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僕の好きな人は派手で地味目で美人でブスで  作者: 磨糠 羽丹王
【高校二年の時間】 結衣のお胸とライバルと
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第32話 「いきなりの盛り上がり」

(蒼汰)

 五十メートル走に出場する生徒の最後尾が入場すると、またざわめきが起こった。


「あれ、望月じゃね?」「望月先輩!」「快人が五十メートル走?」


 陸上部を引退した先輩で、今年短距離でインターハイに出場した三年生が出るらしい。

 望月快人もちづきかいと先輩。鍛えられた筋肉。岩の様な顔をしている。


「望月やっちまえー!」「いいぞ望月!」「望月結婚してー!」


 男子生徒から黄色い声が上がる。

 近くの三年生の話では、元々最終走者は七名だったそうだが、早野先輩が出ることを知った体育教官が、最終走者が七名は不公平ということで、自分が担任しているクラスから一名()じ込んだらしい。

 配点も低く最終走者の人数など誰も気にもしていない競技に、そこまでこだわるとは………。

 とにかく、あの体育教官は優勝したいらしい。

 スポーツ推薦組のクラスを受持つ担任としては、やはり意地があるらしい。

 それにしても、近くの三年生は情報通すぎるだろう……。


 最初の競技から、イケメンで運動神経抜群のモテ男とイケメンじゃない元陸上部短距離走のホープの対戦が行われる事になり、体育祭は一気に盛り上がって来た。

 応援団旗が大きく振られている。

 午前中は肩慣らし程度の応援団も、一気にエンジンがかかった様だ。


 一年生女子の五十メートル走がスタートし、順番に学年が上がって行くが、結果は誰も気にしていない。

 三年生の最終走者しか興味が無いのだ。

 いや、俺はちゃんと見ていたぞ。もちろん、女子の走るとこだけね!

 あと龍之介も出ていたから、その時だけは男子のも見た。

 龍之介は一着だった。

 クラスの女子が「立花くんって、ちょっと良いよね」とか言っている。

 龍之介、お前は後でお仕置きだ。


 いよいよ五十メートル走の最終走者の順番になった。

 「涼介さん、頑張ってー!」という黄色い声援と「望月! 頼んだぞ!」という野太い声援がぶつかり合う。

 何だか組は関係なく、男女対決みたいになって来ているぞ。

 赤色の鉢巻きをなびかせ、女子の声援に手を振る早野先輩。

 白色の鉢巻きを付け、入念な準備運動をしている望月先輩。

 両者がスタートラインに立った。


 ピストルの号砲が鳴ると、望月先輩が素早くスタートを切った。流石だ。

 でも、早野先輩も遅れてない。

 声援が鳴り響く。

 結果は……。


 同着。


 ゴール地点に審判役の教師が数名いるが、話し合った結果は同着。

 早野先輩凄いな。

 百メートルが本職とはいえ、インターハイ出場の元陸上部と同着。

 やはりモテ男は何かが違う。


 走った後の両名は、さぞギスギスしているだろうと思って見ていたら、

 お互いに指をさし合って、笑って肩を叩き合っていた。

 近くの三年生が言うには、二人とも普段から仲良しなんだそうだ。

 生徒の間から拍手が湧き起こる。

 最初の競技から、この盛り上がり方は何だ……。

 みんな体力持つのか?

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