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第1話 あれから2週間たった

目が覚めると一人暮らしの家で、寝起きと共にパソコンを起動する。


運用しているゲームのサーバをチェックし、出勤の準備。


シャワーを浴びて歯を磨く。


それから一服して家をでる。


徒歩15分の場所にある会社へ向かう。


道中では幼稚園の子供たちの散歩をよく見かける。


2~4人のカートに乗せられた幼い子供たちはドナドナされてるようでちょっと面白い。


会社近くの公園では毎朝ラジオ体操に励む高齢者がいる。


最近は軽いメタボディが気になって参加しようか迷う。


きっと続かないなと思いつつ会社に到着し、会社の扉を開ける。


「おはようございます!」


元気に挨拶をしながら目覚めた。


「お、おはよう……あなた」


カレンが目を丸くして起き上がる。


「ごめん……寝ぼけてた」


「どんな夢を見てたんですかセージ様?」


マリアスも目を覚ましたのかきょとんとしてこちらを見ている。


本当にごめん。


レイシェンの姿が見えない。


しかし股間に違和感を感じる。


「何してんだこら」


布団に腕を突っ込みレイシェンの頭を鷲掴みにして引き出す。


「いたたたた!い、いい枕があるなーと思いましてててて!」


馬鹿野郎!枕じゃない!


それは私のおいなりさんだ!


指先に力をさらに込める。


「ああぁん!ごめんなさい!ごめんさいいぃいい!」


ふっと力を緩め、布団を出る。


異世界に来て2週間が経つ。


最近はこの世界の生活にも慣れてきたと思ってたんだが、元の世界の夢を見るとは。


しかも仕事に行く夢とかどれだけ社畜精神旺盛なんだ。


はぁ、とため息が漏れる。


「あなた、大丈夫?」


「ああ、大丈夫だよ。ありがとうカレン」


カレンに微笑む。


初めの頃はいろいろあったが、菌領の一件後は落ち着いた生活を送れている。


マニャとマンスが定期的に訪れ食料を受け取って帰る。


飢饉の原因になった菌についてはやはりマンス側の魔領でも同様で、対応策として焼畑を教えた。


燃やして菌を殺すことが一番だと思ったからだ。


また焼畑は土中の栄養素を改良になると小学校の頃習った覚えがあったのでそう教えた。


これで来年は作物が育てばいいなと思っている。


オルフェとリョウトは現在、北にある蟲領を探索中だ。


中大陸とはいえ菌領よりも大きくそのほとんどが森におおわれていて全容を把握できていないらしい。


朝に出かけて夜に帰還し、今のところ3日に1度のペースで情報を教えてくれている。


気になる情報は今のところないが、蟲領の生き物は基本昆虫だそうだ。


その昆虫をアレクが無領に連れていた理由はいまだ不明だ。


この間遊びに来たユウジに聞いてみたが。


「アレクが蟲領の昆虫を!?俺は何も聞いてないぞ」


と、何も知らないようだ。


ユウジは人領に移り住んでから2度遊びに来た。


1度目はマニャに連れられて人領での暮らしぶりを教えてくれた。


また、ティテナをはじめとした召喚者組に改めて謝罪をし、ティテナたちもそれをみて謝罪をしていた。


最初はどうなるかと思ったが仲良くやっていけそうで安心している。


まあもともと1000年以上一緒に生活していたのだから問題なんてなかったのかもしれない。


1000年のうちの数日の喧嘩なんて本当に一瞬みたいなもんだ。


いや、でも拷問してたのは忘れられそうにないな。


……まあいい。


それ以外についてだが、基本的に何もない場合、俺はカレンと魔法の練習をするかイシリアたちに新しい調理方法を教えていた。


カレンには神の言葉をなるべく使わないように時空魔法も教え、移動はそちらをメインに使うようにしている。


イシリアたちには蒸す以外に干すや燻すを教えた。


干すはともかく燻すに適した木材があるか不明だったが、燃やした際に香りがいいポルポロの木というのを教えてもらいそれで肉の燻製を作ってみた。


もちろんうまかった。


最初、干すや燻すは保存にかかわることだから氷魔法を使う人たちの仕事が減らないかと心配になったが、万年人手不足らしいので教えた。


フェミが凍らせる手間が省けて助かると言っていたので良かったのだろう。


ここ2週間はそんな感じで過ごしてた。


「おはようございますセージ様。朝食の用意ができておりますよ」


「おはようイシリアさん。今日の朝ごはんはなに?」


「燻した肉と野菜のスープになります。セージ様が調理方法を教えてくださってから料理が楽しくなりましたよ」


そういって微笑むイシリアさん。


相変わらずの癒し効果だ。


なごむわ~。


ラナナがスープを運んできてくれたのでお礼を言いながら受け取る。


「そうだ。ラナナたちってマニャの世話役だったよね?いつまでも俺の世話役してていいの?最初の頃に代わりを連れてくるって言ってたような……」


「それにつきましてはお断りしました」


「え、断ったって……王様の世話断ったの?」


「はい。王様のお世話よりもセージ様のお世話を優先するほうが人領にとっても有益となりますので。あとは私たち自身セージ様のお世話をしたいと思って残らせていただきました」


「そ、そうなんだ。でも有益って特に何か利益になるようなことってあったかな?」


「あります!調理方法を教えていただけるのは何より有益ですし、この間の干すといった保存法につきましても誰でもできる方法として非常に有益です。妹のフェミもセージ様に魔法のことを教えてもらってうれしいと申してました」


そういえばフェミにも魔法を少し教えたんだっけか。


フェミは高位に当たる氷魔法を使えるから他も教えれば使えるだろうと思い教えたんだった。


物覚えがいいからに二、三日で雷と岩を覚えてたな。


「それならいいけど、俺のために無理に残ったりしなくていいからね。家族とかもいるだろうし」


「いえ、私たちは捨て子ですので家族は……」


地雷踏んだわ。


ラナナが悲しそうな表情になる。


「ごめん、悲しまないで」


感情を少し操作して悲しみを抑える。


「はい、ご安心ください。今ではイシリア様が私たちの母親代わりですので」


「そうか、ならよかった」


イシリアが母親代わりならきっと家族がいなくても幸せだろう。


そう信じよう。


じゃないと俺が悲しくなる。


「セージ様、少々よろしいでしょうか?」


「ん?どうしたのスカルファス」


スカルファスはここでやってくる人領と定期的に交渉事を進めている。


人領に出向いたときにも話した軍事関係から、交易に伴う商売関係などだ。


「人領の方で一部王国に反した軍事行動を起こしているものがいるそうです」


「物騒だね」


「ええ、その集団がどうやら近隣の街に潜んでいるそうで、以前行ったガドランという街を覚えておりますか?」


「覚えてるよ、あそこにその集団がいるの?」


「そういった情報が入ってきました」


ふむ。


危険な集団が近くにいるのはちょっと怖いな。


なんかの拍子でここに来られたら迷惑だ。


マニャに相談すべきかな。


「それで、セージ様に折り入ってお願いがございます」


「ん?俺に?」


「はい、マンス様より文書でも来ていたのですが、どうやらその集団に魔領のものが捕らえられているようなのです。それで救出を依頼したいと」


「え、救出?なんでまた俺に?」


「……非常に申し上げにくいのですが、その集団の中に召喚者がいるそうなのです」


「は!?召喚者!?」


「ええ、召喚者は異世界の知識を持っているうえ、情報によると特殊な才能で人々を隷属させているようなのです。魔領のものでも太刀打ちできるかが怪しいためセージ様とカレン様に協力をお願いできないかと」


「横からごめん、ちょっとその話詳しく聞かせて頂戴」


朝食を食べていたティテナが真面目な顔で言ってきた。


「召喚者は一人?それとも二人?」


「はい、聞いてる限りでは一人と聞いています」


「それは男?それとも女?」


「男だそうです」


「……名前はわかる?」


「名前はカンライと呼ばれているようです」


「………ゴードン!ハクサン!みんな今すぐ来て!」


ティテナの叫びでみんなが慌てて集まる。


カンライ。


それは以前ランのために異世界から呼び戻した秦国の男性だ。


ランと共に旅に出たのが1週間とちょっと前。


最初は世界を統一するなんて言ってたがその後説得により改心。


したと思ったんだが……どういうことだ。


「なんだ?どうしたんだ?」


「カンライが人領で人々を隷属させてるって」


「なんですって?確かにカンライの才能は隷属の才能だったはずですけど何かの間違いでは?ランも一緒にいるのでしょう?」


「ランちゃんはいないみたい」


「何がどうなってんだ?」


向こうも俺も混乱している。


なぜあのカンライが人々を隷属させ魔領のものを捕えてるんだ?


何かの誤解なのか、それともまた世界を統一する気になってしまったのか。


ランの行方も気になる。


どうしたものか。


「セージ。悪いけど私たちが行って確かめてくる」


「え、いや危険じゃないか?隷属の才能ってのがあるんだろ?みんなも隷属されるんじゃ?」


「大丈夫。隷属の才能は『従う』と言わない限り発動しない」


「ネタがわかってるので私たちには意味がありません」


「それでも隷属されてる人たちに襲われる可能性もあるんじゃ?みんなもう不死身じゃないんだし」


カレンが召喚者組の不死の才能は全部取っている。


そのためティテナたちは前と違って不死身ではない。


睡眠も食事も必要になったし病気になる可能性もある。


何より死ぬ体に戻ったんだ。


万が一があると怖い。


「私たちには私たちの生誕才能があるからそんな簡単にやられない」


「そうだぜ、それにセージ。これは俺らの問題だ。ランは大切な仲間だしな」


そういって召喚者組は準備をすると言ってテントに戻っていく。


俺らの問題……か。


少し寂しく感じながらも、俺はこの件をティテナたちに任せることにした。

グリフィンドールに50ポインツ!FOOO!

0ポイントから始まり2週間で50ポイント!

ブックマークや評価のたびに感謝の気持ちが止まりません!

結果テンション上がって本日2度目の投稿です。本当にありがとうございます!

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