表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
僕の好きな人は派手で地味目で美人でブスで  作者: 磨糠 羽丹王
【高校二年の時間】 結衣のお胸とライバルと
41/186

第41話 「鳥レバー」

(美咲)

 家に帰って少し休んだら、今日も家政婦のアルバイトだ。

 今日は蒼汰君も疲れているだろうし、栄養バランスバッチリの夕食を作るぞ!

 でも、体調は万全ではないので、今日もキャリーケースを持って行こう。

 あの変装でキャリーケースをゴロゴロしている姿はちょっとあれだけれど仕方が無いわね。

 周りから変な目で見られているけれど、気にしない。


 いつものスーパーに行き、食材を選んでいる時に良い物が目に入った。

 疲労回復にも良いし、今の私にも優しい食材だ。

 蒼汰君の今日の晩御飯はこれを使ったおかずと、雑穀米ざっこくまいのご飯にシジミのお味噌汁。

 それにツナと豆のサラダに季節のフルーツを添えて完成♪

 うん!いい感じ。


 ----


 流石に今日は疲れているだろうと思っていたら、蒼汰さんは今日もハイテンションでダイニングやって来た。

 体育祭がそんなに楽しかったのかしら……。


 今日のお昼は一緒じゃなかったから、お弁当がどうだったか聞いてみたら、とても美味しかったと言ってくれた。良かった。

 でも、食事を並べて今日の夕食の内容を話すと、蒼汰さんの表情が少し曇った。

 蒼汰さんは困った様な顔をしながら、今日のメインの『鳥のレバニラ炒め』を食べ始めた。

 でも、食べる前の表情が凄く気になっていた。


「蒼汰さん。お料理の味、何か変でした?」


「……いえ、実は俺レバー苦手で、食べようか迷っていたんです。来栖さんの疲労回復効果とかの説明を聞いて、頑張って食べてみたんです」


「あ、ごめんなさい。苦手って知らなくて。直ぐに何か他の物を作りますね」


「あ、いや、来栖さんのレバニラの味、凄く美味しいから全然大丈夫です」


「本当に宜しいのですか?」


「ええ、もちろんレバー自体の味とか食感は苦手だけれど、来栖さんの味付けなら本当に美味しく食べられるから大丈夫です」


 ごめんね蒼汰君。レバー嫌いな事知らなかった……。


 その後、今日の体育祭の事を色々話してくれた。

 もちろん、殆ど知っている事ばかりだったけど、蒼汰さんの近くに居た三年生から聴いたという話は、知らないことばかりでとても楽しかった。


「そうそう、来栖さん。今日ですね、倒れた女の子助けたんですよ」


 あら、いきなりここで私の話?


「そうなんですね。それは、大変だったでしょう」


「いや、もう無我夢中だったから。必死で保健室まで運んで……」


 蒼汰さんの説明で、私がどんな感じだったのか初めて知った。

 ちょっと恥ずかしい。

 でも、蒼汰さん。本当にありがとう。

 私、いつもお世話になりっぱなし。何かお礼しなきゃ……。


「……で、前からその娘には、背中に翼が生えている様な気がしていて……」


 えっ、何?

 私ってそんな風に見えているの?

 何だか胸がドキドキしてきた。

 それってもしかして……。


「そしたら、スゲー重たくて全然持ち上がらなかったんですよ」


「そ、そそそれは大変でしたねえ」


 ……蒼汰君。明日から一週間、あなたのご飯は、お湯で煮ただだけのレバーよ!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
cont_access.php?citi_cont_id=489571759&size=200
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ