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第20話 心の救済

改めて考える。


俺やカレンが召喚された理由は、魔領と人領の食糧飢饉が原因だ。


じゃあなんで飢饉が起きたのかというと、ユウジが俺に復讐するためだ。


なんの復讐かというと、ユウジが俺を神領へ招いたが拒絶。


異世界送りにされるところを逆にユウジ自身を異世界に送ったから(オルフェがだけど)だ。


つまり俺が召喚されなきゃ俺が召喚される原因は生まれなかったわけで。


俺が召喚されたのは俺の召喚自体が原因で……いやもうわかんねぇよ!


エンドレスループだよ!


どうすればいいんだこれ……。


誰か偉い人教えて。


偉い人となるとオルフェやマニャやマンスか。


オルフェはともかくマニャとマンスは忙しいだろうし、オルフェはどうせリョウトといちゃついてるだろう。


誰に聞くか……。


やっぱユウジに聞くべきか。


時空魔法にも詳しかったし、ユウジがなぜ時空魔法に失敗したかも説明しなきゃならないな。


よし、そうしよう。


カビまみれになってるユウジはそのままにして明日に戻ってユウジに会いに行くか。


「カレン、今から明日に戻って今度は明日のユウジに会いに行くよ」


「は、はい!」


菌を2年前に飛ばしてしまったことを悔いているのか、カレンは複雑そうな顔をしているがその件はあとだ。


まずは時空魔法で明日へ移動する。


これで往復2日の移動だから2日分歳を取ったわけだけど、2日分ならまあ問題ないだろう。


「菌にまみれたユウジの姿も見えないし戻ってこれたみたいだね。カレン、悪いけどユウジのところに移動してもらっていいかい?」

「はい」


カレンが神の言葉を発し、景色が一瞬で変わる。


「え、あれ?セイジ?今そこで消えたように見えたけど……時空魔法で俺の前に移動したのか?」


どうやら俺がちょうど菌領へ行った直後のようだな。


「ユウジ、菌領へ行ってきたよ。時空魔法が失敗した原因が分かった」


「え?じゃあ過去へ行って戻ってきたのか」


「ああ、それでなんだけど……」


ユウジに見てきたままを喋る。


ユウジは俺の話を聞き終わると深いため息をついた。


「セイジ。これはもうそうなるようになっているんだと思うしかないな」


「どういうこと?」


「つまりセイジがこの世界に召喚された原因は、セイジが召喚されたことなわけだ。それを無理やり捻じ曲げたら今ここにいるセイジの損存在は捻じ曲がる。例えばカレンの神の言葉で菌をなかったことになんてしてみろ。菌が無ければ飢饉は起きず、戦争も起きないということは召喚もされない。セイジはこの世界に召喚される理由を失うわけだ。もしそうなれば最悪今のセイジは消滅するぞ」


「しょ、消滅だなんて大げさな。せいぜい記憶から消えて召喚前からやり直しとかじゃ?」


「いや、記憶が消えてやり直しなんてない。時間移動について説明した時にも話したが、すべてはあらかじめ組み込まれた流れを持ってる。それを覆したら何が起きるかわからん。いや、それを覆そうとすること自体も組み込まれているはずだ。だから過去も未来も変えることはできない。俺がいろいろ試して確かめた確かな事実だ」


過去を変えようとしたことも何もかもがすべて組み込まれた流れ……。


だとしたらこれから起きるこもと過去に起こったことも必然というわけか。


一瞬カレンに菌を消してと頼もうかと思ったが下手に頼まないほうがいいな。


そもそも、カレンの神の言葉も危険が多い。


「異世界へ」という言葉でさえ、どこの世界なのか、どの時間なのか、どの場所なのかという不測の要素が発生する。


菌が2年前に行ったのはカレンの本意ではない。


今まで気軽に神の言葉に頼ってきたけどこれからは使わせないようにするべきだろう。


極端な話だが、世界が天変地異で崩壊の危機に陥ってるときに「世界を救って」といった場合、普通は天変地異が収まるのを想像するだろう。


でも世界にとっての救いが天変地異で一度崩壊することだった場合、その言葉を発した瞬間崩壊することになる。


「火を消して」なんて言ったらこの世から火という存在そのものが消えるかもしれない。


カレンの能力はなんでもできるチートだと思ってたが、思ってる以上に制御が難しい能力だな。


このことはカレンにもきちんと話さないとだめだろう。


というわけで早速カレンに話す。


「わかった?」


「はい。これからはあなたの言ったとおりの言葉以外は言わないようにする」


「いや、俺の言った通りじゃなくてもいいんだけど……まあ何かあると怖いからよほどのことがない限りは使わないようにしようか」

素直にうなずくカレン。


でもまあ、油断はできないな。


なにせ神の言葉覚えていきなり子供ほしいなんて願い言っちゃうんだから。


気を付けよう……。


「なんにしてもユウジ。改めてごめん。なんだかんだ俺が原因だったみたいで」


「いや、いいさ。そういう因果だったんだ。セイジが召喚されたのも、俺が異世界に飛ばされたのも全部巡り巡ってるんだ」


「そうみたいだな」


俺が召喚されたのも、戦争に巻き込まれそうになったのも、飢饉が発生したのも、突如神領からユウジがやってきたのも、何もかもが全部必要なことだったんだろう。


これが運命ってやつか。


なにか巨大な川の流れのようなものを感じるよ。


この先にもこういった運命が待っているのかもしれないな。


「それじゃあユウジ、俺とカレンは家に戻るよ」


「ああ、またな」


「おっとそうだ。マニャにもさよならを言い忘れてたんだ。どこに行ったか分かる?」


「ん?さっきまでそこにいたはずだけど」


ユウジが振り返るがマニャは見当たらない。


近くにいた兵士に聞いたら商人たちのところへ行ったそうだ。


きっとまだ食料関連の話が残っていたのかもしれない。


「邪魔しちゃ悪いし今回はいいか。よろしく言っておいて」


「わかった」


「じゃあ今度こそ帰るよ。カレンいこうか」


俺はユウジに手を振り、カレンの神の言葉ではなく時空魔法を使う。


一瞬で景色が変わり、家に戻った。


昨日へのタイムスリップもあり、久しぶりに感じる。


「ただいま」


家の前の焚火には全員集まっていた。


もう日も沈むし夕食の準備をしている。


「おう、戻ったか。してユウジはどうなった?」


「人領の王のマニャに任せてきたよ」


「そうか。悪さしなければいいんだがな」


「安心しなよハクサン。割り切れないところはあるかもしれないけど俺とユウジはもう友達だよ」


「友達…ですか。正直信じがたいですわね。でも、わたくしはセージさんを信じますわ」


「ユウジは信じれないけど、セージは信じれる」


「そう言ってもらえると嬉しいよマリアベル。クスリも」


「私もだよセージ!ランちゃんが好きになるくらいだからね!わたしも同じくらいセージが好きだよ!」


「セージさんはいい人ですからね。私も同感です」


ティテナとレベッカもありがとう。


でも発言に注意しないとカレンが見てるからな。


好きの意味が友達としてって言おうね。


友達としてだよね?


「俺もセージは信用してるぜ」


「私もセージさんは信用してます」


ゴードンとリュシカもね。


てか何この流れ。


最終回か何か?


いや、俺の人生勝手に終わらせないでね。


「とりあえずユウジは大丈夫だから安心して任せて。それから拷問とかはもうやんないでねホント」


まじであんな拷問はもうしないでほしい。


「セージ様。おかえりなさいませ。お食事の用意ができましたよ」


イシリアの笑顔はホント落ち着くなぁ。


ばあちゃん家にいるみたいだ。


いや、失礼だな。


昨日のタイムスリップでだいぶおなかも空いてるからいっぱい食べよう。


カレンと一緒に焚火の前に座る。


ラナナとフェミが食事を持ってきてくれた。


今日は蒸し野菜と焼いた肉だ。


さっそく蒸し料理を作ってくれたんだな。


ゆっくりと食事をとりながら、俺はこの場にいるメンバーに今日人領で起きたことと菌領での件を話した。


人領と魔領の飢饉の原因が俺であったことや、それをきっかけに戦争が発端し俺が召喚されたこと。


そしてユウジが菌領で行おうとしてたことを俺とカレンが過去に戻り止め、それが飢饉につながると。


皆一様に驚いた。


しかし。


「セージ様に責任はございません。悪意があったわけではないし、始まりはどうであれセイジ様はここにいる皆様をお救いになったのでしょう?神領の方たちは菌に襲われる危険を、私たち人領と魔領は飢饉から救ってもらっています。たとえその原因にセージ様が絡んでいてもセージ様に責任はないと私は思いますよ」


「そうです。セージ様に問題はありません。問題があるなら運命です」


イシリア、マリアス……ありがとう。


「セージ様。悪いと思っているのであれば、今晩は期待してます」


「レイシェン、空気を読みなさい」


うん、レイシェンは黙ろうか。


スカルファスはナイスフォロー。


「なんにしても俺が関わったのは確かだから、飢饉の問題は責任をもって解決するよ」


「私もです。……あなた一人の問題じゃないです……菌を2年前に送ったのは私だから……ごめんなさい」


「カレン様。顔をあげてくださいまし。誰のせいでもありませんよ。だってセージ様もカレン様もこんなにお優しいのですから」


イシリアの言葉でカレンがぽろぽろと涙をこぼす。


俺もちょっと泣きそう。


「ありがとうイシリアさん。本当にありがとう」


「おやおや、セージ様もよくお泣きになりますね」


イシリアの腕に包まれながらちょっと泣いた。


その後、俺はカレンと……あとマリアスとレイシェンもだけど……家に戻って寝た。


この世界ではまだたったの4日間だったけど本当に毎日がイベントだらけだ。


明日も何か起きるのかもしれない。


でもきっと大丈夫だろう。


ここにいるみんなと一緒なら。


そう思える夜だった。


昨日投稿ご、一気にブックマークしていただきとうとう二桁に!

本当にありがとうございます!

最終回?まさか!

このまま疾走フラグたつ流れに見えますが余裕で続き書いていきますよ。

次回からは新編に突入します。

マグロ……じゃなかった異世界送り!ご期待ください!

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