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第14話 神たちの考え

私の名前はハサン。


1991年のトルコ地震が発生しているさなかこの世界に召還された。


その後いろいろあり現在はアレク様のもと神の一人として世界を見守っている。


アレク様の古くからの友であるユウジ様もまた私の尊敬する神の一人だ。


他にも尊敬できる神がいるが、逆に尊敬できない神もいる。


秦という国からきたというランという神だ。


昔はアレク様やユウジ様と仲が良かったというが正直信じられないほど今は犬猿の仲だ。


何があの3人の仲を引き裂いたのかは知らないがランは事あるごとにアレク様とユウジ様に反発してくる。


今もそうだ。


異世界から来たという二人の新たな召喚者の処遇について揉めている。


「悪意があれば異世界に送るべきだな。今までもそうしてきたんだ」


「悪意があるからってなんでも異世界送りだなんてやり方間違ってるわ!それこそ神にでもなったつもり!?」


「実際俺たちは神としてここにいるんだ。問題ないだろう」


「そうだよラン。僕たちは神としてこの世界にいる。この世界に害を及ぼすかもしれない存在は排除すべきだろう」


「だったら飢饉を解決したりするのはなぜいけないのよ!召喚者に干渉してる時点で世界に干渉してるのと同義でしょう!」


「それとこれとは別だよ。この世界の問題はこの世界で解決すべきだ。別世界の人間が感知すべきじゃない」


「同感だ。俺もこの世界には干渉しないほうがいいと思うよ」


「リョウトはどうなのよ!リョウトだってこの世界に干渉したでしょ!」


「あれは特例だと何度も言ったじゃないか。リョウトの誕生才能が平和の才能だったからこそ許したんだよ」


「だな。俺もリョウトの才能が別の才能だったら異世界に送ってた」


「獣領に住みついたあいつはどうなのよ!?」


「あれは来た時から野生児だったからね。生命の書(リブロ・ヴィーテ)を出現させるどころか言葉が通じてなかったじゃないか」


「だな。原始時代からでもきたんだろう。才能を発現できてないし害を及ぼしようがない」


「じゃあセイジの才能は?好感の才能なんだから争いだって起きないんじゃないの?実際三領の王が友好関係にあるじゃない!」


「それこそ問題だよ。本人の意志に反して好感度が上がるのはいいが周り同士が必ずしも仲良くなるわけじゃない。彼を巡って争いが起きないとは限らない。本人に悪意がないなら神領に来てもらい、嫌なら異世界送りにするのが妥当だ」


「同感」


「~~~っ!もういい!好きにすれば!そうやってあの人みたいに異世界に送ればいいのよ!」


ランが会議室を出て行った。


あの人?とは誰のことだろう。


「あー。ハサンは知らなかったな」


「ユウジ様。心をお読みになるのはおやめください」


「悪い悪い。つい癖でね」


「ユウジ。癖ってことは普段からまだ使ってるのかい?悪趣味だよ?」


「悪かったって。それよりハサンには言っていいだろ?」


「構わないよ」


「ハサンが来る前。俺とアレクとランだけの時にな。異世界から一人の召喚者が来たんだ。名はカンライ。ランと同じ秦から来た人だった。でもそいつが世界を統一するとか言い出してな。人領の一部で軍を発起したんだ」


「して、その方を異世界送りにしたと」


「そういうこと。ランは反対したんだけどな。それが最初の異世界送りになった人だ」


「左様でしたか」


「まあそれ以来だね。ランと馬が合わなくなったのは。内心わかってくれているとは思ってたんだけどなぁ。そのあとの異世界送りの際にも特に反発はなかったし」


「今回みたいなのは久しぶりだよね。どうしてだろう?もしかして好感の才能の影響とか?」


「まさか、不死の才能の効果でそれは無効になるだろう?だいたい接触もしてないのに才能が発動するわけないしね」


「そうだよね。じゃあなんでだろうね。ランがあんなに意固地になるのは」


「さあね。とりあえず俺は行ってくるよ。セイジたちがちょうど龍領へ向かったみたいだしね」


「わかった。行ってらっしゃい」


ユウジ様は時空魔法で龍領へ向かわれました。


しかしなぜでしょう。


不吉な予感がしてなりません。



わたしはティテナ。


年代とかはしらないけどみんなが私の話を聞いて言うにはアフリカから来たらしい。


初めてこの世界に来たときは見知らぬ獣に襲われて怖い思いをした。


でもそれを助けてくれたのがランちゃんだった。


ランちゃんは優しくて私にいろいろなことを教えてくれた。


ランちゃんのことは好きだけど、アレクとユウジは嫌いだ。


男というのもあるけど、あの二人はランちゃんと違ってこう、なんか冷たい。


だから普段から近づかない。


お友達のリュシカとマリアベルもあの二人が嫌いだと言っていた。


昔からいるからって偉そうだとか、なんでも自分の思い通りになると思ているとか。


私もそう思う。


他にもあの二人をよく思ってない人とかいる。


確かにあの二人の言うことは間違ってない。


間違ってないけど正しいとは思えない。


あの二人だけは別格なのは知っている。


私も含めて不死の才能を授けてくれたアレクとユウジだ。


あの二人の才能は知ってる。


アレクの生誕才能が不死の才能で、ユウジの生誕才能が複製の才能だ。


アレクとユウジの力が無ければ私たちは不死になれなかった。


しかし私たちもただ不死の才能を授けられたわけではない。


私たちの才能をあの二人にも渡すことが条件だ。


つまり私たちの持っている才能はあの二人が全部持っているということだ。


絶対的な力を持つあの二人に逆らえる人なんていない。


だからかもしれない。


あの二人が嫌だと思うのは。


「あれ、ランちゃんどうしたんの?」


会議室前の廊下でランちゃんが泣いてる。


「ティテナ……ごめん。なんでもないよ」


「何でもないなんて……まさかあの二人に何かひどい目に合わせれたの!?」


「違う!違うの。きっと私が間違ってるんだ。だからいいの」


「ランちゃん……」


私はランちゃんをギュッとした。



僕はアレク。


2242年の地球からきた。


この時代には地球は一つの国としてまとまっている。


まあ簡単な話だ。


地球外で戦争を始めたからね。


僕は生まれも育ちも地球だからいいけど外惑星育ちの人たちは大変だったろう。


なにせ水も食料もかつかつの星で細々と地球のためにエネルギー採掘をし続けないといけないんだから。


まあそんな生活に耐えられずに地球相手に喧嘩を売ってくるのもわからなくもない。


けど愚かだよね。


技術は地球のほうが上。


そもそも彼らは地球では罪人だった者たちの末裔だ。


罪人は大人しくエネルギーを掘ってればいかったのに。


僕らはそのエネルギーで悠々自適に生活するだけ。


そう、思ってたんだけどね。


まさか突然異世界に召喚されるだなんて誰が想像できる?


でも神は僕を見捨てなかった。


それどころか僕に神を任せてくれたんだ!


なにせ僕に授けられたのは不死の才能だからね。


僕は何があったって死なないのさ。


そして幸いにも100年ほどで新たな友を送ってくれたよ。


ユウジ。


彼の持つ才能もまた神からの贈り物だ。


彼の才能があればどんな才能でも思うがまま!


唯一の難点はその複製の才能自体を僕に複製できないことだけど、彼と僕は実に馬が合う。


だから何も恐れちゃいない。


なにせ僕は神になったんだから!


なのになぜ!


あのくそ龍がユウジを異世界に飛ばしやがった!


くそ!くそ!


あげくランたちがここぞとばかりに新神派を名乗って反発までしてきた。


まずい状況だがまだ大丈夫。


多数決での意見は綺麗に半々。


まずはあのくそセイジをここに連れてきて誰にも教えていない隷属の才能でやつを従わせる。


発動条件が面倒だが、カンライの野郎が持ってた稀有な才能だ。


この才能を奪ったことをばれないようにするため、こっそりカンライを悪者にしたてて異世界送りにしてやったのが懐かしい。


基本的に異世界送りにする前にユウジと俺はそいつらの持ってた才能を奪うようにしている。


建前は何かあったときのためだが、単純にできることが多いほうが神らしいからな。


ユウジもそのほうがいいと言ってたし何の問題もない。


それにしても、くくく。


あの野郎。


僕とユウジの申し出を断りやがって。


タダじゃ済まさない。


万が一、才能の発動ができなくても話をうまく異世界送りにしてやる。


才能が発動できれば悪役に仕立てこちらの意見の正当性を証明するのに利用する。


そのあとはどのみちあの龍と女も一緒に異世界送りにしてやる!


はっはっはっはっは!


おっと、レベッカが帰ってきたな。


セイジを連れて来たようだ。


もう一人の女は置いてきたようだが今はどうでもいい。


「待ってたよ。ようこそ神領大会議室へ」

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