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第19話 昨日へタイムスリップした

けが人の治療、街の復旧を終えた。


幸い死者はおらず、数名の重傷者が出たがカレンが治療し、残りの軽傷者を俺とユウジで対応した。


「セージ。本当に助かった」


「いや、元は俺の食料として持ってきてもらったものが原因だから気にしないで。むしろごめん」


「いや、お主に非はあるまい。オルフェ様もおぬしの食事のためということで他意はなかったのであろう。単なる事故じゃ」


まあ誰も悪意があってしたことじゃないのは確かだ。


でもそれで霊領に迷惑をかけたのは事実だからもう後日ちゃんと謝ったほうがよさそうだな。


霊領がどんなところかも見たいし今度行ってみよう。


「そうだ、マニャ。お願いがあるんだけど」


「ん?なんじゃ、申してみよ」


「ユウジ、来てくれ」


けが人を見ていたユウジがこっちに来る。


「紹介する。こちらはマニャ王。人領を治める王だ。こっちはユウジ、俺の友達だ」


友達という発言にユウジが驚いてる。


まあ他人ですと紹介するのも変だし、知人ですというのもこれからするお願いの上ではちょっと変かなと思った。


「ユウジを人領に住まわせてほしいんだ。できればしばらくは面倒も見てあげてほしい。家の用意とか」


「うぬ。セージの頼みなら問題はない。手配しよう」


「あ、ありがとうございます」


ユウジが深々と頭を下げる。


「セイジもありがとう。正直、住む許可だけを得て家とかはしばらくないものだと思ってた」


「さすがにそんな投げっぱなしにはしないよ。少なくても俺はユウジに何の恨みもない。菌領や時空魔法について教えてくれたしね。それに根っからの悪人という感じもユウジからはしないしね」


「セイジ……」


「まあ、今言った通りこれからは友達として仲良くしていこう。何かあれば言ってほしい。家にも気軽に遊びに来てよ」


「ああ、本当にありがとう」


ユウジと握手を交わし、あとはマニャに任せる。


「カレン、お疲れ様。後はマニャたちがやると思うから俺たちは帰ろう」


「はい」


「あ、ちょっと待って」


このまままっすぐ帰ってもいいが、ついでだから菌領でのユウジの件を調べてから帰ったほうがいいだろう。


オルフェに送ってもらうべきだったが先に帰しちゃったしな。


カレンに頼むしかない。


「疲れてるところごめんねカレン。菌領でユウジが倒れていた場所に連れて行ってほしいんだ」


「菌領?何かあるの?」


「ああ、ちょっとね」


「……わかった」


俺がマニャたちにさよならの挨拶をしようとした時、カレンが神の言葉を発する。


先に挨拶を済ませておけばよかった……まあいいか。


一瞬で風景が変わる。


遠く巨大なよくわからないけど毒々しい植物っぽいものがたくさん生えてる。


色合いは全体的に白っぽかった。


しかし俺とカレンの周り1キロほどの範囲には菌らしきものがなく、黒土だけだった。


ユウジが見つかった場所で間違いないだろう。


カレンが神の言葉で何かを出した。


「あなた、これ」


「ん…ガスマスク?」


どう見てもガスマスクだ。


口回りだけのものだが助かる。


ちょっとかび臭いしね。


「ありがとう」


ガスマスクをつけた俺はカレンと一緒に中心の外へ歩き出す。


「どこ行くの?」


「ユウジがいた場所から見えない安全そうな場所にちょっと移動する」


しばらく歩いて菌の生えてる範囲に到着。


すぐ近くの巨大なキノコみたいなものの陰に入る。


「ここでいいか。カレン。今から時空魔法で昨日に戻る。カレンも一緒に来てほしいんだどいい?」


「はい。でもなんで昨日へ?」


「ユウジが時空魔法を使って菌を俺たちに送ろうとしたろ?そのことが失敗した原因を調べるんだ。それがわかれば人領に菌が繁殖した理由がわかるかもしれないからね」


「わかった」


俺は時空魔法で早速イメージをする。


初めて使うからうまくいくかわからないけど、成功することを祈ろう。


………。


辺りが明るくなったな。


成功したのか?


陰からでてさっきまでいた黒土のあたりを見てみる。


がっつり菌が生えてた。


もう中心どこかわからんなこれ。


「成功したみたいだ。しばらくユウジが現れるまでこのまま待つよ」


「はい、あなた」


待つこと数時間、一向にくる気配がない。


ユウジに時間帯を聞いておけばよかった。


時間を戻る前は日が沈みかけた夜間近だった。


今の時間帯は朝だが俺もカレンも眠かった。


「カレン、疲れてるなら寝てていいよ」


「……起きてる」


「無理しないで」


カレンが神の言葉を発する。


眠気がなくなったわ。


なんでもありだなほんと。


「これで大丈夫」


「ありがとう。それにしても全然現れないな」


「はい」


さらに待つこと数時間。


日が完全に上り切ったころ、やっと変化が起きた。


風が突如巻き起こり、黒土があったあたりに向かい始める。


「来たか、カレン。決して何かしたりしちゃだめだよ」


「はい」


陰から覗き様子を見る。


菌が上空に集まり、その下にユウジが見える。


すごい形相だなおい。


よっぽど恨んでたんだな……。


それにしても、周りに誰かいる気配はないな。


どこか遠くから見てるとかか?


黒土が見えはじめ、過去に戻る前と同様の景色に少しずつなる。


「あなた……このまま見てるの?」


「ああ」


ひとまず様子を見るしかない。


何か起こるならこの後だ。


ユウジの周りからすっかり菌がなくなり、頭上に膨大な量の菌の球が出来上がっていた。


まずくない?


いや、ユウジの言う通りなら何かが起きて必ず失敗するはずだ。


しかしそれらしい気配はない。


「あっはっはっはっは!あいつら全員ぶっ殺してやる!はーっはっはっはっは!」


あんな誰もいないのに叫ぶやつ本当にいるんだな……。


痛々しいわー。


いや、そんな場合じゃないな。


全く何も起こる気配がないぞ。


「カレン!神の言葉で周りに誰かいないか確認できる?」


カレンが神の言葉を発する。


「誰もいないよ」


「そうか……」


だとすると、考えられるのは菌を送ろうとした瞬間に現れるか、それともユウジ自身による失敗だ。


でもユウジは時空魔法をさんざん使ってきたんだよな?


失敗するとは考えにくい。


だとしたら菌を送る瞬間に何かが起きるってことか。


いや……。


まだあるな。


「俺かカレンがあれを止めるのか?」


「え?」


「……可能性はあるな。ユウジは魔法がなぜか失敗したと言っていた。ユウジ自身の失敗の可能性も捨てきれないけど、誰かが妨害した可能性が高い。だとしたら誰が妨害したのか?ここにいるのは今、俺とカレンだけだ。自然に考えれば俺かカレンがあれを妨害したんじゃないのか?」


「じゃあ私がやります」


「え?」


「あれを消せばいいんですよね?じゃあ簡単です」


「ちょっ、ちょっとま……」


カレンが神の言葉を発する。


慌ててユウジのほうを見るとそこに菌の球はなく、ユウジが立っていた場所には白いモフモフしたのが転がってる。


ユウジは菌に包まれたようだ。


「カレン……神の言葉でなんていったんだ?」


「あの菌を異世界へ、と」


なぜ異世界へなんだ……。


普通に消えろでよかったんじゃ?


異世界ってどこに飛ばされたんだ?


「カレン、飛ばされた菌はどこに行ったのかわかる?」


カレンが再び神の言葉を発する。


「……」


「どうした?」


「2年前のこの世界……人領と魔領のある大陸上空に飛んだみたいです…」


うわぁ……。


時間軸が違えば同じ世界でも異世界扱いなのか。


え、じゃあ何?


飢饉の原因は俺ら?


俺らのせいで飢饉が起きて、戦争が起こって召喚されたってこと?


この世界に召喚されたのって自業自得?


まじかよ……。


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