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第11話 俺は死んじまっただ

「お前は……」


ダラナがこちらに気付いて涙をぬぐう。


なんて声をかけるべきか迷う。


女王を失ったばかりなのだ。


下手なことを言って傷つけないようにしないと。


それに……原因は俺の死だ。


やったのが未来のカレンでもきっかけが俺なら俺のせいだ。


だから女王の死も俺のせいといえる。


「ダラナ、であってるかな?急にごめん。話を聞かせてもらえるか?」


「なんの話だ」


「どんな奴が霊領を襲ってきたんだ?」


マニャの話では見知らぬ男と言っていたはず。


カレンじゃない別のだれかだ。


もしかしたら俺が殺してしまった9人の中にいるかもしれないが……。


「神だ」


「はい?」


「そいつは自分を神と名乗った……何もできずに……女王が」


歯を食いしばり、ダラナは血が出るほどこぶしを握り締めた。


聞けば男は突如女王の前に現れ、手をかざすと女王は消え去った。


その後自らを神と名乗り、消えたそうだ。


時空魔法で現れ、女王を消した……いや同じように時空魔法で移動、もしくは異世界に送った可能性もある。


死んだ、とは言えないのではないか?


「落ち着いて、実際に死んだのは見てないんだろ?じゃあまだ生きてるかも」


「どっちでも一緒さ。神が連れ去ったとしてももはやどこにいるのかもわからない。それに奴は死んだといったんだ……無事とは……とても」


あー。


また泣き出してしまった。


とりあえずそっとしてあげたほうがいいか。


聞きたいことは聞けたし。


神……。


きっとそいつが俺を……。


「カレン。帰るよ」


「え?」


「兵士さん。悪いけどマニャに伝言をお願いしていいか?」


「っは」


俺は一言だけ告げる。


なにもできずに済まなかったと。


その言葉を聞いて全員がびっくりする。


みんなは知らないが俺はもうすぐ死ぬ。


それに、俺が今ここでみんなを助けても未来のカレンがきっと……。


だからもう、何もしない。


いや、しても意味がない気がした。


呆然とたたずむみんなを置いて、俺は時空魔法を使ってカレンと移動する。


家に。


「あなた!?どうして?」


「セージ?」


召喚者組が俺に気付いて近寄ってくる。


合わせて人領や魔領、龍領のみんなも。


「みんな……」


言いたい。


自分がこれから死ぬことを。


でも、カレンには言えない。


未来のカレンに言われたから。


別に守らなくてもいいのかもしれない。


でも、決まった未来なら言わないのだろう。


げんに俺は今言えないでいる。


言ってどう変わるわけでもない。


今、俺はどんな顔をしてるんだろう。


「セージよ。何があったのじゃ?」


「オルフェ。みんなを、カレンを頼むよ」


俺はそういって時空魔法で再び移動した。


一人で。


行先は無領。


誰も俺がここに来たとは思わないだろう。


殺される、ってことは周りに誰かいたら一緒に殺されるかもしれないからね。


変なところで冷静だな俺。


俺が捕まっていた会議室。


そこに置かれたいくつもの椅子の一つに俺は座る。


「明日のいつ死ぬのかなー」


窓の外には緑の月が輝いている。


……。


怖い……超怖い。


人領も魔領も霊領も。


なんも助けられなかった。


なんもできないまま俺、死ぬのか。


あ、涙出てきた。


はは。


あはははは。


だめだ。


この気持ちをどう表現したらいいものか。


「……父さん、母さん……兄ちゃん…弟たち」


もう会うこともできなくなった家族。


どうしてるだろう。


俺、異世界で死ぬみたいです。


テレビも、ラジオもねぇこの異世界で。


はは。


笑いたくても笑えない。


「カレン……」


「……はい」


返事が返ってきて驚く。


声のしたほうを見たらカレンがいた。


「どうして……」


神の言葉で来たんだろう。


俺がここにつかまっていた時と同じように。


静寂が俺とカレンを包む。


動かない。


声も出ない。


お互い、何を言えばいいのかわからず、時間だけが過ぎていく。


緑の月が沈む。


そして、そいつはやってきた。


「おっす。おら神」


時空魔法で移動してきたであろう一人の男が俺とカレンの前に現れる。


「あんたが……」


「そう。わかってるんだろセイジ?」


「あなた、だ、誰なの?」


「頼む。カレンには手を出すな」


「……悪いね。それは約束できないなぁ。それにそんなのもう関係ないでしょ」


「え」


「だって、もう死ぬんだから」


「あ、あな……」


目の前が突然真っ暗になった。


あ、死んだのかな?


痛くなったけど。


それとも何もない異世界に飛ばされたとか?


……いや、死んだんだろうな。


自我があるのはなんでだろう。


死ぬって初めてだから全くわからん。


いや、死んだことある人間なんていないよな。


俺……死んじまった。




「あ、あなた!」


私の目の前から突然セイジが消えた。


「死んだよ」


「!!」


私はすぐさま神の言葉を使う。


『セイジを生き返らせて!』


「むだだよ」


「な、なんで……」


「本当の神が死を決めたんだ。たとえ神の言葉をもってしてもそれを覆すことはできない」


「本当の……神?」


意味が分からない。


でも、こいつが私のセイジを殺した。


だから……許さない!


『あんたなんか消えてなくなれ!』


「無駄だよ。神に神の言葉は通じない」


「そ、そんな」


「カレン。君はセイジを生き返らせたいかい?」


「え?」


「ふふ。できるよ」


「……どういうこと?」


「まず、セイジに聞いているだろうけど神領に行くんだ。そしてそこでおいらに会え」


「え?あなたに?」


「そう、おいらは未来から来ててね。だから今のおいらにこういうんだ。『やる』ってね」


「どういうこと?」


「詳しくは今のおいらに聞くんだね。実際君はそうやっておいらのもとに来た。期日は2日。安心して、君は必ずおいらの前にたどり着ける」


意味はわからない。


でも、嘘じゃない気がする。


セイジが生き返るなら私は……。


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