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僕の好きな人は派手で地味目で美人でブスで  作者: 磨糠 羽丹王
【高校二年の時間】 結衣のお胸とライバルと
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第28話 「もう脱いじゃおー」

(蒼汰)

 体育祭の全体練習は終了。

 終了後も各組の応援団が最後の練習を続けている。

 俺ら雑用組は解散かと思ったら、用具の片付けで先生に捕まってしまった。

 彩乃あやの先生のあのお胸で指示されたら仕方がない。やらざるを得ない。

 まあ、結衣と美咲さまも一緒に捕まっていたから、頑張るだけだけどね。

 美咲さまと二人なら、体育祭の全ての用具を片付けても良いぞ……。


『美咲ちゃんは、付いて来るだけで良いよ』


『まあ蒼汰くん力持ち。素敵』


『さあ、最後は美咲ちゃんをお姫様抱っこで用具室へ運ぶぞ』


『蒼汰くん』


『美咲ちゃん……』


 くううぅぅ。いいねぇ。

 まあ、絶対無理なんだけどねー。


 校内に戻って行く他の生徒たちを尻目に、捕まった何人かで用具の片付けをした。

 用具は種類によって片づける倉庫が違う。俺らの受持ちの用具は遠くの用具室のだった。

 俺は結衣と美咲さまと三人で指示された用具を持ち、校庭と用具室の間をせっせと往復しながら運んだ。

 だけど遠かったので他の連中より時間がかかり、結局一番遅くなってしまった。


 そして、最後に一人では抱えられない大きめのメッシュコンテナが二つ残った。

 二往復は面倒だなと思っていたら、結衣が話しかけて来た。


「蒼汰、両方持って! 私と美咲ちゃんで片方ずつ持つから」


 おお、これを断れば男が廃る。やるさ。

 間にコンテナが無ければ『両手に花』だが、ちょっと違う。運動会の変な競技みたいだ。

 それほど重たい訳ではないけれど、陽射しがまだ強い上に用具を抱えて何往復もしているので、結構汗ばんでいて手が滑りそうだ。

 何とか踏ん張って運び、奥まった用具倉庫が見えて来た時に、美咲ちゃんが急にコンテナを置いた。


「ごめん、結衣ちゃん蒼汰君。ちょっと待ってて。出来るだけ早く戻って来るから。ごめんね」


 そう言って結衣に何かジェスチャーをして、結衣がうなずくと直ぐにかけ去って行った。どうしたんだろう。


「蒼汰。一個ずつ運んじゃおうよ。美咲ちゃん戻って来るまで、用具室で待ってれば良いし」


「ああ、そうだな。そうしよう」


 美咲さまが心配だったが、取りあえず結衣と一緒にコンテナを運び、用具室で美咲さまを待つことにした。


 ----


 コンテナを運び終わり、用具室の床に座り込むと、結構汗をかいていた。

 体操服の首の所をパタパタやって、こもった熱を払う。

 結衣も立ったままで、同じことをしている。

 ふと、例の事を思い出し、結衣の胸元を見てしまう。

 いや変な気はないぞ。ただの確認だ。先程も確認したしね。


 どうせそこには、期待するモノは見えない。見えるはずがない……。

 いや、でも何かが違う。何となく服のシワが無いか!?

 胸元を凝視していると、結衣が目線に感付いた気がして慌てて目を逸らした。

 大丈夫だ。感付かれてない。

 そして、隙を見計らい、もう一度確認をしようと思った時だった。


「あー、暑ーい。もう脱いじゃおー」


 何か芝居がかった言い方をしながら、結衣が体操服を脱ぎ始めた。

 おお、結衣どういう事だ?

 おい、それは見ちゃうぞ。

 いくら結衣だとは言っても、それは見逃さないぞ!

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