君がいるだけで-6
「じゃあ、訊くなよ」江川
「まぁまぁ。本人のインタビューの方が信憑性が高いからね」中川
「記事にする気じゃないよな」江川
「まだね」中川
「まだ?」江川
「もっとでかい話にならないと」中川
「どんな?」直人
「光明寺二郎、電撃入籍!逆玉の輿!って、とこまでいかないと」中川
「アホ!」江川
「何考えてんだか」直人
「まぁまぁ、万が一そういう時のための準備ということで。それで、ジロー、度々中断して申し訳ないけど、今度のお誘いは行くの?」中川
「…断りようがなかったんだ……」ジロー
「なるほど、なるほど、来週に続く、と」中川
「もう記事になってるみたいだな」直人
「まぁ、イチローのコメントはもう取ってあるし。あとは、っと、ね、リエちゃん。幼なじみとして、ひと言ご意見を」中川
「あ、あたし?」リエコ
「そう。ジロー君の逆玉をいかが思いますか?」中川
「そ、そんな」リエコ
身を小さくして俯く理江子を見て江川は言った。
「バーカ、くだらねえ質問するんじゃないよ」江川
「そう?ミエちゃんにもそう言われたよ。そんなこと、あたしにはカンケーないって」中川
「わかってるんなら、やめとけ」江川
「ま、身内のコメントばかりじゃなかなか記事にはなんないからな」中川
「ホントに記事にする気なのか?」江川
「もっと大事件になったらね」中川
「他に考えることはねえのかよ」江川
「商売商売、商いが大事でおます」中川
「友達なくすぞ」江川
「別にデマカセでもゴシップでもないんだよ。ホントにそうなったときのため」中川
「どーだか?」江川
「じゃあ、また、進展があったらお伺いします」中川
中川が立ち去って、江川と直人は呆れながら言葉を交わした。二郎は、ぼんやりしながら、どこを見るともなく頬杖をついていた。そんな二郎を理江子はじっと見つめた。




