第13話 高位魔法と再会
昼食を終えた俺は草原に立っていた。
魔法の練習をするためだ。
前回は基礎魔法を覚えたので今度は高位魔法を覚える。
高位魔法は炎、氷、雷、岩、無、生、死の7つ。
まずは炎だがまあこれは簡単だった。
火と風の応用だ。
燃える火魔法に風と魔素を送り込み大きな炎と化す。
もちろん草原は燃やさないように配慮してる。
次に氷魔法。
これは水分を急速に冷やす必要がある。
科学的には水分の中の熱を奪うということになる。
イメージをふくらまし、小さな氷を生成しそこに魔素を与えて一気に氷を増やす。
成功だ。
雷魔法は風と水と火を操る。
簡単に言えば温度差の違う雲内ではプラスとマイナスの……いややめよう。
科学的発想は結局意味がないことが多い。
おとなしく静電気をイメージしつつ魔素を与えて電力を増加。
目の前で放電現象が発生する。
よしよし。
岩魔法は土と違い鉱石を瞬時に生成する。
まあイメージは土の一部鉱石を増やすというのが正しいだろう。
この世界の住人は土中の鉱石なんて物が何かわからないので岩というざっくり概念の魔法を使う。
俺としてはピンポイントで選んだ鉱石を増やしてみようと思い、鉄の塊を生成してみた。
また土中に含まれているマグネシウムなんかも増やしてみる。
これも無事成功。
「すさまじいなセージ。本当に今日初めて使ったのか?」
「ああ。本当に初めてだよ」
マンスが驚いてるがまあ元の世界の知識を持っていればイメージはしやすい。
さて、次は元の世界の知識を持っていてもよくわからないのだが無ってなんだ。
「マンス。無魔法ってのはどういうものなんだ?」
「無魔法か。我は使えぬがその魔法を使えばだれの目にも見えなくなるらしい」
見えなくなる…。
光と闇魔法の発展だから光学迷彩的なものだろうか?
そうなると背後からくる光を特定の方向に丸っと返すイメージだろうか。
影のある部分も光の量を増やして消さないとだな。
イメージ、そして実践。
「おお!?」
マンスが驚いてるってことは成功したんだろう。
魔法を解く。
生命の書を開いて確認したらちゃんと無魔法と先ほどまで練習していた炎、氷、岩、雷魔法も増えていた。
あとは生と死魔法だ。
この二つも基本は聖素に対してお願いすることになるだろうが、オルフェに教えてもらった話じゃ未来の分の聖素を操るんだよな?
時間を操る必要があるが時間を操るってどうやるんだ?
そういえばレベッカさんが神領から来て俺を連れていく際、オルフェに時素を操るなとか言ってたっけ。
聞いてみるか。
神領女性陣はカレンと話をしていた。
「レベッカさん。ちょっといいかな?」
「え、なんでしょう?」
「まさかセージ!カレンちゃんや魔領の女の子だけじゃ飽き足らずレベッカちゃんまで!?」
「節操なし……」
「え……あなた?……」
いや、魔法について聞きたいだけだから。
話をややこしくするなティテナ。
生魔法と死魔法について聞きたいだけだと説明した。
結果、全員で草原に行き練習することに。
「この世界には時素というのが魔素同様に満ちています。時素は常にすべての元素や魔素に触れ、時間を進めていると考えられています。基本的に時素は常に一定なのですが集合させることで時間の流れを早めたり、逆に分散させることで遅くすることができます」
「なるほど、空気中に一定量常にある時間を進めるなにかが時素か。じゃあ常に時素を遠ざけつつけてれば年をとったりしないのかな?」
「そうなりますが常に時素を遠ざけ続けるイメージをするのは無理じゃないかと」
確かにそうだな。
「しかし今の考えは正解です。生魔法は自身の聖素の生産性を高めるためわざと時素を自分に集めて聖素を作り、その聖素を他者に分けるのが生魔法です。死魔法は単純に他者に時素をぶつける魔法です。単なる嫌がらせみたいなものです」
そういうことか。
自分の肉体の進む時間を早めてまで生魔法は覚えたくないな。
死魔法であれば命を削らずに使えそうだ。
「命のあるものなら生魔法も死魔法もつかえるんだよね?それは植物もそれに含まれる?」
「ええ。植物も含まれます」
早速試す。
空気中に満ちる時素をイメージし、草原の一部に集中。
みるみる草原の草は育って、そして枯れる。
成功だな。
ふと思ったが時素を集合させるとそこの時間が経過するなら食品の発酵や乾燥も早められそうだな。
「お上手ですね」
「教え方が良かったんですよ」
死魔法も無事覚えた。
これで高位魔法は生魔法以外すべて覚えたことになる。
生命の書を確認してみる。
■魔術の才能【学習才能】
熟練度:★★★☆☆
特化:【火】【水】【風】【土】【光】【闇】【命】【炎】【氷】【岩】【雷】【無】【生】【死】【爆】
よしよし。
いっぱい増えてちょっとうれしい。
サラッと生魔法が入ってるが使わなくてもイメージがはっきりしていれば覚えたことになるようだ。
よく見れば熟練度の★の数も一つ増えてるな。
これって結局何なんだろう?
「レベッカさん。熟練度の★ってなんの意味があるか知ってますか?」
「ああ、それは才能の効果範囲ですね。★の数が多ければ多いいほどより広い範囲で才能を発揮できます。」
ほうほう。
試しに龍領の頂上あたりを見ながら魔法を発現しようと試みる。
まあ発現しないよね。
近場でやってたから気づかなかったけど、一定距離を離れると才能を発揮できないのか。
どこまで遠くに発現できるか試してみた結果、★3つだと1キロほど先までならなんとか発現できた。
★5つになったらどの範囲まで発現できるようになるのだろう?
使っているうちに熟練度は上がるだろうからその時に検証してみよう。
「あなた。私にも……」
「カレンもまた魔法の練習する?」
カレンに魔法を教えようとしたとき、マンスが話しかけてくる。
「セージよ。家もできたしわれはそろそろ戻る。マリアスたちをよろしく頼むぞ」
「マンスも気を付けて帰ってね」
「ああ、なにからなにまですまんな」
「こっちこそ。家を建ててもらってありがとう。感謝してるよ」
「ははは。娘の家だと思えば安いものだ。むしろもっと豪勢にしたいが資材が足りん。次来る時にまた家を改築できるよう準備するとしよう」
「いや、あれでいいから……」
「そう遠慮するな!とにかく感謝している。では、また会おう」
マンスは笑いながら兵たちと食料を持って帰った。
次来るのはまた3日後だ。
しばらくは静かに過ごせるだろうか?
いや、だめだ。
余計な事考えるとまたフラグが立つにきまってる。
ここは何も考えずにカレンに魔法を……
「グォオオオオオオオオオオオオ」
盛大な方向が龍領の山から響いた。
少しして案の定オルフェとリョウトがやってきた。
「やあセージ」
「どうもリョウトさん。まさかもう新しい大陸を見てきたの?」
「ああ、一つだけだけどね」
「その件でおぬしに話があって戻ってきた」
「というと?」
リョウトは大きな袋をどさっと地面に置いた。
「僕とオルフェが行ってきたのは南のほうにある『菌領』と『神領』で、神領は残念ながら上陸できなかった。というか近づくことさえできなかったよ。時空魔法か何かで近づこうとするといつの間にか距離が離れてるんだ」
「もう一方の菌領でこれを見つけた」
俺が袋を開けるともわっと埃が舞う。
いや、胞子か?
「カビ臭い……ってなにこの白いふわふわしたの……気持ち悪……ん?」
白カビのお化けのような塊。
よく見ると気のせいか人の形に……。
いや、間違いなく人だ。
目を見開いた顔が白カビの隙間から見えていた。
そしてそれに見覚えがあった。
というかつい最近見たばかりの人物。
「ユウジ!?」
それは衝撃の再会?だった。
またブックマークが増えてて毎日うれしさでニコニコしてます。
PCは蘇生しましたがデータは蘇生しませんでした。(小説はUSBメモリ保存で本当に良かった)
なんかいろんな大事なデータを失いましたがめげずに頑張っていきます!




