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第13話 神王現る

私は神を信用してなかった。


いえ、正確には信用してはいけないことを知っていた。


その理由はある女性に聞いていたから。


クリスティーナ。


彼女は私が召喚した。


それを知ったのはセージがランたちと人領の街に行ったときだ。




「ちょっと」


「え?何?」


「話があるの。未来のあなたに頼まれた」


「……どういうこと?」


「その話、私たちも聞けるの?」


「ええ。全員に伝えるように言われた」


「……話して」


「カレン。まずあなたが私を召喚した」


「え、ちょっとどういう「だまって」」


「最後まで話を聞いて」


「わかったわ」


「セイジは明日、神に殺されて死ぬ。それがきっかけでカレンは神領へいきセイジを生き返らせようと神と取引して人領、魔領、霊領を滅ぼすように言われ、今見ての通り滅ぼそうとしてる」


全員がその言葉を受け止めきれなかった。


でもクリスティーナはさらに言葉を続ける。


「でも未来のカレンはそれを信用してない。理由は私が今こうして話すから。私から話を聞いたカレンは私を召喚して今話したことを教えてくれた。それとお願いをするよう言われてる」


「お願い?」


「私に神の言葉を使って『言語の才能』を授けて」


「え……ちょっと待って!信用しちゃだめだよカレンちゃん!」


「確かに、助かりたい一心で出まかせを言ってるのかも」


「嘘じゃない。だってさっき神の言葉で嘘を付かず聞かれたことを話すように言った」


「じゃ、じゃあ」


「嘘じゃないのよね?」


「ええ」


「わかった」


神の言葉でクリスティーナに言語の才能を授ける。


「信じてくれてありがとう。それじゃあこれからいうことをよく聞いて。未来のカレンはこう言っていた。どんなことをしてもセイジを助け出してって」


クリスティーナはそういってすぐに神の言葉を発した。


「セイジに神の言葉を止められてるのはカレンだけ。でも、私には関係ない。今私が発した言葉の意味、カレンはわかるでしょ?」


「うん」




クリスティーナが言った言葉。


『セイジに不死の才能を』


これでセイジは死なない。


死んでない。


だから、今、目の前にいる神に従う必要はない。


「くそ!なんなんだお前ら!」


炎の中から助け出してくれたのはオルフェ、リョウト、ラン、カンライ、ティテナ、マリアベル、リュシカ、クスリ、レベッカ、ゴードン、ハクサン、そしてクリスティーナ。


そして一同が等しく神の言葉で言った。


『『『カレンを最強の神に』』』


神の言葉は神に効かない。


じゃあ、神になったらどうだろう?


「ふ、ふざけるな!」


神が焦っている。


実感はわかない。


でも、不思議と大丈夫な気はする。


「今度こそ、消えて」


その言葉を発すると同時に神は消えた。


それと同時に私たちの周りに無数の何者かが出現した。


「まいったねこれは」


「どうしますか……神王」


神王。


神様の中の王。


「どうもこうもない。すべて運命の通り」


「……どういうことです神王」


神王と呼ばれた男性が近づいてくる。


額から1本の角が生え、白いローブを身にまとっている。


その男性がそっと私のほほに手を添える。


不思議と、怖くはない。


むしろ安心感すらある。


「カレン……いや、アマビリア。我が娘よ」


「「「「はい!?」」」」


その場にいたすべてのものが驚いた。


「はっはっは。すべては我が娘が神王になるための運命よ。そういう運命にしたのだ」


「は……ははは!神王!これはすごい!面白い!」


「なるほど!異世界に送られた神の子がいることは知ってましたが、まさか神王の御子とは!」


「最高です!」


「……お、お父さん?」


私に父はいない。


母からは死んだと聞かされていた。


だから、父はいないと思ってた。


「そうだ……アマビリア。私が父だ」


「……」


パァン!


私は頬をたたいた。


だって、母は私を育てるのにとても苦労してた。


この人が本当に父なら、私はこの人を許せない。


パァン!


そして、もう一度。


これはセイジの分。


いまどこにいるかわからないセイジを苦しめた分。


こんな運命じゃなくてもっと平和な運命を作れたはず。


「……気はすんだかアマビリア?」


「私はアマビリアじゃない!カレン!お母さんがつけてくれた名前!」


「すまない」


父が頭を下げる、と同時に声が聞こえてきた。


聞こえるか?


何。


お前の母の、ユイのことは謝る。


苦労を掛けた。


……。


そんな私ができることが一つだけある。


何よ。


人としてユイのそばにいることだ。


どういうこと?


お前に神王を超える力を授けるよう運命を与えたのは私を人間にするためでもあったんだ。


今のお前はすべての神から力を奪い去ることができる。


お前が私から力を奪い、ユイのもとへ送ってくれないか。


それが私の望みだ。


私は……あなたは私の父なのよね?


なのに面倒ごとを全部押し付けてお母さんの所へ行きたいっていうの!?


ああ、だがお前にはもう好きな人が、そばで支えてくれる人がいるだろう?


!?


私が定めた運命にはお前が愛するにふさわしい人が現れるよう願いを込めていた。


そうやって現れたのがセイジだ。


じゃ、じゃあセイジもあなたが?


勘違いしないでくれ。


わしが願ったのはあくまでお前が愛する人だ。


セイジを選んだのはお前だ。


……。


セイジはいま、時空魔法でこの世界の始まり、虚無の空間にいる。


そこから救えるのはお前だけだ。


……。


頼む、どうか私の願いをかなえてくれ。


すべての神から力を奪い、人としての生を。


そして新たな神々はお前が選ぶといい。


「わかった」


父が頭を上げる。


そして優しく微笑みかけてくる。


『私以外の神を人に』


「な!?」


「ま、まじですか!?」


父とともに現れた神々が驚く。


『そして父とともに、私のいた時代の世界へ』


その言葉を最後に父は私の前から消えた。




あー。


なんで死んだはずなのにこうしてまだ自我があるんだ?


見ることも聞くこと喋ることもできないけど意識だけはある。


意味が分からん。


死んだらエンドレスでこうやって考え続けるだけの世界に行くのか?


うーん。


時間もわからないしずっとこうして考えてるだけだと気が狂いそうだな。


実際ついさっきまでちょっと正気を失いかけてた。


意味もなくさんま!さんま!さんまおいしいよ!って考えてたしな。


危ない危ない。


何とか正気を保ってればいつか何か起きるかも。


いや、なんも起きないかもしれないけども!?


っは!?


テンションがおかしくなってきてる。


落ち着け俺。


でも、もうなんかどうでもよくなってきたな。


うん。


よーしちょっと歌って気晴らししよう!


声でないですけど!


はは!


さーんま!さーんま!さーんまがめーいさん!おれのじーもと!


はっ!


さーんま!さーんま!さーんまうーまいーよ!


「さーんま!」


歌ってたら目の前にカレンが現れた。


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