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第6話 王様と魔王と便所飯の女

わしは46の国を統治する人領の王の中の王マニャ。


しかしすべてを完璧に統治できるわけではない。


統治の才能を生まれながらに持っているがそれでも領境などまでは我が力が及ばことが多い。


今回もそうで我が領の民が魔領にちょっかいをかけてしまったらしい。


原因は分かっている。


2年前から起きている食料飢饉だ。


野菜類が連年病気でやられてしまったのだ。


最初の年こそ備蓄で何とかなったが翌年は備蓄も底をつき、今年はとうとう食糧難になってしまった。


だからこそ魔領に食料を求めて侵略まがいのことをしてしまったのだろう。


魔領の王マンスも同じように自領の民がこちらに迷惑をかけてしまっていることを知っている。


わしらは一度密会し、争いを鎮めるためにも表向きの戦争を起こし、直ちに勝敗を決することを約束した。


そして領境で相対し、王同士で力比べをすることにした。


今まで培った魔術の才能をマンスに自慢してやろうと思った。


わしの魔術の才能の特化は【水】【土】【風】【光】、そして【召喚】じゃ。


杖術の才能による【魔術】特化で威力はさらに倍増する。


早速わしはマンスの前で杖をかざした。


「大いなる獣の神グアガヴァよ。その牙は大地を貫き、その爪は大海を割かん。グアガヴァの作りし古の神獣ハヴバノスよ。我が僕となりて敵を穿て。対価となりしは我が魔力。出でよ!神獣ハヴバノス!」


わしの操れる全魔素を注いだ召喚じゃ。


神の産物を呼ぶのはこれが初じゃがきっと成功するに違いない。


その証拠に光輝く狼が3頭目の前に現れ大きな遠吠えをした。


そして遠吠えが終わるとともに光が強くなり、後には……。


夢でも見ておるのじゃろうか。


わしの目の前には不思議な椅子に座った男が呆けておる。


しかも尻を出して。


こっちを見たな……。


え、今出した?


盛大な音とともにわずかに匂いが……。


正気かこやつ。


またこっち見たな。


え、まだ出すのか。


わしは杖を下ろし、悲しい気持ちで胸がいっぱいになった。




我は魔領を統べる王マンスである。


我の目の前には今、龍王がいる。


召喚失敗という災難に次ぐ災難。


戦争を止めるために来たというのにこのままでは我が魔領もマニャ王の地も焦土と化すだろう。


召喚した者たちから知識を得れば飢饉を乗り越えることもできたかもしれぬ。


不要な争いも避けられたかもしれぬ。


しかし龍王の到来ですべてが水泡に帰した。


許されるのは隷属か死しかあるまい。


長年不干渉を貫いてきた龍王がなぜこのタイミングで……。


あ、召喚者の保護ですか。


なるほど。


馬鹿マニャ王!余計な口を……。


まずい、皆殺しにされそうだ。


追加でドラゴンがどんどん来るし。


終わった。


うん?


マニャ王が召喚した男が何やら説得を!?


龍王は怒る気配がない!


これは、いけるのか!?


………。


え、あ、はい。


家ですね。


すぐ建てます。


だから焼き殺さないで。


たぶん今までで一番必死に指示出しをしたと思う。


うん。


え?戦争?


あ、戦争したら宣戦布告ですか。


もちろんしません、はい。


原因?


飢饉です。


ちょっと我の領民が無茶しやがって……。


はい。


戦争も形だけで我とマンス王で力比べして勝敗を決めようと。


戦争回避はできたので満足です、はい。




私の名前はカレン。


大手ネットショップのお客さ様センター電話対応業務として働いてました。


電話越しなら流暢に話せるんですが、直接対面するとどうしても緊張してうまくしゃべれなくなってしまうんです。


そのせいで会社内でもお友達ができず、執務室でご飯を食べると居心地が悪いのでいつもトイレでご飯を食べてました。


最近そういう人が増え始めたと聞きます。


トイレでごはんとか衛生面やお行儀が悪いと思いますが、個室なので落ち着いて御飯が食べれます。


でも今日は落ち着けませんでした。


だって突然知らない風景が広がったから。


周りにはファンタジーアニメとかで見た魔王みたいなのや王様。


それに私と同じように日本人の男の人が一人。


それから遠くにたくさん……。


質問しても黙ってろって怒られてしまって、本当はいろいろ聞きたいんだけどうまくしゃべれませんでした。


帰れないって不穏なセリフも聞こえ、どんどん不安になります。


そのうちドラゴンがやってきてあまりの迫力に怖くてお弁当箱を落としちゃいました。


男の人はどんどん話を進めて何故か私たちはここに住むことになりました。


何か言わないとと思うんですがどういえばいいのか、ちゃんとうまくしゃべれる気がしません。


そしたら男の人から話しかけてきて自己紹介をされました。


セージさんですね。


私も自己紹介くらいはちゃんとできます。


聞かれたことに答えただけですけど……。


そしたら今度はナイフで指を切って名前を書けと言ってきました。


生命の書(リブロ・ヴィーテ)という本を出すためだそうです。


言われた通りにしたら本が出ました。


びっくりです。


本を開いたら私の才能について書いてました。



■言語の才能【生誕才能】

熟練度:★★★★★


あらゆる言語に対し、意志に反して理解を得ることができる


熟練度特典

★☆☆☆☆:全ての文字が読める

★★☆☆☆:全ての文字が書ける

★★★☆☆:全ての暗号を理解できる

★★★★☆:神の言語を理解できる

★★★★★:神の言語の力を発揮できる



■調理の才能【学習才能】

熟練度:★★☆☆☆

特化:【焼き物】【煮物】【揚げ物】


あらゆる調理能力が秀でる


■擬態の才能【学習才能】

熟練度:★★★★☆

特化:【フェイスメイク】


あらゆる擬態能力が秀でる


■健康の才能【学習才能】

熟練度:★☆☆☆☆

特化:【栄養】


あらゆる健康能力が秀でる


■交渉の才能【学習才能】

熟練度:★★★☆☆

特化:【対話】【文通】


あらゆる交渉能力が秀でる


■裁縫の才能【学習才能】

熟練度:★★★☆☆

特化:【衣服】【小物】


あらゆる裁縫能力が秀でる


■治療の才能【学習才能】

熟練度:★☆☆☆☆

特化:【応急処置】


あらゆる治療能力が秀でる



なんだか家庭的だったり自分が今までやってきたことに関する才能ばかりでした。


唯一違うのは言語の才能というもの。


ここにいる人たちはみんな日本語のようですけどもしかしてこの才能のおかげで理解できてるのでしょうか?


でも男の人も普通に話をしているし、これの効果なのかよくわかりません。


神の言語……というのもなんでしょう。


本当に分かりません。


とりあえず何でしょうか。


さっきからセージさんのことが気になって仕方がなくなってきました。


龍王さんが持ってきた手記よりも気になって……。


どうして?


とっても胸がドキドキします。


あ、目があった。


これってもしかして……。

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