしまった。


「なん……だと……」


 両先輩から尊敬する人を見る様な羨望せんぼうの眼差しで見つめられた。


「蒼汰先輩……。今日の放課後、お部屋にお伺いしてもよろしいでしょうか」


「おお、涼介。お俺もお供させてくれ。蒼汰先輩、私も是非」


 何この謎展開……。


 結局、放課後に両先輩と航達が家に来ることになった。

 先輩達には、くれぐれも女子にはこの事を内密にして頂く様お願いした。

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