第3話 新たなる召喚者
取り合ず様子を見るべきか、ティテナ達と相反するカンライたちと見知らぬ女の子。
彼女が誰なのかがわからない。
みたところレベッカ同様アメリカ方面の女の子に見える。
この世界の人とは少々違う。
召喚者か?
何か話してるな。
ばれないように近づこう。
「そんなことのために!?」
「ふざけるなよクソガキ!」
「なーにー?私が何をどうしようと勝手でしょ?あなたたちに私を止める権利なんてあるとは思えないんですけど?」
あ、だめだ。
話が途中すぎて全く意味が分からん。
どうしよう……。
ルノーレス商会の倉庫に入る。
中には100名あまりの兵士やならず者、商会の人間がいた。
今のところばれてない。
「今日はいよいよカンライ様とラン様より総帥の紹介があるらしいぞ」
「いよいよか。待ちに待ったぜ」
「総帥様がお姿を見せるということはいよいよか?」
「だな、これで世界は俺らのものだ」
どういうこと?
世界征服を狙ってる?
総帥っていったい……。
「来たぞ!」
倉庫の入り口から3人のフードを被った人物が入ってくる。
倉庫中央に立った3人。
二人がフードを取る。
(ランちゃん!?)
カンライは想定していた。
でももう一人がランちゃんだなんて。
一体どういうことなの?
ランちゃんはどういうつもりなの?
「これより、われらが総帥であるクリステーナ様のお言葉を聞かせる。皆の者よく聞け」
クリスティーナ?
何者なの?
フードを脱ぐと現れたのは女の子。
金色の髪に青い瞳。
レベッカと同じ国の子?
そうなると召喚者?
ふっと思い出す。
そうだ、この世界に来た召喚者を瞬時に発見できる才能を持っていた人物。
今はカレンちゃんに異世界送りにされた双子の兄妹たち。
兄のベニートが『発見の才能』を持っており、異世界から来た人物を瞬時に発見。
妹のカーラが『鑑定の才能』を持っており、その人物の才能を鑑定していた。
しかし今この二人はいないんだ。
この世界に新たに召喚者が来ても誰も気づくことができない。
クリスティーナが本当に召喚者かはともかく、召喚者だったとしても知るすべがない。
まずい。
本当に召喚者なら何か危険な才能を持っているのかも。
ランちゃんたちもそれで……。
「私はクリスティーナです!皆さんにはこの世界を手中に収めるべく準備をしてきてもらいました!私の力があれば必ずや世界は私たちのものになります!さあ!今こそ革命のときです!」
「「「うぉ!うぉ!うぉ!」」」
すさまじい歓声。
きっと外にも聞こえている。
「行くわよ!まずはこの街を手中に収めるわよ!」
全員が武装する。
まずい、このまま街を襲う気だ。
どうする!?
魔物に変化してここにいる連中を止める?
いや、戦力がわからない上にカンライとランちゃん相手では危険だ。
とくにランちゃんの才能ではどんな行動も失敗する。
いや、失敗へと導かれる。
だめ。
カンライはともかくランちゃんが敵になってるのは不利すぎる。
一度戻るべき。
でもそれだと街が……。
カレンちゃんに助けを、いえ、これは私たちの問題。
巻き込むわけにはいかない。
なら、やることは一つ。
あのクリスティーナという女を倒す。
変わるのは私が知ってる中で一番強い生き物。
龍だ。
「う……うう……」
「なんだ、おい、どうした?」
「うぁああヴァァアアアア!!!」
龍に変化する。
変化中の私は無防備だけど、たいていの人間は驚きのあまり何もできない。
行ける。
「ドラゴン!?なんでこんなところに!?」
「みんな構えろ!」
「うわあああああ!」
変化を終え、すかさず炎を吐く。
まずはけん制しなければいけない。
魔法を使えるものもいるかもしれない。
自身の周りの魔素、時素を遠ざけるイメージをする。
「く、魔法が効かない!」
「どうする!?」
しばらくはこれでいい。
時間を稼ぐ。
さっきの炎で外のみんなが気づくはずだ。
「どきなさい!ラン!あの龍を倒す作戦を!カンライは魔法を試し続けなさい!」
やっかいだ。
やはり召喚者。
魔法をかけ続ければこちらの動きが止められることを知っている。
イメージを保ちつづけなけばれ。
みんな早く!
「ティテナ!無事ですの!?」
「大丈夫か!?ってラン!?」
「なんだ、どうなってる!?」
みんなが来てくれた!
「守って!変化を解く!」
「わかりました!」
クスリたちが私を守ってくれてる最中に元に戻る。
「ここは危険だ!一回外に出るぞ!」
みんなで外に出る。
あとを追うようにクリスティーナたちも外へ出てきた。
「ティテナ!説明をしてくれ!どうしてランも一緒なんだ!?」
「全部あの後ろにいるクリスティーナって子が原因!召喚者かもしれない!気を付けて!」
燃える倉庫を背に立つ3人。
「目的は何ですの!?」
「目的?簡単!この世界を私のものにするためよ!」
「世界を手に入れてどうするきだ!」
「どうする?別にどうもしないわ!私はただ一番じゃないと気が済まないの。私には一番になるための才能がある。だからこの世界で一番になるだけよ」
「そんなことのために!?」
「ふざけるなよクソガキ!」
「なーにー?私が何をどうしようと勝手でしょ?あなたたちに私を止める権利なんてあるとは思えないんですけど?」
召喚者として典型的な危険者。
力を得たことで自分を特別な存在だと勘違いしてる。
「だったら、私たちがここであなたを止めるのも自由ね!」
「クスリ、レベッカ!援護!ハクサン!行くぞ!」
「おう!」
ランちゃん!
絶対助けてあげる!




