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第6話 異世界の領境で愛を叫んだら恥ずくて死にたい

オルフェとリョウト、ランとカンライが旅に出た。


それぞれ思い人と再会できて本当に良かった。


昼食までの時間。


俺はカレンと話をすることにした。


朝食中にさらっとされた妊娠宣言の件についてだ。


流れで好きですとは言ったものの、こういう事は男としてしっかりとけじめをつけたい。


今、俺はカレンと二人で家の寝床に正座して向かい合ってる。


「カレン」


「はい」


「今すぐ自分に不死の才能をつけてくれ」


「え……」


「言ってる意味、分かるな」


「……」


「朝は流れから言った。でも俺はちゃんと自分の才能なしで君に言いたい」


「……わかりました。でも赤ちゃんに何かあると嫌なので好感の才能を消します。それならセージさんも確認できます」


そういってすぐカレンが神の言葉を発する。


俺は生命の書(リブロ・ヴィーテ)を開く。


確かにそこには好感の才能がなくなっていた。


「カレン」


「はい」


「……好きだ」


「…………」


やはり、好感の才能がなくなれば好感度は下がるよな。


わかってはいたが、やっぱりちょっと悲しいな。


「………ます」


「え?」


「違います!好きじゃ足りません!」


っ!


俺は生命の書(リブロ・ヴィーテ)を見直す。


才能はない。


それでもカレンは……。


「カレン」


「はい」


「あ、愛してる」


「ためらったのでやり直しです」


くっ!


絶対もう一回言わせたいだけだろう!


羞恥心がぱねぇ!


「愛してる!」


「声が小さいです!やり直しです!」


カレンってこんな積極的だったか!?


くそ、こうなりゃ意地だ!


何度だって言ってやる!


「愛してる!カレン!愛してる!」


「もっと!もっとです!」


「愛してる!!!」


「わたしもです!」


いきなりカレンが抱き着いてきて、俺は態勢を崩す。


「カ、カレン!?」


「はい!」


「その、本当に俺でいいのか?」


「え?」


きょとんとするカレン。


俺は正直自身がなかった。


そもそも眼鏡だ。


自分的にはイケメンだとは思ってない。


兄弟がいて兄や弟のほうが見た目がかっこいい。


弟はイケメンコンテストで賞を取るくらいだ。


自衛隊時代は体脂肪率3%切る程度に絞ってはいたが、6年のブランクで今の俺の体は軽いメタボディの30歳。


仕事もゲーム作りというお世辞にもかっこいいとは言えない。


自由気ままに好きなように生きてた俺だ。


異世界にきて好感の才能なんてものがなければ今日にも野垂れ死んでたかもしれない。


だから、俺でいいのか?と思う。


「じゃぁ……逆に私でいいんですか?」


カレンも、もしかして同じなのか?


「私、もうアラサーです。おっぱいもありません。人と面と向かってしゃべることが苦手です。友達も全然いません。それに……」


「それに?」


「……かってに妊娠しました」


「うん。……それが何か問題あるの?」


驚いた顔をするカレン。


そうだよ。


別に関係ないんだよ。


誰かを好きになるって。


初めから全部を好きになるなんて無理だ。


アラサー?問題ない、おれ三十路。


おっぱい?あるに越したことはないけどないと死ぬわけじゃない。


人と面と向かってしゃべることが苦手?浮気の心配減るよね。


友達?俺の友達が今日からカレンの友達だ。


そして妊娠。


間違いなく俺の子だ。


ちゃんと子づくりしてないけど次頑張ればいい。


だからなんの問題もない。


ちょっとずつ知って、ちょっとずつ好きになっていけばいい。


もう一度いう。


初めから全部を好きになるなんて無理だ。


だから、ちょっとずつ相手の好きなところを増やしていく。


それが、愛するってことだと俺は思う。


「愛してる」


世界人口70億人をこえる地球という星を超え、異世界で出会た二人。


素敵な出会いじゃないか。(トイレ中だったのを除けば)


「私も、愛してます」


ロマンチックなディナーでプロポーズとはいかないけれど。


異世界で王様と魔王様が用意した新築3日めの家で愛の告白。


俺とカレンは口づけを交わす。


ゆっくりと、互いの感触を確かめるように。


「「……」」


あぁ!恥ずかしい!


恥ずかしさで死にたい!


何を考えてるんだ俺は!


異世界きて3日目だぞ!?


やっぱ空気に流されてるのかな?


いや、そんなことはない。


吊り橋効果とかそんなちゃちなもんじゃねぇ!


これは俺の本心だ!


ああああぁぁぁ!


恥ずかしぃいいい!


「セ……セイジ」


ダメだ、やっぱなんか変だわ俺。


だってカレンのうるんだ瞳が超かわいく見える。


それに急にちゃんとした名前を敬称なしで言われるとドキッとする。


ちょろいな俺。


もう一度、カレンと口づけを交わ……。


「お食事の準備ができましたよ!」


すことはせず、俺とカレンは互いに微笑みあって家を出た。


そして待っていた。


冷やかしという名の嵐。


「セージ。さすがだな。俺には無理だ」


「セージさん。外まで聞こえるほど愛を叫ぶなんてやりますね!」


「セージ!おめでとう!」


「やりますわねセージさん。いささかこちらが熱くなってしまいましたわ」


「セージ!お前は男だな!」


「私もあれくらい愛を語ってくれる人が欲しいものです」


「おめでとうございますセージさん。お幸せに」


召喚者組の洗礼。


恥ずかしさで全身ムズムズする。


「セージ様。私まってます!」


「私もベッドでまってますね」


「セージ様、改めておめでとうございます」


「セージ様。お祝いに今日は一緒に飲みましょう!」


「お、おめでとうございます」


魔領組の洗礼。


マリアスとレイシェン、次はもうない!


絶対にだ!


あとラオファ、照れるな。


こっちが照れ臭いわ!


「セージ様、どうぞ」


あ、イシリア。


ご飯ありがとう。


冷やかしてこないのはあなただけです。


「それと大変熱い愛の告白でございました」


裏切者め!


ラナナとフェミは……うん、赤面してるね。


まだ若そうな二人には刺激が強すぎたのかな?


もう本当、冷やかしありがとう!

誤字修正ついでに召喚者組で一人お祝いの言葉が無かったので追加しました。

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