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第15話 そのタイミングで異世界に送るのはひどい

ある日の朝。


いつも通り目を覚ました俺。


すっかり神領の生活にも慣れた。


神が住む宮殿。


ほぼ真っ白なこの巨大建築の一室が俺の寝室。


カレンたちの寝室は別にあるんだけどみんな俺の横で寝てる。


いつも通りだ。


うん、昨日も頑張ったよ。


何がとは言わないけどね。


とりあえず部屋を出て食堂へ。


イシリア達が食事の用意をしてくれてる。


「おはようございますセージ様」


おはようイシリア。


今日もいい笑顔だね。


はー、癒される。


ラナナがパンを、フェミがスープを運んでくれる。


パンはこの神領で小麦を育てて作った。


この世界にもともとなかったものだけど、ここだけでならいいよね、ということで。


「ありがとう」


俺はラナナたちに礼を言って食事を始める。


今日も平和だなぁ。


たまにはどっかあそびに行きたいけどカレンがいまだ心配して外に出してくれない。


どこかへ行くにしてもオルフェたちのところだけしか許してもらえてない。


最近はそれすらも許されなくなってきた。


オルフェとリョウトも神の言葉をつかえるため、向こうから会いにこれるよね?って。


カレンに言われオルフェたちもそういえばって感じだった。


気づかないでいてくれればよかったのに。


大体オルフェたちは常日頃いちゃついてるんだからこっちに来ることなんてそうそうないと思う。


はー。


やっぱりこっそりと抜け出して……。


無理だな。


ばれないわけがない。


だってこうやって考えてる最中も、俺の背後で思考を読み取ったカレンが仁王立ちしてるんだから。


「だめだからね」


「はい」


今日は何して過ごそう……。


最近は元の世界のゲームを召喚して遊んでる。


電気とかも発電機やら何やらを召喚してるから事欠かない。


最近思ったけど両親とかも召喚すれば会えるんだよなー。


でもいきなり異世界に召喚してもなぁ。


親になんて言えばいいんだろ。


俺、神様はじめました☆とか?


だめだ、親が気絶する未来しか見えねぇ。


まあ、カレンをみんなに紹介したかったけど、無理にする必要はないか。


俺がいなくなって心配してるかもだけど……。


……。


うん、やっぱどっかのタイミングで呼ぼう。


「そういえばカレンもお母さんに会わなくていいのか?」


隣に座って食事を始めたカレンに聞く。


「うん、お父さんがいるから」


「そっか」


そういえばカレンの母親のところに前神王を送ったんだったな。


幸せにやってるといいな。


「あなたは?」


「俺?俺は会いたいなとは思うけど、今はまだいいよ。いきなり呼ばなくてもいつでも呼べるしね」


「遠慮するな。今すぐ合わせてやるよ」


え?


背後からいきなり声がした。


振り返ると、そこにはアレクが立っていた。


「ちょ、おま……」


景色が変わる。


俺はトイレの上に座ってた。


あの日、あの時、あの場所で、同じように。


「え……」


会社のトイレだ。


戻らなきゃ!


俺は異世界へ戻ろうとする。


神の力や時空魔法を使おうと。


でも、何も起きない。


何も。


「嘘……嘘だ……」


俺はトイレを出る。


階段を上り、1階へ。


会社の扉を開ける。


「ん?どうしたの?」


社長がいた。


「オソマしたのかこの野郎」


同級生が言い放つ。


ああ、そうか。


俺トイレで夢でも見てたのか?


そうだよな。


異世界なんてあるわけ……。


なくねぇよ!


俺は扉を閉め会社をあとにする。


後ろから社長たちが呼び止める声がしたけどそんなの知るか!


なんだよこれ!


異世界に呼ばれた時もひどかったけど!


これから幸せな日常を過ごしていくって時に!


そのタイミングで異世界に送るのはひどい!


ひどすぎだろ!


カレン!


あれは夢じゃない!


俺は確かにあそこにいたんだ!


絶対戻ってやる!


俺は意気込んで建物を出ると、そこには見知らぬ夫婦とカレンによく似た女の子が待ってた。


「セージ君……だね」


「あんたらは?」


「カレンの父、アルサだ」


「母のユイです」


「妹のカリンです」


「どういうことですか?」


「場所を変えましょう」


近くの喫茶店に入った俺とカレンの両親を名乗る二人、そしてカリン。


「まず、セージ君が来ることは知ってた」


「なぜ?」


「これでも運命を操る神だったからね」


「……」


「率直に言うとだ。君はカレンに会えるよ」


「え?」


「ただ、膨大な時間がかかるけどね」


「どういうことです?」


「世界は一つだ。この意味が分かるかね?」


「……」


世界が一つ。


それはつまり、異世界なんてないということ。


異世界じゃない。


未来か、もしくは過去の世界に俺は行っていたんだ。


そうだ。


菌領の菌をカレンが異世界に送ったとき、なぜ過去の同じ世界に行ったのか?


時間軸が違えば異世界になるからだと思ってた。


違う。


もとから世界は一つで、異世界なんてなかったんだ。


異世界に送るということは単に、今の時間軸とは別の時間へ送るだけの行為だったんだ。


神の言葉は万能じゃない。


言った言葉が近しいもので再現されるだけだ。


カレンが綺麗になりたいと願った時、美貌ではなく清潔の才能を授かったように。


そして膨大な時間がかかるということはつまり……。


「カレンは……遠い未来にいるんですね」


「そうだ」


「あそこは……未来のこの世界だったのか」


「その通りだ」


「カレンは……カレンは無事なんですか!?」


「無事だ」


カレンの父は教えてくれた。


先に見た運命。


俺とカレンの前に突如現れたアレク。


アレクはカレンの言葉であの時よりさらに未来に送られていた。


しかしすぐさま過去に戻ってアレクはアレク自身に会う。


そして蟲領で身を潜め、機会をうかがっていた。


カレンと俺に復讐する機会を。


「アレクが蟲領に行っていたのは……」


「未来の自分に会うためだ。そして私を含む古い神が消え、君たちが新たな神となった。古い神が張っていた結界を張りなおしてなかったのがいけなかったね。アレクは君を来た時間に飛ばし、カレンたちから神の力を奪うつもりだ」


「つもり?」


「君が止める」


「俺が?」


「そうだ」


「でも、俺、魔法も神の力も使えない……戻ることもできない。それに神の力がないってことは寿命も」


「いや、君にはまだ才能が残っている」


「え?」


「アレクは知らないんだ。君が感情の才能と不死の才能を授かったことを。だからその二つだけは取られていない」


つまり、俺は不死身なのか?


だから、膨大な時間がかかる……。


そういうことか。


「理解したか?」


「ええ。でも向こうのみんなが俺を召喚することはないんですか?」


「ないさ。その前に君が終わらせるんだ。あの瞬間。君がアレクに送られた瞬間にね。だから膨大な時間がかかるんだ」


「……」


「じゃあ私たちはこれで失礼するよ」


「え?」


「娘を……カレンをお願いします」


「お姉ちゃんをよろしくね」


3人は立ち上がると、一礼して店を去った。







それからどれくらいの時が流れただろうか。


平凡な生活を送りながら、自分の家族の最後を見届け。


何度となく滅びかけた地球で、俺はどんな状況でも死ぬことはなく。


世界を救い続け。


痛くても、つらくても、死なずに待ち続けた。


数千、数万、数億の歳月が流れ、月が二つになり、地球が太陽系を離れ。


世界の理は変わり、そして新たな生命が生まれ。


大地は次第に俺の記憶のかなたにある形に変化していくなか。


俺は待ち続けたんだ。


カレンに会える、その時を。


いつまでも、待ち続けたんだ。







「あなた!」


「邪魔者は消えた。次はお前の番だ」


「っ!才能よ消えて!」


すぐさまカレンがアレクの才能を消す。


次の瞬間。


ドゴォ!!!!ぐしゃ!


カレンの目の前にいたアレクは突如上から降ってきた何かにつぶされた。


建物のがれきが粉塵をまき散らし、視界を遮る。


「カ、カレン様!?」


「ご無事ですか!!」


イシリアたちが叫ぶ。


カレンは返事をせず、粉塵の中に見える影を見据えた。


視界が次第に晴れていく。


「……あなた?」


そこには怒りの感情を爆発させたセイジの姿があった。


禍々しいほどに黒く、邪悪な姿になったセイジが。


すぐさまカレンが神の言葉でもとに戻そうとした。


しかしセイジが振り返ると、その姿はすでに元のセイジの姿になっていた。


そしてセイジは言う。


「ただいま……カレン。ずっと……ずっと……会いたかった」


土日に風邪をひいてしまい、昨日は悪化して寝込んでおりました。

今朝早くに目覚め、遅れてたぶんを一気に書くつもりが気づいたら5話も書いてました。

そして物語も終わってました……

読んでくれた方には感謝しております。

すぐにでも次を書きたいのですが仕事も忙しくなってきたので少し充電期間をいただければとおもいます。

できればこの作品をもっとちゃんと書き直したいななんて思ってもいますが、これはこれで自分の未熟さとして残したいなととも思います。

次に書くのはいったいどんな内容にしようか。

楽しみでもあり不安でもあります。

次はもっと文章見直す時間とって誤字脱字は減らしたいところ……。


ひとまず、読んでいただきありがとうございました!

次回作もぜひ読んでいただければとおもいます。

では、しばしのお別れです。(月末までには次を出したいと思ってます!)


11/21追記

感想、評価いただきありがとうございます!

励みになります( ;∀;)


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